駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど X…@dameningenyoyo

【ポケモンSVシングル】 S19使用構築 最終289位 レート2003.752 プラチナ攻めサイクル

【はじめに】

こんにちは。今回は攻めサイクル(有限サイクル)を使いました。この手の構築はあまり使ってこなかったような気がしていて、使っていく中でさらにサイクル戦への理解度が上がりました。今回は「サイクル」そのものについても書いていけたらなと思います。

【構築経緯】

ジバコイルを使いたい。このポケモンはやはりタイプと「ボルトチェンジ」を活かしたサイクル戦に適性があるだろう。そこで、サイクル構築をベースに組むことにした。ここで、ジバコイルが有限ポケモンである以上、サイクル回数は必ず有限であるため、攻撃性能のあるポケモンで相手のサイクルを積極的に崩していくことが、構築全体で求められることに留意した。
まず相性補完が取れる禁止伝説を考えた。当初はミライドン(ドラゴン・はがねサイクル)で構築を組んでみたが、やはりじめんの一貫が論外であり、対面操作ができるはがね枠にハッサムやアーマーガアを採用したような既存のミライドンサイクルの劣化版にしかならないことを悟った。
しかしはがねとドラゴンの相性補完が良いのは事実なので、ジバコイルの弱点であるじめんやかくとうにも耐性を持てるドラゴン伝説枠として、オリジンギラティナを採用した。レックウザも条件にあてはまるが、単純にギラティナの方が強いと考えた。
構築の核となる禁止伝説をギラティナに決定したため、ここからはギラティナに合わせて構築を組んでいく。このポケモンの強みは、高耐久及びタイプによるサイクル性能と、高火力一致技の「ポルターガイスト」「りゅうせいぐん」と先制技の「かげうち」による対面性能を両立していることだと考えた。特に「かげうち」は、現環境では難しい、黒バドレックスを上からワンパンできる手段であり、黒バドレックスにテラスタルを強要することができるのは大きな強みである。そこで次は、黒バドレックスにテラスタルを切らせることが勝利に繋がるようなポケモンを探した。
そこで「しんそくカイリューに白羽の矢が立った。「かげうち」の圧力でゴーストタイプにテラスタルを切らせれば、今度は「しんそく」が一貫するだろう。逆に「しんそく」対策のゴーストテラスタルは「かげうち」で咎めることができる。「しんそく」の火力を重視し持ち物は「こだわりハチマキ」とした。
ここからは補完となるポケモンを考えた。まず、ジバコイルギラティナは、ディンルーをはじめとして、「ボルトチェンジ」が無効でギラティナで致命傷を与えづらい高耐久のじめんタイプが重い。じめん絡みのサイクルを崩せるポケモンとしてテツノツツミを採用。じめんタイプを崩せるみずタイプは大抵ミライドンに対抗することが難しいが、このポケモンなら対抗できる点も評価した。
黒バドレックスというポケモンは、偶発対面から勝てるポケモンを揃えたところで、後発からこちらの削れたポケモンを「くろのいななき」で起点にしてくるため、「アストラルビット」に受け出せるポケモンがいなければお話にならない。黒バドレックス受けとしてガラルファイヤーを採用。詳しくは後述するが、黒バドレックスの裏のディンルーにも隙を見せづらく、黒バドレックス以外の一部の構築にも強い役割を持てるのが強みである。
最後に、まだまだじめんタイプは重いこと、パオジアンに強いポケモンが欲しかったこと、ギラティナが苦手なノーマルタイプやあくタイプに強いこと、確実に仕事ができる初手要員が欲しかったことなどから「きあいのタスキ水ウーラオスを採用した。

この構築で初めはよく勝てていたが、次第にハバタクカミやハッサムなど、カイリューの「しんそく」に対するメタの厚さを感じ、カイリューを使い続けることが難しいと判断した。様々な代案を考えた末、「しんそく」を通すというコンセプトを捨て、最終的に補完としてマンムーを採用した。じめんタイプを牽制できる点、フェアリーテラスタルによってコライドンやパオジアンなどに対抗できる点、じめんタイプであり、顔がミライドンに強い点などを評価した。
以上で構築が完成した。

【コンセプト】

・単一のポケモンの複合範囲に対して単一のポケモンで耐性を持つ(例えば、ミライドンのでんき+ドラゴンに対してジバコイル、ヌチゲモの「しんがん」ノーマル+じめんに対してはがねテラスタルギラティナなど)ことで、明確に役割を持てるようにする。
・攻撃と防御の両立。相性補完や耐久値といった防御性能だけでなく、火力や技範囲、先制技など、攻撃性能も確保する。これによって速く相手のサイクルを崩すことでこちらが必要なサイクル回数(後出し回数)を最小限に抑え、また安易な交代読みを許さないことで、結果的にサイクルの安定性を高める。攻撃は最大の防御。
・環境ポケモンの異常な素早さに優先度で対抗することで、不毛な同速ゲーを避ける。

【個別解説】

[調整意図]

H...16n-1
C...11n
余り...D

[解説]

