駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど X…@dameningenyoyo

【ポケモンSVシングル】 S19使用構築 最終289位 レート2003.752 プラチナ攻めサイクル

【はじめに】

こんにちは。今回は攻めサイクル(有限サイクル)を使いました。この手の構築はあまり使ってこなかったような気がしていて、使っていく中でさらにサイクル戦への理解度が上がりました。今回は「サイクル」そのものについても書いていけたらなと思います。

【構築経緯】

ジバコイルを使いたい。このポケモンはやはりタイプと「ボルトチェンジ」を活かしたサイクル戦に適性があるだろう。そこで、サイクル構築をベースに組むことにした。ここで、ジバコイルが有限ポケモンである以上、サイクル回数は必ず有限であるため、攻撃性能のあるポケモンで相手のサイクルを積極的に崩していくことが、構築全体で求められることに留意した。
まず相性補完が取れる禁止伝説を考えた。当初はミライドン(ドラゴン・はがねサイクル)で構築を組んでみたが、やはりじめんの一貫が論外であり、対面操作ができるはがね枠にハッサムやアーマーガアを採用したような既存のミライドンサイクルの劣化版にしかならないことを悟った。
しかしはがねとドラゴンの相性補完が良いのは事実なので、ジバコイルの弱点であるじめんやかくとうにも耐性を持てるドラゴン伝説枠として、オリジンギラティナを採用した。レックウザも条件にあてはまるが、単純にギラティナの方が強いと考えた。
構築の核となる禁止伝説をギラティナに決定したため、ここからはギラティナに合わせて構築を組んでいく。このポケモンの強みは、高耐久及びタイプによるサイクル性能と、高火力一致技の「ポルターガイスト」「りゅうせいぐん」と先制技の「かげうち」による対面性能を両立していることだと考えた。特に「かげうち」は、現環境では難しい、黒バドレックスを上からワンパンできる手段であり、黒バドレックスにテラスタルを強要することができるのは大きな強みである。そこで次は、黒バドレックスにテラスタルを切らせることが勝利に繋がるようなポケモンを探した。
そこで「しんそくカイリューに白羽の矢が立った。「かげうち」の圧力でゴーストタイプにテラスタルを切らせれば、今度は「しんそく」が一貫するだろう。逆に「しんそく」対策のゴーストテラスタルは「かげうち」で咎めることができる。「しんそく」の火力を重視し持ち物は「こだわりハチマキ」とした。
ここからは補完となるポケモンを考えた。まず、ジバコイルギラティナは、ディンルーをはじめとして、「ボルトチェンジ」が無効でギラティナで致命傷を与えづらい高耐久のじめんタイプが重い。じめん絡みのサイクルを崩せるポケモンとしてテツノツツミを採用。じめんタイプを崩せるみずタイプは大抵ミライドンに対抗することが難しいが、このポケモンなら対抗できる点も評価した。
黒バドレックスというポケモンは、偶発対面から勝てるポケモンを揃えたところで、後発からこちらの削れたポケモンを「くろのいななき」で起点にしてくるため、「アストラルビット」に受け出せるポケモンがいなければお話にならない。黒バドレックス受けとしてガラルファイヤーを採用。詳しくは後述するが、黒バドレックスの裏のディンルーにも隙を見せづらく、黒バドレックス以外の一部の構築にも強い役割を持てるのが強みである。
最後に、まだまだじめんタイプは重いこと、パオジアンに強いポケモンが欲しかったこと、ギラティナが苦手なノーマルタイプやあくタイプに強いこと、確実に仕事ができる初手要員が欲しかったことなどから「きあいのタスキ水ウーラオスを採用した。

この構築で初めはよく勝てていたが、次第にハバタクカミやハッサムなど、カイリューの「しんそく」に対するメタの厚さを感じ、カイリューを使い続けることが難しいと判断した。様々な代案を考えた末、「しんそく」を通すというコンセプトを捨て、最終的に補完としてマンムーを採用した。じめんタイプを牽制できる点、フェアリーテラスタルによってコライドンやパオジアンなどに対抗できる点、じめんタイプであり、顔がミライドンに強い点などを評価した。
以上で構築が完成した。

