駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど

【ポケモンSVダブル】S6使用構築 最終150位 レート1866.212 真・定数ダメージサイクル

【はじめに】

シオシオシオシオ!S5、S6、PJCS予選及び本戦で使用した構築を記事に書くシオ!第1回予選で予選抜けを果たシオ。本戦は2回ともダメだったシオ。(以下、常体)

【構築経緯】

S4使用構築の、特に強かった3匹であるウインディモロバレルキョジオーンをベースに(実はこの3匹以外は特に強くはなかった。弱くもなかったが)、究極のダブル版受けサイクルが組めないだろうかと考えた。

まずイーユイ絡みを相手するチョッキ枠として、至上の数値受けディンルーを採用。

次に寿司対策として、不死身のポケモンチオンジェンを採用。

最後に、この強力ながらも歪な構築の穴を埋め、繋ぎ合わせるポケモンとしてアーマーガアを採用した。

個々の型を少しずつ最適化し、最終的に以下の形になった。これはS6終了時点でのパーティであり、即ちS5やPJCSで使用したものは若干の相違がある。型については個別に解説していく。

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【個別解説】

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[調整]

おくびょう 197(252)-×-103(20)-121(4)-102(12)-157(220)

S...(最速コノヨザル>最速ビビヨン>最速イダイナキバ=準速イーユイ)抜き

残り…総合耐久高め

[解説]

S4で使用したウインディとほぼ同じである。「しんぴのまもり」ビビヨンを意識して、Sをさらに伸ばした。この素早さは、従来通りイダイナキバを抜いていることが強みであるほか、最速あるいはスカーフでないイーユイを抜くことができ、「いかく」と「わざわいのたま」の発動順によってその判別ができる点で役立った。

グレンアルマが減り、あくタイプも既に2体採用していることから、「あく」テラスタルは不要だと判断し、テラスタイプを「みず」に変更した。これによって、ウインディを寿司に対する強い役割を持たせて選出することが可能になるほか、非常に重い雨パ(イカれた鳥、ペリッパー)への抵抗となる。

「おにび」の命中率が高いことの利点は勿論、「『おにび』を選択した際の勝率が上がる」という選択後における利点もあるが、「『おにび』を選択しやすくなる」という選択段階での利点もある。例えば、ウインディがパオジアンに「ふいうち」で縛られているが、「せいなるつるぎ」では縛られていないとき、「オーバーヒート」を選ぶか「おにび」を選ぶか(どちらが通っても勝ちの状況としよう)という問題がある。「こうかくレンズ」ウインディを使っている私は迷わず、「ふいうち」択を回避する「おにび」を選ぶ。約93.5%で勝ちだ(「オーバーヒート」の勝率はこれより低いと私は思う)。「こうかくレンズ」を持っていないとこの確率が下がることになるが、そうなると行動の指針がブレてしまうように思う(少なくとも私の場合は)。このウインディを使っている間、「おにび」は全て当てる前提で撃った。「おにび」のリターンはとても大きなものなので、撃つ回数は多いほど良い。私は「こうかくレンズ」によって何度も「おにび」を撃て、そのリターンを享受できたわけである。

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[調整]

のんき 219(236)-×-121(156)-105-115(116)-31

S4と同じ。

[解説]

S4から大幅に技構成が変わった。まず、モロバレルの代名詞とも言える「キノコのほうし」を不採用とした。その理由は、「キノコのほうし」の対策は容易であり、モロバレルは環境に多いため対策されていないことはまずあり得ず、リターンに対してリスクの大きい技だからである。「キノコのほうし」は対策が容易で、「くさ」テラスタルや「ぼうじんゴーグル」、「ラムのみ」、「やるき」、「ちょうはつ」、「ねごと」など、その中には選出段階で見えないものも多い。これらを「キノコのほうし」を撃つ段階で看破することは難しく、それにしては余りにもこれらの要因で「キノコのほうし」を無効化される機会が多すぎる。加えて、仮に「キノコのほうし」が通ったとして、最速起きされてしまった場合は、こちらが一手消費して相手も一手失っただけなので、行動回数の差し引きは0となり、殆ど意味がなくなってしまう。即ち、もはや「キノコのほうし」は「無効化される」リスクに対する「眠らせる」リターンが見合わない”弱い”技となってしまっているのだ。

代わりに、「どくどく」を採用した。基本的に相手の想定外であることも相まって、「キノコのほうし」よりも遥かに通りやすい技となっている。モロバレル自身がサイクル化で相手に負担をかけていけるというメリットは大きい。モロバレルはその優秀な耐性から、盤面に居座らせたいことの多いポケモンであるが、相手に負担をかけられないというのはある種のジレンマであった。「どくどく」はそのジレンマを解消できる。また、モロバレル自身が勝ち筋を築けるという点でも優秀な技であった。「キノコのほうし」で眠らせるだけでは、何の解決にもならないのである。