チョッキソーサー(「とつげきチョッキ」を持って対面操作をする者)。
主な役割対象はミライドン、ハバタクカミ、ヘイラッシャ、キラフロル、テツノツツミ、ミミッキュドヒドイデアシレーヌなど。現環境のザシアンや白バドレックスはこのポケモンに対する有効打がないことも多く、これらに投げられないこともなかった。ザシアンがじめん「テラバースト」であった場合は、ウーラオスなどで処理しやすくなる。またこの構築はフェアリーが一貫しているため、ルナアーラの「ムーンフォース」受けとして選出したり、ムゲンダイナの「どくどく」やチオンジェンの「やどりぎのタネ」に対して後攻「ボルトチェンジ」で裏のポケモンを安全に着地させるために選出することもあった。
配分は当初はHDぶっぱで使っていたが、火力が絶妙に足りないことが多かったためCに寄せた。
特性は発動機会が多く、相手への負担が大きくなる「アナライズ」で確定。
このポケモンは技が”ぬい”(ヌンプルにない)ため残念ながら技が4つとも確定となった。「ミラーコート」がないとミライドンに結局勝てないため必須である。
ラスタルはほとんど切らないが、テラスタイプは本来の弱点を全て等倍以下に抑えることができ、弱点を突かれにくいフェアリー。ドラゴン技を半減ではなく無効にできる点が何気に強く、初手のカイリューが大体「こだわりハチマキ」「げきりん」であることがわかってから役に立ったりした。

[調整意図]

A...特化
H...8n-1
BD...総合耐久高め。
余り…C

[解説]

禁止伝説枠。ほとんどの試合で選出した。高HPの良好な種族値配分で、その高い種族値を余すところなく全て活用している。どくびしが無効なのも優秀である。
主な役割対象はウーラオス、オオニューラ、ガチグマ、オーガポン、ゴリランダー、テツノカイナなど。「ふゆう」+はがねテラスタルというこのゲームの基本コンボを使いこなす唯一の禁止伝説でもあり、テラスタルを併せるとほとんどのポケモンと渡り合うことができ、サイクルの敵とも言えるヌチゲモやグライオンに対して強い役割を持つことができる。ただし安易なテラスタルを切ると相手のかくとうタイプやオーガポンが一貫してしまうので、これらがいる場合はギラティナにテラスタルを切らずに試合を進める必要がある。
型は強力な技である「かげうち」と「ポルターガイスト」を活かす物理ベースとしたが、物理ドラゴン技が弱すぎるため「りゅうせいぐん」採用の両刀型とした。「りゅうせいぐん」は「エレキシード」オオニューラやヘイラッシャ、HBベースのヌチゲモやママンボウなどへの優秀なダメージソースであった。またテラスタルで一致技になり、フェアリータイプへの打点となる「アイアンヘッド」を採用した。
ポルターガイスト」+「かげうち」や「りゅうせいぐん」+「かげうち」のリーチは長く例えば前者はH振りオーガポンを落としきるほどの火力、後者は耐久に降った「エレキシード」オオニューラを落としうるほどの火力がある。しかし両方とも命中不安なのが軸として使っていくうえで大きな難点であると感じた。「おにび」や「でんじは」などの状態異常を軸にしても結局この問題は付きまとうため、いまひとつこのポケモンの使用率が伸びないのも納得であった。

[調整意図]

HD...Cぶっぱ「こだわりメガネ」ハバタクカミの「ムーンフォース」耐え
B...A特化晴れ下コライドンの「スケイルショット」5発耐え
S...HBカイリュー意識(まひ状態の最速テツノツツミを抜ける実数値104抜き)
余り...A

[解説]

ラストピース。「あついしぼう」とフェアリーテラスタル、「ゴツゴツメット」を組み合わせることによって初手に出されやすいパオジアンやコライドンに有利に立ち回れると考え採用した。実際はパオジアンにはよく刺さったがコライドンには「とんぼがえり」で逃げられたりテラス択だったりで対策と呼ぶには不十分。
パオジアンがマンムーに対して撃つ技は全て接触技なので、フェアリー「テラバースト」と「ゴツゴツメット」で多くのHPを残して突破できる。「何だろう、それってジュゴンでよくないですか?」とひろゆきに言われるかもしれないが、じめんタイプであることから、パオジアンのでんき「テラバースト」を許さなかったり、「ステルスロック」を考慮させて引きを抑制する効果が期待できる。また何よりミライドン対策顔ができることが重要だった。このポケモンを採用する前はミライドンに「ボルトチェンジ」を撃たれ放題で顔面林だったが、採用してからは「りゅうせいぐん」や「とんぼがえり」で済むことが多く、非常にサイクルが楽になった。ちなみにマンムー自体は「りゅうせいぐん」でワンパンなので、フェアリーテラスタルを絡めて抗うことはできるとはいえど、対策とは呼べない。
技構成は「つららおとし」だけは撃つ機会が少なく、一考の余地があると感じた。「つららばり」、「はたきおとす」、「ステルスロック」などが候補。

[調整意図]

最速CSぶっぱ余りB

[解説]

「当たり前」。このポケモンが「おかしい」というのは過去の話であり、今やミライドンやディンルー、ホウオウなどの「真・おかしい」チョッキポケモン達に当然のように抜群技を耐えられるのが日常である。
とは言ったものの、じめんタイプにもヘイラッシャにもミライドンにも圧力をかけていける性能は唯一無二であり、白バドレックスという意外な役割対象が存在していたため最後まで採用した。白バドレックスに対しては「ブリザードランス」が4分の1、HPが低いおかげで「やどりぎのタネ」による回復量も少なく、みずテラスタルにも「フリーズドライ」で対抗できるので意外と有利に立ち回れる。
テラスタイプは最大火力を出せる「みず」。
ほぼミライドンや白バドレックス相手にしか選出しなかったが、ミライドン構築は数もパターンも多いのでそれに対する選出パターンが増えるのは大きなメリットだったと感じる。