【コンセプト】

・単一のポケモンの複合範囲に対して単一のポケモンで耐性を持つ(例えば、ミライドンのでんき+ドラゴンに対してジバコイル、ヌチゲモの「しんがん」ノーマル+じめんに対してはがねテラスタルギラティナなど)ことで、明確に役割を持てるようにする。
・攻撃と防御の両立。相性補完や耐久値といった防御性能だけでなく、火力や技範囲、先制技など、攻撃性能も確保する。これによって速く相手のサイクルを崩すことでこちらが必要なサイクル回数(後出し回数)を最小限に抑え、また安易な交代読みを許さないことで、結果的にサイクルの安定性を高める。攻撃は最大の防御。
・環境ポケモンの異常な素早さに優先度で対抗することで、不毛な同速ゲーを避ける。

【個別解説】

[調整意図]

H...16n-1
C...11n
余り...D

[解説]

チョッキソーサー(「とつげきチョッキ」を持って対面操作をする者)。
主な役割対象はミライドン、ハバタクカミ、ヘイラッシャ、キラフロル、テツノツツミ、ミミッキュドヒドイデアシレーヌなど。現環境のザシアンや白バドレックスはこのポケモンに対する有効打がないことも多く、これらに投げられないこともなかった。ザシアンがじめん「テラバースト」であった場合は、ウーラオスなどで処理しやすくなる。またこの構築はフェアリーが一貫しているため、ルナアーラの「ムーンフォース」受けとして選出したり、ムゲンダイナの「どくどく」やチオンジェンの「やどりぎのタネ」に対して後攻「ボルトチェンジ」で裏のポケモンを安全に着地させるために選出することもあった。
配分は当初はHDぶっぱで使っていたが、火力が絶妙に足りないことが多かったためCに寄せた。
特性は発動機会が多く、相手への負担が大きくなる「アナライズ」で確定。
このポケモンは技が”ぬい”(ヌンプルにない)ため残念ながら技が4つとも確定となった。「ミラーコート」がないとミライドンに結局勝てないため必須である。
ラスタルはほとんど切らないが、テラスタイプは本来の弱点を全て等倍以下に抑えることができ、弱点を突かれにくいフェアリー。ドラゴン技を半減ではなく無効にできる点が何気に強く、初手のカイリューが大体「こだわりハチマキ」「げきりん」であることがわかってから役に立ったりした。

[調整意図]

A...特化
H...8n-1
BD...総合耐久高め。
余り…C

[解説]

禁止伝説枠。ほとんどの試合で選出した。高HPの良好な種族値配分で、その高い種族値を余すところなく全て活用している。どくびしが無効なのも優秀である。
主な役割対象はウーラオス、オオニューラ、ガチグマ、オーガポン、ゴリランダー、テツノカイナなど。「ふゆう」+はがねテラスタルというこのゲームの基本コンボを使いこなす唯一の禁止伝説でもあり、テラスタルを併せるとほとんどのポケモンと渡り合うことができ、サイクルの敵とも言えるヌチゲモやグライオンに対して強い役割を持つことができる。ただし安易なテラスタルを切ると相手のかくとうタイプやオーガポンが一貫してしまうので、これらがいる場合はギラティナにテラスタルを切らずに試合を進める必要がある。
型は強力な技である「かげうち」と「ポルターガイスト」を活かす物理ベースとしたが、物理ドラゴン技が弱すぎるため「りゅうせいぐん」採用の両刀型とした。「りゅうせいぐん」は「エレキシード」オオニューラやヘイラッシャ、HBベースのヌチゲモやママンボウなどへの優秀なダメージソースであった。またテラスタルで一致技になり、フェアリータイプへの打点となる「アイアンヘッド」を採用した。
ポルターガイスト」+「かげうち」や「りゅうせいぐん」+「かげうち」のリーチは長く例えば前者はH振りオーガポンを落としきるほどの火力、後者は耐久に降った「エレキシード」オオニューラを落としうるほどの火力がある。しかし両方とも命中不安なのが軸として使っていくうえで大きな難点であると感じた。「おにび」や「でんじは」などの状態異常を軸にしても結局この問題は付きまとうため、いまひとつこのポケモンの使用率が伸びないのも納得であった。

[調整意図]

HD...Cぶっぱ「こだわりメガネ」ハバタクカミの「ムーンフォース」耐え
B...A特化晴れ下コライドンの「スケイルショット」5発耐え
S...HBカイリュー意識(まひ状態の最速テツノツツミを抜ける実数値104抜き)
余り...A

