駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど

【ポケモンSVシングル】S14使用構築 最終522位 レート2004.683 エレキレイ完全バトン

【はじめに】

ネッコアラ!(キレイハナの鳴き声)

【構築経緯】

キレイハナを使いたい。キレイハナと言えば、「ちょうのまい」と「バトンタッチ」を習得し、耐久もそこそこ高いため、”蝶舞バトン”に適性があると言えよう。
ここで私はあるポケモンに思いを馳せた。クエスパトラだ。かのポケモンは「めいそう」+「かそく」による事実上の「ちょうのまい」と「バトンタッチ」を習得し、「元祖おかしい」としてレギュレーションBまでは確かに一時代を築いていた。レギュレーションC以降のクエスパトラの衰退の原因は間違いもなく、ディンルーの台頭だろう。「バトンタッチ」も「ふきとばし」の前にはなす術がない。
ディンルーはやや減ったとはいえ、決して少ないわけではない。「ほえる」や「ドラゴンテール」を使うブリジュラスなどのポケモンも増えた。では現在蝶舞バトン構築を使うのは無理なのだろうか。
ここで私はキレイハナがこの問題を解決できることに気付いた。「ねをはる」である。ねをはる状態になったポケモンは一切の強制交代効果を受け付けない。現在「ねをはる」と「バトンタッチ」を両立できるのはドーブルを除くとキレイハナのみであり、”ねをはるバトン”はバトン先ではなくバトン役で強制交代の対策ができることを意味する。「ねをはる」は十分な採用理由になると考えた。
次に、キレイハナの蝶舞バトンは壁張りでサポートをするのが適当だと考えた。蝶舞を何回か積んだ後にバトンしたいため、壁ターンは多く残したい。両壁を張った後、「だいばくはつ」で即刻退場ができるレジエレキを採用した。
バトン先として、テツノツツミ、ポリゴン2、ブリジュラス、ランクルスカイリューを試した結果、ブリジュラスが特に強いと感じたので最終的に採用した。蝶舞バトンによってCDS、「じきゅうりょく」及び「てっぺき」でBを上げることができるブリジュラスは正に完全存在となる。
相手との「めいそう」や「りゅうのまい」の積み合いになると面倒なことこの上ない。積み合いを拒否できるバトン先として、「てんねん」のラウドボーンを採用した。
今回の蝶舞バトンはおよその相手に通ると見ていたが、「くろいきり」だけはキレイハナでもバトン先でも対策不可能なため絶対に無理である。「くろいきり」を使うポケモンは環境だとドヒドイデだけなので、ドヒドイデを裏ごと破壊できるポケモンとして「ちょうはつ」持ちのガチグマ(アカツキを採用した。
サイコファングメタグロスなど、壁を張っても意味がない相手に対する起点作りとして「でんきだま」「なげつける」「おにび」ミミッキュを採用した。ガチグマと併せて「トリックルーム」を匂わせる意味もある。
メタグロスは世界に存在しなかったため、ミミッキュはカスだった。そこで別のポケモンを採用することにした。エレキレイ選出が失敗するとき、原因はほぼ間違いなくレジエレキではなくキレイハナにあるため、起点作成を変えたところでどうしようもない。裏選出を強化する方向で考えることにした。ドヒドイデ入りには初手ガチグマから入ることになるが、ドヒドイデの裏に対面駒がいる場合は普通にある。相手が初手にドヒドイデではなく対面駒を選出してきたとき、ハバタクカミの「こだわりメガネ」「ムーンフォース」及び、ウーラオスの「インファイト」に対するクッションが欲しい。その役目を負うことのできるキチキギスを採用した。
ガチグマ及びキチキギスはバトン先となることも構築段階で想定はした(が、実際にこれらをバトン先にしたのはガチグマが1回のみである)。
以上で構築が完成した。

【個別解説】

[調整意図]

S...4振りラグラージ抜き抜き、+2で最速ウーラオス抜き、+3で最速テツノツツミ抜き。
H…ぶっぱ。
余り...B

[解説]