[調整意図]

H…16n
S...準速キノガッサ抜き抜き
D...11n
C...2n
余り...B

[解説]

黒バドレックス受け。でもただの黒バドレックス受けじゃない。
まず対黒バドレックスを見たとき、ディンルー対策として流行っていたくさテラスタルやかくとうテラスタルにも対応できることが強かった。フェアリーテラスタルは今期はそれほど流行っていなかったように感じるし、はがねテラスタルで抵抗できないことはない(厳しい)。このポケモンの最大の特徴として、黒バドレックスだけではなく、その裏のディンルーやウーラオス、「ゴツゴツメットカイリューなどにも抗えることが挙げられる。どくびしも無効なので、どくびしによって役割を失うこともない。言わば相手の構築全体に強いのだ。
対ディンルーについて詳述する。「とつげきチョッキ」でないディンルーに対しては「ちょうはつ」で「ステルスロック」や「ふきとばし」による展開を封じることができるし、「カタストロフィ」を受けても「いたみわけ」でディンルーを削りながら回復、「ぎゃくじょう」でCを上げ続けることができる。「とつげきチョッキ」ディンルーに対してもメインウェポンに耐性があるため基本的に同様に立ち回れる。フェアリー/でんき「テラバースト」で突破を図ってきた場合も、裏のギラティナの攻撃がディンルーに通るようになっているし、黒バドレックスにテラスタルを切れないということは「かげうち」が通るのでおよそ勝てる。
さらに、黒バドレックスだけでなく、ルナアーラ、テラパゴス、ルギアといった「めいそう」持ちの居座り耐久系禁止伝説に「ちょうはつ」+「バークアウト」+「いたみわけ」によって勝つことができ、これらとよく組み合わされている「どくびし」も無効。ギラティナにはヌンプルに強く、テラスタルを切るとムゲンダイナにも対抗でき、対中堅禁止伝説という役割もあった。自慢のポケモン
「いたみわけ」で相手のHPを算出し、配分や型を推定することができる。
(相手の分ける前のHP)=(ファイヤーの分けた後のHP)×2-(ファイヤーの分ける前のHP) ※「たべのこし」の回復量:12
例えばディンルーの最大HPが230だったら、そいつはAD振りの「とつげきチョッキ」持ちだ!

[調整意図]

A...特化
S...ファイヤー+1
H...6n-1
B...A特化カイリューの+1「スケイルショット」をほぼ耐え
余り...D

[解説]

フィジカルギフテッド。初手での荒らし、崩し、ストッパー、サイクル加入などあらゆる役割を高い水準でこなせる流石の課金ポケモン
何もできずに倒されるということがほとんどないため、困ったら初手に投げていた。行動保証を活かして居座っても良し温存のために引いても良しで、引く場合も、高い圧力から相手の安易な交代読みを許さない点(例えば、黒バドレックスのファイヤー引き読み「わるだくみ」など)が強かった。
「スケイルショット」カイリュー意識のB振り、「ゴツゴツメットカイリュー意識の「アイススピナー」採用。「ゴツゴツメット」のダメージが入るとカイリューはこおり技に対する警戒心が薄れる。「こだわりスカーフ」の雰囲気を出しておくと尚良し。このポケモンカイリューを突破することでサイクルを攻略することは多かった。サイクルを崩す手段として、役割破壊は最も手っ取り早い。Sは準速キノガッサだけ抜いていれば十分だと感じた。「スケイルショット」カイリューにはむしろ後手を取りたい。「アイススピナー」は対ゴリランダーや対ミライドンで役に立つこともあった。
普通のウーラオスなのでこのポケモンについて語ることはこのくらいだが、余談として、現環境は意外とかくとうの通りが良いため、今このポケモンを採用するなら「インファイト」を強く使える型が良い気がしているということを記しておく。

【選出・立ち回り】

キリがないので主要禁止伝説のみ。

・対ミライドン

ジバコイル+テツノツツミ+ギラティナが多かったが、取り巻きによって変動。
ジバコイルと対面したミライドン側の気持ちを考えて技選択、裏でジバコイルが受かっていないミライドンは突っ込んでくることがある。ジバコイルのHPを残した状態で取り巻きを倒して「ミラーコート」で詰める、テツノツツミでミライドンにテラスタルを切らせてジバコイルの攻撃技を通るようにする、といった展開を狙っていきたい。最悪ギラティナでテラス択ができる。

・対黒バドレックス

ウーラオス+ファイヤー+ギラティナのがほとんどだった。バドレックスとウーラオスギラティナの偶発対面は、1サイクル目は基本的にファイヤーに引いていた。バドレックスをファイヤーで受けることばかり考えると型によっては破壊されるので注意。如何に先制技の圏内に入れるかを考える。