また、「クリアスモッグ」を採用した。勿論、寿司対策という側面もあるが、どちらかというと、テツノカイナ対策の側面が大きかった。寿司には、合体を見た後にチオンジェンとモロバレルを並べて「かふんだんご」をお互いに撃ち合ったり(通称:セックス)、「みず」テラスタルウインディで「おにび」をしたりなど「クリアスモッグ」無しでもいくらか対策はあったが、まああるに越したことはない。それよりもテツノカイナの「つるぎのまい」型や「はらだいこ」型の方が致命的であった。この手のテツノカイナは終盤増加していたようで、殆ど「ぼうじんゴーグル」だったり「くさ」テラスタルだったりで、たとえ「キノコのほうし」を持っていたとしてもモロバレルが全く役割を果たさないので、モロバレルをテツノカイナ対策として選出するこの構築としては、必須の技となった。副産物として、「ビルドアップ」コノヨザルや「みず」テラスタルした「わるだくみ」サーフゴーに対しても抵抗できるようになった。

テラスタイプの「みず」は、「ほのお」テラスタルや「ひこう」テラスタルの「しれいとう」ヘイラッシャに対して確実に行動権を得るのに最適なテラスタイプであった。また、パオジアンやウインディに対して強くなる。

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[調整]

しんちょう 207(252)-120-153(20)-×-154(236)-55

総合耐久高め

[解説]

S4で使ったキョジオーンと調整は同じだが、「たべのこし」をチオンジェンに奪われた。これはチオンジェンが「たべのこし」でないとポケモンではなかったせいである。HPが16n-1のポケモンではなく16nのポケモンが「たべのこし」を持つべきだ。代わりに「オボンのみ」を持たせた。アーマーガアが「オボンのみ」、こちらが「ウイのみ」で試したこともあったが、キョジオーンの絶妙な耐久故に発動機会が無さすぎたので、これで落ち着いた。

環境にサイクル構築が減り、全体攻撃が増えたので、「ステルスロック」を「ワイドガード」にした。味方を守ることで勝てる場面も多く、相手の甘えた全体技に付け込める技でもあり、使用機会は割と多かった。ディンルーの「じしん」とのコンボがある。

テラスタイプは「ゴースト」とした。「かげふみ」対策で構築のどこかに「ゴースト」テラスタルは仕込んでおきたかったのだが、キョジオーンはゴーストタイプになってもハバタクカミに対する優位性が損なわれないため、彼が適任であると考えた。ゴーストキョジオーンは弱点が実質的にあくタイプのみであり、シンプルに非常に優秀なテラスタイプである。テラスキョジオーンで詰める展開も多かった。

このポケモンがなぜおかしいのか。それは「しおづけ」が(おんみつマントというごくごく限定的な唯一の対策を除いて)、絶対に一貫し、そこに相手のタイプ・耐久諸々は一切関係ないからであろう。テラスタルの存在する下において、絶対に一貫する技の異常性が如何なるものかわかるだろうか。実際このポケモンは、その異常な種族値と特性も相まって、別次元のポケモンバトルを可能にする。

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[調整]

ゆうかん 231(4)-178(252)-145-75-132(252)-58

A...特化

残り…特殊耐久重視

[解説]

最高級チョッカー(「とつげきチョッキ」を着る者)。このポケモンの採用目的は偏にイーユイ絡みに勝つために他ならない。イーユイ絡みに対し、ダラダラとしたダメージトレードをしていては負けるのは間違いなくこちらである。なぜならばイーユイのメインウェポンの「ねっぷう」やお供のハバタクカミの「マジカルシャイン」は全体攻撃であり、仮にディンルーが無事だとしても、その隣は無事では済まないからだ。故に、攻撃技で迅速に倒せるよう、Aは特化した。また、特殊以外での役割対象は想定しておらず、イーユイ絡みには僅かでもDを甘えるべきではないと考え、Dに振り切った。

テラスタイプを考えたとき、少なくとも、イーユイ・ハバタクカミ・テツノツツミに一致弱点を突かれないことは必須だと考えた。イーユイのくさ「テラバースト」まで考えると、ノーマル・でんき・どく・フェアリーの4択となる。この中から「フェアリー」を選択した。弱点のはがねやどくはマイナーなタイプで(終盤はサーフゴーが増えていたが)あるし、最大の魅力はフェアリー「テラバースト」と地面技で技範囲を完結できることである。これによって技スペースを圧縮し、「じしん」と「じだんだ」の両採用及び「バークアウト」という立ち回りの幅を増やす技の採用に成功している。