ネッコアラ。「ちょうのまい」、「ねをはる」、「バトンタッチ」を駆使して”完全”を造り出す構築の軸であり、通称「歩く進化の秘法」と呼ばれたポケモン
調整は蝶舞で補えないBを重視してHBとしたが、「ちょうはつ」ハバタクカミで辛酸を嘗め続けていたのでHSにしようかな、などと思いつつ、なまじこれでも勝ててしまっていたので結局そのままにした。ウーラオスのみずテラス「すいりゅうれんだ」2発を「みがわり」が耐えるなど過剰な硬さを見せたりしたが、間違いなくHSの方が強いだろう。
初手のレジエレキがガチグマやラグラージカバルドンなどの「あくび」持ちのじめんタイプを誘うため、それらを起点にできる「みがわり」を採用した。「がんせきふうじ」など面倒な追加効果のある技の対策になったり、エースを安全に着地させることができたりと、副次的な利点もあった。
テラスタイプは相性補完に優れ、炎オーガポンを起点に出来るほのおとした。
「ようりょくそ」はほぼ死に特性だが、コータスにテラス「みがわり」をすると最高に良い感じになれる。
相手の裏を見て何舞するのが適当か、「ねをはる」を撃つかどうかをその都度考えていた。知識は要求されるポケモン

[調整意図]

H...ぶっぱ。
S...+3で+1最速カイリュー抜き。
余り...B。D偶数。

[解説]

ボォオーーーーン(ンワオ(テラスタル状態の断末魔))。素で高いBを持つため、蝶舞バトンで完全となることができる。「てんねん」によって自分だけが完全を手にする。
技構成はメインウェポンの「フレアソング」と回復技の「なまける」は確定として、一致技でありラティアスなどへの打点となる「シャドーボール」と物理に強くなる「おにび」を採用した。「おにび」は当初、対受けなどを想定して「アンコール」だったが、使用する中でそれよりもアタッカーのカイリュー咎めることができる「おにび」の方が欲しくなったためそうした。
テラスタイプは無難にフェアリーとしたが、サーフゴーやイダイトウに強くなり、「いたずらごころ」や「アシストパワー」の対策ができるあくも有りだったかもしれない。
このポケモンを投げると大体負けるし、ブリジュラスなら勝ってたと後悔することになるのであまり信用していなかった。だがそこそこ厄介な「りゅうのまいカイリューを安直に選出されることが減ったような気がするため、フェイスとしては役に立ったのかもしれない。

[調整意図]

S...最速スカーフイーユイ抜き。
D...ぶっぱ。
余り...損しない程度にHB振り分け。

[解説]

ウウィーフウィユロィ。高い素早さからの両壁、そして速やかな退場をこなせるポケモン
「ブーストエナジー」のハバタクカミとテツノツツミ以外の有象無象に抜かれたくないため、かなりSを伸ばしている。こいつら以外で抜かれたのは「こだわりスカーフラティアスだけであり、非常に安定して壁を張れた。
両壁と自主退場だけなら「ミストバースト」を覚えたサケブシッポでもいいように思われるかもしれないが、そうはいかない大きな理由がある。それは対「ちょうはつ」ハバタクカミである。もしハバタクカミに「ちょうはつ」されたとき、今目の前にいるハバタクカミこそが最大の難敵なのだ。キレイハナが上から2回「ちょうはつ」されて終了する。レジエレキはこれを「サンダーダイブ」でぶん殴ることができる。テラスタイプがでんきなのはそのためである。そのハバタクカミを突破しないことには、勝利が無いのだ。
「サンダーダイブ」はさらに、優れた突破力を持っている。目の前を「サンダーダイブ」で殴ろうとして、居座られたとき、火力の高さから相手を突破することができ、じめんタイプを後投げされたとき、レジエレキを突破することができる。後者の場合、キレイハナの前に起点にしやすいじめんタイプがいるという最高の盤面が出来上がるのだ。
このポケモンはダメージ・センサとしても活用できる。これは特に対ガチグマで役立つ。「ひかりのかべ」下でガチグマの技を一発耐えるので、そのダメージ量から逐一ガチグマのCを算出し、「あくび」の有無を推測することでキレイハナが「ちょうのまい」と「みがわり」のどちらから入るかを決定していた。