・対コライドン

マンムー+ウーラオスギラティナのがほとんどだった。サイクルは基本通用しないので対面的に殴り合う。

・対ザシアン

ジバコイル+ウーラオスギラティナが多かった。おそらくかくとう技は割り切った方が勝率が高い。

・対テラパゴス

ウーラオスギラティナ+ガラルファイヤーがほとんどだった。ガラルファイヤーとウーラオスをきちんと温存できればまあ負けない。

・対白バドレックス

テツノツツミ+ウーラオスギラティナがほとんどだった。ジバコイルも全然強い。「やどりぎのタネ」でも「トリックルーム」でも選出は変わらないはずで、「トリックルーム」はギラティナのはがねテラスタルで順当にやったら勝てる。「やどりぎのタネ」は相手の技選択読んで3体でクルクルしながらゴリ押す。頭ナットレイなのでこれで全勝した。

・対ホウオウ

😇

【きついポケモン

キョジオーン...勝てないです、人類が。
ホウオウ...ウーラオスでさかさバトルしたら奇跡的に勝てたことがある。切断された。
フェアリー黒バド…毎回勝つのは無理。
キノガッサ…オキテーアサダヨー
アローラベトベトン...なんかギラティナとファイヤーに強い。こんな意味不明な林ポケモンが重くてすごく嫌。

【おわりに】

デフレのおかげでSV初の300位以内入れたのでちょっと嬉しいです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVシングル】 S18使用構築 最終563位 レート2001.458 崩王ループ

【はじめに】

サイクル、してますか?

【構築経緯】

ヤドランを使いたい。原種ヤドランの方が、水ウーラオス受けなどができてどう見ても強い。このポケモンの耐性と「さいせいりょく」を活かしたサイクル構築を組んでいきたい。
このポケモンは物理受けとして採用されるのが一般的だ。しかしここで大問題がある。”ヤドランが物理受けとしてヘイラッシャやドヒドイデに優る点はあるだろうか?”私が考えた結論から言うと、これはノーだ。ではどうすればヤドランを強く扱えるだろうか?ここで私は、「ねっとう」や「トリック」など、相手に負荷をかける・崩す上で優秀な技に注目した。これらを活かせる「こだわりメガネ」+「トリック」型で使用するのが最も強い使い方だと結論付けた。実際、レギュレーションDにおいて、は疑問さん倉本蘭さんが「こだわりメガネ」ヤドランを使って結果を残していたようだ。ヤドランの配分や技構成はこれらを参考にした。
この倉本蘭さんの記事に、以下のような記述がある。

受けループでありつつも攻めの要素を採用し、崩される前に相手のサイクルを崩す。
(【SV S10シングル最高204x】無限再生ヤドヤドママンドヒド - くらもらんと!から引用)

「崩される前にこちらから崩す」という考え方は非常に大事なものだ。シングルバトルの勝利条件は「受け切る」ことではなく、こちらの3匹が倒される前に相手の3匹を倒すことである。「受け切る」サイクルは後手に回ることを強いられ、相手依存になりやすい。しかし、攻めの要素を入れることで、相手の好き放題な崩しを許さず、「サイクル戦」を成立させやすくなる。「崩される前にこちらから崩す」ことをコンセプトとして構築を組んでいくことにした。
「さいせいりょく」という特性は正にこの戦略にマッチしている。何故なら、交代するだけで、回復技を撃たずに回復できるということは、攻めの技選択ができるターンを増やすことに直結するためだ。HP管理が容易になり、回復技ではなく攻撃技や「トリック」などの相手に負担をかける技を撃ちやすくなるのである。伝説枠に理想の「さいせいりょく」ポケモンであるホウオウを採用。型は相手に最も大きな負担をかけることのできる「こだわりハチマキ」型とした。
ヤドランとホウオウの両方が拘りアイテムを持っており、撃ち換えのための対面操作ができるクッションが欲しい。超耐久の「さいせいりょく」持ちで「クイックターン」による対面操作ができる「とつげきチョッキママンボウを採用。
ここまでで電気が一貫している。当然ミライドンがやばいので、ミライドンに後出し可能で、受けづらい黒バドレックスにも後出しが可能なディンルーを採用。
どくびしの回収ができるどくタイプであり、コライドンやハバタクカミ、オーガポンなどをはじめとして誤魔化せる範囲の広い「さいせいりょく」ポケモンとしてドヒドイデを採用。
ここまでで対応できていない、あらゆるパオジアンを受けられる原種クレベースを採用。
以上で構築が完成した。

【構築コンセプト】

・高耐久のポケモンを採用しロングレンジなサイクル戦を可能にする。構築単位でのサイクル回数の統一(∞)。
・受け切るのではなく、こちらから崩しに行くことで勝つ。受け以外での処理ルートの確保。

【個別解説】

[調整意図]

は疑問さん倉本蘭さんの記事を参照。

[解説]

ドガチ。物理耐久と耐性、「ねっとう」による火力と火傷の押し付けによりランドロスやウーラオス入りのサイクル構築に有利に立ち回れる。また、「こだわりメガネ」+「トリック」により、カバルドンやディンルーの「ステルスロック」+「あくび」や、「ステルスロック」+「ふきとばし」の展開を阻害することができる。さらに、拘りトリックの”行動を封じる”という性質はキョジオーンなど受けポケモンを攻略する際にも役に立った。並びからヤドランの「こだわりメガネ」は読まれづらく、よく刺さった。
残りの技は、水ウーラオスに対する遂行技となり受け崩しにも繋がる「サイコノイズ」と、「トリック」後に居座って受けに転じることができる「なまける」とした。
テラスタイプはウーラオスが悪だった場合に対応でき、コライドンやカイリューの「げきりん」に切り返すことのできるフェアリーとした。
サイクルを崩す性能が高く、終盤はあまり選出できなかったドヒドイデに代わって選出率が上がった。