「バークアウト」はしばしば最善手となることがある。例えば、相手が「イーユイ+テツノツツミ」で、イーユイのくさテラスタルが読める場合(テツノツツミは、「じしん」2発ではほぼ落ちない)や、「ユキノオー+テツノツツミ」で、まともにこちらの攻撃が通らない場合などが挙げられる。こうしたとき、一旦、ディンルーの横のキョジオーンが「まもる」をして、「バークアウト」のCダウンを入れることによって、キョジオーンが行動権を得ることで打開できる場合がある。このように、「バークアウト」は疑似的に、ディンルーの行動権を隣のポケモンに移す技(モロバレルの「いかりのこな」のような)として機能する。またディンルーはCが低いとはいえタイプ一致技であり削りが活きる場面も多く、Cに下降補正をかけずにSに下降補正をかけた。Sに下降補正をかけてもディンルー>キョジオーンのS関係は保たれ、ディンルーミラーを想定していないのでSを下げる問題は殆どない。

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[調整]

なまいき 192(252)-105-147(212)-115-177(44)-81

「わざわいのおふだ」考慮下で総合耐久高め

[解説]

最高級宿主(やどりぎのタネをする者)。あのHB特化ナットレイを超える物理耐久とあのHD特化ナットレイを超える特殊耐久を持つ。「たべのこし」がないとHP管理が不可能だったので「たべのこし」を持たせた。

技構成は、チオンジェンの強みである「やどりぎのタネ」、相性の良い「まもる」、味方回復のための「かふんだんご」と、攻撃技の「はたきおとす」とした。「はたきおとす」はその圧倒的な一貫性が強みの技で、「イカサマ」と違い、ハバタクカミやサーフゴーなど低攻撃のポケモンにもダメージに加え持ち物消失という大きな負担をかけることができる。また、例えば「こだわりメガネ」、「おんみつマント」、「クリアチャーム」など、この世にはなくなったほうが幸せになれるものがたくさんあるが、それらを全て消し去ることが可能となる。

性格はSに下降補正のかかる「なまいき」としている。これによって、「はたきおとす」と「かふんだんご」の両方の火力を落とさずに済むほか、チオンジェン<アーマーガアのS関係ができる。このS関係の利点についてはアーマーガアの解説で後述する。

当初は「ひこう」テラスタルで使用していた。ディンルーで「じわれ」を撃つ愚かなプレイヤーが多かったためだ。しかし終盤は「じわれ」が減少傾向にあったので、よりチオンジェン本来の力を引き出せる「みず」とした。物理受けとして優れたタイプであるほか、晴れパの軸であるコータスとその取り巻き、イーユイにも強くなりやすいタイプであり、選出の機会が大幅に増えた。

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[調整]

わんぱく 205(252)-107-143(36)-×-133(220)-87

総合耐久高め

[解説]

究極の補完。以下のような強みが挙げられる。

・物理特殊両面において十分な耐久数値を持ち、「はねやすめ」で回復もできる

・地面(イダイナキバ)耐性がありながら、テツノツツミに弱点を突かれない

・「ミラーアーマー」でソフトな「いかく」対策となる

・耐性と「アイアンヘッド」でハバタクカミやキラフロルに有利を取れる

・優秀なタイプと数値による後出し性能と、「とんぼがえり」による対面操作

・「ちょうはつ」による展開阻止

これら細かい要素の複合がこの構築の穴を綺麗に埋めた。

「とんぼがえり」が特に大きな特徴である。これは単純な対面操作のほか、「かげふみ」対策となり、「ミラクルムーブ」を実現する。「ミラクルムーブ」とは、アーマーガアと、モロバレル或いはチオンジェンを場に並べ、アーマーガアが「とんぼがえり」、隣がアーマーガア方向に「かふんだんご」をすることによって、裏の削れて後出し不可能になったポケモンウインディの場合が多い)をサイクルに参加させた挙句、回復まで行うというムーブである。「とんぼがえり」はこのような柔軟な立ち回りをも可能にする。チオンジェンのSを下げているのは、これが目的であった。

テラスタイプは「ドラゴン」とした。このポケモンは基本的にテラスタルしないが、テラスタルしたい場面というのは、イーユイ相手に行動権を得たいときが多かった。イーユイの「みず」や「くさ」テラスタルを考慮すると、適当なのは「ドラゴン」しかない。

【選出・立ち回り】

当たり前だが相手によって選出や立ち回りは変わるので書けることが少ない。だが、意識すべきことはある。選出段階で意識すべきことには「どのポケモンでテラスタルするか」や「サイクル可能な選出か」、試合段階で意識すべきことは「どのポケモンのHPが特に重要か」や「どう詰めるか」などが挙げられる。

【おわりに】

(以下、塩体)

ここまで読んでくれてありがとうシオ!かなり使い込んだ構築だから中々思い入れのある構築になったシオ!

あなたの目玉をしおづけ!キョジオーンの!ナニモンなんじゃ?ゴレゴレでした~。またね~。