[調整意図]

H...ぶっぱ。
D…C特化「こだわりメガネ」ハバタクカミの「シャドーボール」2耐え。
S...遅いウーラオス意識。
余り…B

[解説]

ヒュイーヒヒョヒョヒョヒョヒョーン。裏選出におけるクッション。
構築に最後に入ってきたポケモンで記憶するところ2回しか選出していない。以前使ったことのあるキチキギスをほぼ流用した。
技構成は、ウーラオスやパオジアンに対する打点となるメインウェポンの「ムーンフォース」、回復技の「はねやすめ」、対面操作の「とんぼがえり」、崩しの起点を作れる「アシッドボム」とした。「アシッドボム」は自ら崩しに行けるだけではなく、ガチグマを通すのにも利用できた。
ハバタクカミなどの技の追加効果による運負けをなくせ、キョジオーン対策になる「おんみつマント」を持たせた。
テラスタイプはウーラオス意識のみずだが、切ったことはない。
「どくびし」を形式的に対策できるほか、ハバタクカミや悪ウーラオスを選出抑制できていた気がする。フェイスとして優秀だった。

[調整意図]

D...ぶっぱ。
H...16n+1
余り…B。CS偶数。

[解説]

ウウォーーーン。特殊火力、特殊耐久、素早さ、物理火力、物理防御、耐性、技範囲と文字通り”全て”を具え持つ完全なるポケモン
技構成はメインウェポンの「ラスターカノン」と、みずタイプに撃つ「10まんボルト」、詰めの選択肢を取れる「てっぺき」、「じきゅうりょく」と「てっぺき」を活かせる「ボディプレス」とした。「てっぺき」「ボディプレス」型ジバコイルと全く同じ技構成であり、技範囲は実に広い。
持ち物は突破不能性を高める「たべのこし」とし、テラスタイプは「あんこくきょうだ」や「インファイト」、「せいなるつるぎ」、「ドラゴンテール」などの対策となるフェアリーとした。
本当に強かった。全体的な数値が高い上にタイプも強力で、半減技に受け出して「じきゅうりょく」を発動させる動きが取れたり、毒無効、「ステルスロック」半減などの要素もバトンエースとして偉すぎた。

[調整意図]

C...特化。
H...50n+1
S...ハピナス意識。4振りラグラージ抜き。
余り...D

[解説]

クア゛ア゛ウ。ドヒドイデ破壊兵器。「ちょうはつ」で受けポケモンを機能停止させながらノーマルテラスタル「シルクのスカーフ」「ブラッドムーン」(誰も受からない)でサイクルを破壊する。「ハイパーボイス」でグライオンもきちんと破壊する。
このポケモンは基本選出に絡まないため、汎用性は削いでもよく、ハピナスグライオンに毒を入れられても削りきられないように「つきのひかり」を採用した。裏が無限サイクルパーツなので猛毒を入れられても何とかなる。
純正受けループを粉々にできて気持ち良かった。バトン先としてもやれなくはないのだろうが、ブリジュラスが強すぎた。

【選出・立ち回り】

[基本選出]

レジエレキ+キレイハナ+ブリジュラス
体感8割はこの選出だった。両壁を張り、退場し、適当な回数舞い、ときに根を張り、"完全"を降臨させる。キレイハナとブリジュラスの技選択にのみ思考を割けばよい。ポケモン入れ替えなんて使わへんからなぁ!

[基本選出亜種]

ブリジュラス→ラウドボーン
まあ、ブリジュラスの方がいいんじゃないかな。

ドヒドイデ

ガチグマ+ラウドボーンorキチキギスorブリジュラスから2体
ヌンプルに勝とう!

【おわりに】

最近は勝てる構築がいろいろ組めるようになってきたのでポケモンが楽しいです。ここまで読んでくださってありがとうございました。