[調整意図]

は疑問さんの記事を参照。

[解説]

ベベンベエ。シングルバトルで唯一”タンク”をしている異質なポケモン
今やメジャーポケモンの一匹でありこのポケモン単体についてはあまり語ることがない。この構築においては、ホウオウやヤドラン、ドヒドイデの「さいせいりょく」を発動して「クイックターン」による再降臨、ホウオウとヤドランの拘り解除からの再降臨、ホウオウやディンルーとの特殊受けの役割の分散、「ミラーコート」による特殊ポケモンの迅速かつ確実な処理、「アクアジェット」による残りHPが少ないポケモンの処理などの役割があった。
テラスタイプはガチグマやカイリューのノーマル技やドラゴン技に耐性を持てて、どくの対策になり、ホウオウとの相性補完に優れるはがねとした。

[調整意図]

HD特化余りB。(最遅推奨。レンタルではS下降補正の個体値最高(実数値58)になってます。)

[解説]

ディっさん。黒バドレックス、ミライドン対策兼ステロ撒き。これらを倒すというよりは、これらに後投げして「ステルスロック」や「ふきとばし」による削りによってホウオウを確実に通せる展開を作り出せるポケモンというイメージである。
持ち物は「オボンのみ」とは違い対黒バドレックスで有効な「たべのこし」とした。
攻撃技としてテラス前の黒バドレックスに刺さり、相性によって無効化されない「しっぺがえし」を採用した。ひこうテラスタルゴチルゼルにも抗えると信じられている。最遅を推奨する理由がこれであり、せめてSに下降補正をかけた方が良いが、ミントを使う前に2000に乗ってしまった。「しっぺがえし」にする前は強引な崩しができる「じわれ」を使っていた。馬鹿みたいに当ててレートを爆盛りしたが、さすがに当たらなくなってきたので変えた。
グライオンなどに対してソフトな対策ができる「ねむる」を採用した。残数有利を取ってこのポケモンの「ねむる」でTODする展開も可能になる。
テラスタイプは「やどりぎのタネ」やカイオーガの対策となるくさとした。

[調整意図]

HB特化余りD。

[解説]

ドっさん。耐久・耐性・特性を活かし、様々な相手に対面あるいは後出しから「どくどく」で毒をまき散らすことによって相手を削りきる足掛かりとする。
コライドンやホウオウ、オーガポン、ウーラオスなどを重く見てHB特化。
「トーチカ」が非常に強かった。この技は接触技に対し、行動権(残りHP)がなくても毒を入れる(サイクルを進める)ことのできる破格の技である。これによって例えば「こだわりハチマキ」コライドンの「げきりん」を受け切らずとも、削りきるルートを見据えることができる。持ち物も「くろいヘドロ」にすることで、HP管理のための技としても使えるようにした。
耐性上受けることができるどくタイプやはがねタイプに何もできないのはしょうもないので「まとわりつく」を採用した。ドヒドイデに対して毒無効の有限ポケモンを投げてくる相手は多く、よく刺さったほか、「どくどく」や「トーチカ」と合わせてダメージを稼ぎやすいのも強力だった。
くろいきり」がないため積みへの対応が難しいが、ディンルーの「ふきとばし」があるし、そういう相手も”削りきって倒す”ことはできるはずだと信じて今回は不採用とした。何度も言う通り”受け切る”のではなく”削り切る”ことがこの構築の目標なので、その上では最適な技構成になっていると確信している。
テラスタイプは以前炎オーガポン受けをしていた名残でほのおだが、どうせ切らないので何でもいい。一度だけ黒バドレックスのエスパー技を耐えるために切った。「くろいヘドロ」持ちだが、どくテラスタルなんて絶対切らないので「はたきおとす」や「トリック」された後のことを考えた不一致テラスの方が良いと考えている。

[調整意図]

HB特化余りA。

[解説]

クレベさま。全てのパオジアンを対策できる。パオジアンというポケモンがあまりにもおかしく、クレベースフォレトスアローラキュウコン・「がんじょう」キョジオーン以外での対策が終ぞ思いつかなかった。他の3体にクレベースを差し置いてまで採用する魅力を感じなかったため、結局クレベースを採用した。
圧倒的物理耐久により広範囲の物理を受けられること、「ボディプレス」や「つららおとし」で火力を出せること、「がんじょう」による一撃技耐性や行動保証がやはり強力だった。かくとうテラスタルによる高火力の「ボディプレス」や、「がんじょう」を活かした役割対象外への強引な攻撃やターン稼ぎにより、受けポケモンながらサイクル破壊に貢献しやすい。
持ち物は設置技対策の「あつぞこブーツ」とした。ホウオウが「あつぞこブーツ」に見えるため、設置技でクレベースを崩そうとしてくる相手が多く、よく刺さった。
パオジアンを立派に処理したのは良いものの、死に出し黒バドレックスに「わるだくみ」の起点にされて負けるという展開があったため、「つららおとし」を「かみくだく」にするのも一考の余地がある。