[解説]

ラストピース。「あついしぼう」とフェアリーテラスタル、「ゴツゴツメット」を組み合わせることによって初手に出されやすいパオジアンやコライドンに有利に立ち回れると考え採用した。実際はパオジアンにはよく刺さったがコライドンには「とんぼがえり」で逃げられたりテラス択だったりで対策と呼ぶには不十分。
パオジアンがマンムーに対して撃つ技は全て接触技なので、フェアリー「テラバースト」と「ゴツゴツメット」で多くのHPを残して突破できる。「何だろう、それってジュゴンでよくないですか?」とひろゆきに言われるかもしれないが、じめんタイプであることから、パオジアンのでんき「テラバースト」を許さなかったり、「ステルスロック」を考慮させて引きを抑制する効果が期待できる。また何よりミライドン対策顔ができることが重要だった。このポケモンを採用する前はミライドンに「ボルトチェンジ」を撃たれ放題で顔面林だったが、採用してからは「りゅうせいぐん」や「とんぼがえり」で済むことが多く、非常にサイクルが楽になった。ちなみにマンムー自体は「りゅうせいぐん」でワンパンなので、フェアリーテラスタルを絡めて抗うことはできるとはいえど、対策とは呼べない。
技構成は「つららおとし」だけは撃つ機会が少なく、一考の余地があると感じた。「つららばり」、「はたきおとす」、「ステルスロック」などが候補。

[調整意図]

最速CSぶっぱ余りB

[解説]

「当たり前」。このポケモンが「おかしい」というのは過去の話であり、今やミライドンやディンルー、ホウオウなどの「真・おかしい」チョッキポケモン達に当然のように抜群技を耐えられるのが日常である。
とは言ったものの、じめんタイプにもヘイラッシャにもミライドンにも圧力をかけていける性能は唯一無二であり、白バドレックスという意外な役割対象が存在していたため最後まで採用した。白バドレックスに対しては「ブリザードランス」が4分の1、HPが低いおかげで「やどりぎのタネ」による回復量も少なく、みずテラスタルにも「フリーズドライ」で対抗できるので意外と有利に立ち回れる。
テラスタイプは最大火力を出せる「みず」。
ほぼミライドンや白バドレックス相手にしか選出しなかったが、ミライドン構築は数もパターンも多いのでそれに対する選出パターンが増えるのは大きなメリットだったと感じる。

[調整意図]

H…16n
S...準速キノガッサ抜き抜き
D...11n
C...2n
余り...B

[解説]

黒バドレックス受け。でもただの黒バドレックス受けじゃない。
まず対黒バドレックスを見たとき、ディンルー対策として流行っていたくさテラスタルやかくとうテラスタルにも対応できることが強かった。フェアリーテラスタルは今期はそれほど流行っていなかったように感じるし、はがねテラスタルで抵抗できないことはない(厳しい)。このポケモンの最大の特徴として、黒バドレックスだけではなく、その裏のディンルーやウーラオス、「ゴツゴツメットカイリューなどにも抗えることが挙げられる。どくびしも無効なので、どくびしによって役割を失うこともない。言わば相手の構築全体に強いのだ。
対ディンルーについて詳述する。「とつげきチョッキ」でないディンルーに対しては「ちょうはつ」で「ステルスロック」や「ふきとばし」による展開を封じることができるし、「カタストロフィ」を受けても「いたみわけ」でディンルーを削りながら回復、「ぎゃくじょう」でCを上げ続けることができる。「とつげきチョッキ」ディンルーに対してもメインウェポンに耐性があるため基本的に同様に立ち回れる。フェアリー/でんき「テラバースト」で突破を図ってきた場合も、裏のギラティナの攻撃がディンルーに通るようになっているし、黒バドレックスにテラスタルを切れないということは「かげうち」が通るのでおよそ勝てる。
さらに、黒バドレックスだけでなく、ルナアーラ、テラパゴス、ルギアといった「めいそう」持ちの居座り耐久系禁止伝説に「ちょうはつ」+「バークアウト」+「いたみわけ」によって勝つことができ、これらとよく組み合わされている「どくびし」も無効。ギラティナにはヌンプルに強く、テラスタルを切るとムゲンダイナにも対抗でき、対中堅禁止伝説という役割もあった。自慢のポケモン
「いたみわけ」で相手のHPを算出し、配分や型を推定することができる。
(相手の分ける前のHP)=(ファイヤーの分けた後のHP)×2-(ファイヤーの分ける前のHP) ※「たべのこし」の回復量:12
例えばディンルーの最大HPが230だったら、そいつはAD振りの「とつげきチョッキ」持ちだ!