[調整意図]

H...16n-1かつ3n。
B...A特化「こだわりハチマキ」カイリューの「げきりん」をほぼ耐え。
A...11n
S...ミラー意識4振り。
余り...D

[解説]

んんwwwヤウオウですなwww
細かいことを気にするのはありえないwwwどう見てもヤウオウですぞwww
火力・耐久・技範囲の三拍子に加えて優秀な特性も持った最高のヤケモンですなwww
ここで生粋の論者である我が、最も強いヤケモンの使い方を紹介しますぞwww
①初手で出し勝つ。高耐久とテラスタルによって出し勝てる(居座れる)範囲は広いはず。
②技範囲を活かして居座り・交代を読んで適切な技をぶっぱ。
③高火力なので1体死ぬ。
④後のサイクル戦がめっちゃ楽。
以上が最も強いヤケモンの使い方ですなwww
つまりヤケモンは1匹で十分ですぞwwwヤーティ()とかいうヤケモン統一()はありえないwww
これによって幾度となくミライドン構築を屠ってきましたなwww奴ら、裏で誰も聖炎やブレバが受かってないのに思考停止で蜻蛉押してきますぞwwwありえないwww
愚かにも後投げされるボチルゼル()も殆ど破壊しましたなwwwこんなボケモンがヤウオウ様に敵うはずありませんぞwww岩テラス切ってるのに破壊されていく様は惨めでしたなwwwぺゃっwww
拘りトリック()受けとしても優秀ですぞwww拘りトリックした相手が機能停止しますなwwwありえないwww拘りトリックしていいのは、拘る覚悟のある奴だけですぞwww
テラスタイプはカイオーガやミライドンに合法的に居座れて技範囲も広がる草以外ありえないwwwテラスを切ることでステロを撒かれてもサイクルを回せますなwww
ヤウオウで3回技を撃ったら勝てますぞwww最強ですなwww

【選出・立ち回り】

[選出]

相手のポケモンに合わせて選出。ホウオウが高い崩し性能と撃ち合い性能を有しているため非常に選出しやすくなっているため、ホウオウ@2で選出することを第一に考えた。伝説枠が選出できるかどうかはこのルールで非常に重要である。初手はホウオウかヤドランが多かった。

[立ち回り]

「こちらの3体が倒しきられる前に、相手の3体を倒す。」これが全てとしか言いようがない。相手のポケモンをどう削り切るか、試合中、その時点でどのポケモンが必要・不要であるのかなどを逐一考えていた。とにかく考えることが大事。この構築に限った話ではないが。

【おわりに】

剣盾の伝説環境では全然勝てなかったので嬉しいです。また今月は伝説が群雄割拠なためかいろんな構築が見れて面白かったです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVダブル】 S16使用構築 最終153位 レート1909.791 マジレス雨と変な岩

【はじめに】

ブギウギ。(ゴローニャの鳴き声)

【構築経緯】

ゴローニャを使いたい。このポケモンを使うとすればどう考えても「エレキスキン」「だいばくはつ」が一番強いだろう。
「だいばくはつ」+「さいきのいのり」コンボを試したが、あまりにもカスだった。唯一強いと感じたのが、連撃ウーラオスでじめんタイプを牽制、「ふかしのこぶし」で相手の「まもる」を事実上封じながら、「とんぼがえり」で電気無効ポケモンに交代し、「だいばくはつ」を通すという動きだった。「とんぼがえり」を強く使うなら、ウーラオスの持ち物は「こだわりスカーフ」が妥当だろう。
スカーフウーラオスを軸として以下のようなスタン構築を組んだ。

グッドスタッフなのでこれはこれでまあまあ強いが、ゴローニャもウーラオスも活かしきれているわけではない気がしたし、「だいばくはつ」のターンに「とんぼがえり」から投げているのがマンムーだと、耐久や耐性が心許ない。
そこで構築の方針を転換し、雨パに組み替えることにした。雨要員の化身トルネロスを採用。
「だいばくはつ」を無効化できるじめんタイプとして「みがわり」持ちの化身ランドロスを採用。マンムーに比べ耐久が低いが耐性は良く、ゴローニャと並べて「だいばくはつ」をチラつかせて相手の「まもる」を誘い、「みがわり」を残すという強い動きがある。
雨下最強ポケモンブリジュラスを採用。
ねこだまし」「フェイント」「アンコール」などで味方のサポートができる電気無効要員のライチュウを採用。
この構築において、ゴローニャの役割をトリックルーム対策に見出した。型の詳細は個別解説で述べる。
今期250戦の末、ライチュウがカスであることにようやく気付いた。ではこの枠に求められるポケモンは一体何か?
トルネロス軸天候パには決定的な弱点がある。それは晴れパ/雨パでありながら瞬間火力が出ないことである。トルネロスが「にほんばれ」/「あまごい」で天候を始動する必要がある都合上、初ターンにトルネロスが攻撃に回れないのだ。(ランドロス+ウーラオスなどの初手は確かに瞬間火力が出るが、かなり無理がある。)これでは相手の安直な初手「トリックルーム」を許してしまいやすい。
そして、ブリジュラスが雨も追い風もない場合の性能が高くないため、(「まもる」のない)ブリジュラスを初手に投げづらいという問題もあった。
これらの問題を解消できるペリッパーを採用。「あめふらし」によって技に頼らず天候を雨にでき、自身も火力が高い。
以上で構築が完成した。