[調整意図]

A...特化
S...ファイヤー+1
H...6n-1
B...A特化カイリューの+1「スケイルショット」をほぼ耐え
余り...D

[解説]

フィジカルギフテッド。初手での荒らし、崩し、ストッパー、サイクル加入などあらゆる役割を高い水準でこなせる流石の課金ポケモン
何もできずに倒されるということがほとんどないため、困ったら初手に投げていた。行動保証を活かして居座っても良し温存のために引いても良しで、引く場合も、高い圧力から相手の安易な交代読みを許さない点(例えば、黒バドレックスのファイヤー引き読み「わるだくみ」など)が強かった。
「スケイルショット」カイリュー意識のB振り、「ゴツゴツメットカイリュー意識の「アイススピナー」採用。「ゴツゴツメット」のダメージが入るとカイリューはこおり技に対する警戒心が薄れる。「こだわりスカーフ」の雰囲気を出しておくと尚良し。このポケモンカイリューを突破することでサイクルを攻略することは多かった。サイクルを崩す手段として、役割破壊は最も手っ取り早い。Sは準速キノガッサだけ抜いていれば十分だと感じた。「スケイルショット」カイリューにはむしろ後手を取りたい。「アイススピナー」は対ゴリランダーや対ミライドンで役に立つこともあった。
普通のウーラオスなのでこのポケモンについて語ることはこのくらいだが、余談として、現環境は意外とかくとうの通りが良いため、今このポケモンを採用するなら「インファイト」を強く使える型が良い気がしているということを記しておく。

【選出・立ち回り】

キリがないので主要禁止伝説のみ。

・対ミライドン

ジバコイル+テツノツツミ+ギラティナが多かったが、取り巻きによって変動。
ジバコイルと対面したミライドン側の気持ちを考えて技選択、裏でジバコイルが受かっていないミライドンは突っ込んでくることがある。ジバコイルのHPを残した状態で取り巻きを倒して「ミラーコート」で詰める、テツノツツミでミライドンにテラスタルを切らせてジバコイルの攻撃技を通るようにする、といった展開を狙っていきたい。最悪ギラティナでテラス択ができる。

・対黒バドレックス

ウーラオス+ファイヤー+ギラティナのがほとんどだった。バドレックスとウーラオスギラティナの偶発対面は、1サイクル目は基本的にファイヤーに引いていた。バドレックスをファイヤーで受けることばかり考えると型によっては破壊されるので注意。如何に先制技の圏内に入れるかを考える。

・対コライドン

マンムー+ウーラオスギラティナのがほとんどだった。サイクルは基本通用しないので対面的に殴り合う。

・対ザシアン

ジバコイル+ウーラオスギラティナが多かった。おそらくかくとう技は割り切った方が勝率が高い。

・対テラパゴス

ウーラオスギラティナ+ガラルファイヤーがほとんどだった。ガラルファイヤーとウーラオスをきちんと温存できればまあ負けない。

・対白バドレックス

テツノツツミ+ウーラオスギラティナがほとんどだった。ジバコイルも全然強い。「やどりぎのタネ」でも「トリックルーム」でも選出は変わらないはずで、「トリックルーム」はギラティナのはがねテラスタルで順当にやったら勝てる。「やどりぎのタネ」は相手の技選択読んで3体でクルクルしながらゴリ押す。頭ナットレイなのでこれで全勝した。

・対ホウオウ

😇

【きついポケモン

キョジオーン...勝てないです、人類が。
ホウオウ...ウーラオスでさかさバトルしたら奇跡的に勝てたことがある。切断された。
フェアリー黒バド…毎回勝つのは無理。
キノガッサ…オキテーアサダヨー
アローラベトベトン...なんかギラティナとファイヤーに強い。こんな意味不明な林ポケモンが重くてすごく嫌。

【おわりに】

デフレのおかげでSV初の300位以内入れたのでちょっと嬉しいです。ここまで読んでくださってありがとうございました。