【構築コンセプト】

イカれたポケモン、ウーラオス・ブリジュラス。
・それをサポートする雨・追い風。
ペリッパートルネロス両採用による雨・追い風展開の継続及び柔軟な初手。

【個別解説】

[調整意図]

S…最遅リキキリン抜き、トリル下S-1で最遅エンジョイグマを抜ける程度(最遅でもよかったが育成が面倒でやめた。最遅だと非トリル下で遅くなる代わりにトリル下S-1で最遅モロバレルを抜ける。)
B…+1「ボディプレス」でHぶっぱエンジョイグマを確定2発
H…エンジョイグマの+2「こんじょう」発動「からげんき」耐え
余り…A

[解説]


ばくだんいわ。(雷・爆発属性)
「エレキスキン」による超火力「だいばくはつ」によって「トリックルーム」役を「トリックルーム」を撃たれる前に破壊、あるいは「のろい」による火力上昇、素早さ低下から「だいばくはつ」で「トリックルーム」下で盤面を破壊することでトリル対策とした。ただしこれだと現在トリルアタッカー最有力候補であるガチ/エンジョイグマに無効化されてまずいので、これらへの打点として「ボディプレス」を採用した。
さらに役割を追加できる「ワイドガード」を採用。トルネロスをはじめとして、攻撃技が全体技中心になっているポケモンも現環境では少なくないため、この技を覚えること自体、ワイガ択を押し付けられる点で極めて価値がある。ガチグマの「ハイパーボイス」からランドロスを守ったり、エンジョイエッサンやテツノカシラの「ワイドフォース」からウーラオスを守ったりするのは強力だった。
持ち物は「すいりゅうれんだ」意識の「オボンのみ」としたが、「ぼうじんゴーグル」なんかも良いかもしれない。
テラスタイプは水草地面半減、「キノコのほうし」無効のくさとした。
先述の通り、「だいばくはつ」の圧力を利用し、「のろい」とランドロスの「みがわり」でアドを取るという動きがかなり強力だった。トリル相手にこれを決めるとかなり有利な展開を作ることができる。

[調整意図]

CSぶっぱ余りB。

[解説]

グレートペリカン
即時性のある「あめふらし」による天候始動と、高火力「ウェザーボール」、「ぼうふう」により、初ターンから火力の高い盤面を形成することができる。この圧倒的火力盤面により初手から「トリックルーム」を撃とうとする相手にはおよそ数的有利を取ることができる。トリル側が数的不利を覆すには大抵全体技が必要になり、「ワイドガード」でそのまま勝利に持っていきやすい。
そして、ブリジュラスを初手に置きやすくなることも重要である。初手「エレクトロビーム」を撃っていきたいブリジュラスにとって、雨という天候は展開においてほぼ必須だが、素早さを補う追い風も同様にほぼ必須である。トルネロス+ブリジュラスという初手だと、トルネロスが集中攻撃されると崩れる展開になりやすいため、トルネロスと併せる初手は初速も瞬間火力も高いウーラオスランドロスであることが必要な場合が殆どである。(ブリジュラスはあくまで「とつげきチョッキ」「じきゅうりょく」が最もパワーが高く強いと考えていたため、ブリジュラスをパワフルハーブ型にするという解決策を私は好まなかった。)先発トルネロス+ウーラオス→後発ブリジュラスはこれはこれで強いのだが(後述)、ペリッパーがいることにより先発ブリジュラスが可能になる。ブリジュラスを舐めた初手を出されることも多く、これは非常に大きな意味があった。
行動保証として「きあいのタスキ」を持たせた。CS配分にできることで、「おいかぜ」下でパオジアンやハバタクカミ、「こだわりスカーフ」イーユイなどを抜くことができるのはとてもやりやすかった。
テラスタイプは適当にゴーストにしたが、切ったことはない。

[調整意図]

前期の使い回し。

[解説]

ランプのまじん。
前期のトルネロスを「にほんばれ」→「あまごい」としただけであり、詳しくはそちらを参照してほしい。前期書き忘れていたことをここで記しておくと、敢えて素早さに振らないことでトルネロスミラーでの「にほんばれ」/「あまごい」の撃ち合いを有利にしている。突き詰めると素早さをさらに下げた方が良いのかもしれない。
このポケモンの行動回数は重要なため、テラスタルする機会が最も多かった。
雨下では「こがらしあらし」が必中になるため、前期よりはだいぶマシなメンタルでプレイできた。

[調整意図]

最速CSぶっぱ余りH。

[解説]

くものきょじん。
普通の型であるし前期使ったものとほぼ同じなのでそちらも参照してほしい。今回は「みがわり」を採用した。相手の防御的な手を突くことができる技で強い。特にゴローニャは防御的な手を誘いやすく相性が良い。
テラスタイプは火力も上げられるどくで使用したが、こおりやドラゴンを半減できるはがねでも強そうだった。
相手のブリジュラスの「エレクトロビーム」を透かせたり、ランドロスの「だいちのちから」と「ヘドロばくだん」の両方に耐性を持てたりするため、これらに後投げできる耐性要員としても強かった。また「じんらい」が無効で、タケルライコのフェアリーテラスタルにも「ヘドロばくだん」で対応できるためタケルライコの攻略において極めて重要になる場合が多かった。
素でウーラオスを抜ける素早さを持っており、無振りウーラオスを上から「だいちのちから」で一撃で沈める火力があるのだが、なんか耐えられまくって萎えた。
この構築唯一の「まもる」持ちであり、追い風やトリルのターン稼ぎも担っていた。

[調整意図]

ASぶっぱ余りH。

[解説]

ごうけつぐま。
異常速度から「ふかしのこぶし」による守る貫通で放たれる異常火力「すいりゅうれんだ」及び「とんぼがえり」による後出しじゃんけんによりほぼ全てのポケモンに対し有利展開を取れる"全身おかしい"。いかにこのポケモンの「すいりゅうれんだ」を通すかをまずは考えた。
「とんぼがえり」からブリジュラスを投げる、あるいは「グラススライダー」や「ねこだまし」を読んでブリジュラスを素投げするという動きが非常に強力だった。相性補完に優れており、小ダメージで「じきゅうりょく」を発動させやすい。また、初手トルネロス+ウーラオストルネロスがブリジュラスに交代、ウーラオスが「とんぼがえり」を選択し、「とんぼがえり」から再度トルネロスを場に出すという動きも強力だった。ブリジュラスが刺さっている盤面で且つ初ターンにトルネロスが集中攻撃されそうなとき、「じきゅうりょく」を発動しながらトルネロスが前にいる盤面を継続し有利な展開を作れる。
「アイススピナー」はカイリューモロバレルガブリアスなどへの打点として役に立った。
テラスタイプは火力重視の「みず」とした。行動保証には欠けるものの、ハバタクカミなどの低耐久ポケモンを容赦なくしばくことができ、マジレス性能が高い。
今回準速ASとしたがウーラオスミラーで一度も素早さ負けしなかった。素早さ過剰である可能性があるのでSを削って耐久に寄せても良いかもしれない。
タケルライコの前でヤンキー突っ張りして隣をしばくと強かった。タケルライコが「じんらい」を選択するのも、ある意味でヤンキーである。初手で「じんらい」を撃たれることは一度もなかった。

[調整意図]

H…16n+1
S…-1最速化身ランドロス抜き
C…+1「ラスターカノン」でH145-D156ハバタクカミを確定1発
余り…D

[解説]

タルドラゴン。
「じきゅうりょく」「とつげきチョッキ」による異常耐久と化物じみた耐性から雨下で撃ち放題の「エレクトロビーム」を連打する、きちがい。タイプが強すぎてほとんどの構築に一定の役割を持てる。
その耐性と耐久で極めて高い後投げ性能があり、雨によるほのお半減によりこれはさらに強化できる。半減技や低火力の先制技、全体技に後投げして「じきゅうりょく」を発動させるのが強力だった。
ここまでDに振ることで、化身ランドロスの「だいちのちから」すら乱数で耐えることができる。ミリ耐えが多く、耐久振りは有効だったと感じた。
雨下ならば攻撃性能もおかしく、溜めなし「エレクトロビーム」により無尽蔵に火力を上げ続けることができる。「りゅうせいぐん」でCが下がっても「エレクトロビーム」で取り戻したり、「ボディプレス」に切り替えることで居座り続けることもできる。ただし、「エレクトロビーム」ターンの相手による天候書き換えには十分注意する必要があった。
テラスタイプは「あんこくきょうだ」や「せいなるつるぎ」の対策となるフェアリーとした。タケルライコなどのドラゴン技を透かせるのも強い。

【選出・立ち回り】

初手パターンのみ。
基本はトルネロス+ウーラオス、それが厳しいならトルネロス+ランドロスから考える。
ブリジュラスは基本裏から投げるがどうしても初手に投げたいならペリッパー+ブリジュラス。
ゴローニャを初手に投げるパターン(対トリルなど)は、ゴローニャの隣にランドロス、ウーラオスペリッパーなどを出す。いずれも「だいばくはつ」に巻き込まれない手段を有している。
細かい立ち回りについては個別解説で述べたので省略。大局的には、追い風+雨による上からの制圧or突破不可能ブリジュラスでマジレスすることを考えると良い。

【おわりに】

レートを溶かした際、勝てない原因が何にあるかを考え、初見殺しをされまくっているように感じた私は、80名足らずの型をメモしましたが、これによって勝てた試合は一つたりともありませんでした。
私が勝てなかったのは、ただ弱い構築を使っていたからです。強い構築は、初見殺しにも対応できます。このことに気付くのに、今期は250戦もかかってしまいました。良い学びになりました。裏を返せば、私のプレイングは間違えていなかったということでもあります。私は強いけど、構築が弱かったのですね。

【ポケモンSVシングル】 S15使用構築 最終566位 レート2002.408 海月毒展開

【はじめに】

ガチクラゲはどちらだ?

【構築経緯】

ドククラゲを使いたい。しかしこのポケモンはお世辞にも性能の高い何かがあるわけではないように見える。一方で多くの偉い要素があるようには見えた。具体的には個別解説で述べるが、それらを考慮すると、毒撒きによる展開役としての役割が適任だと考えた。
展開役は、展開を作ることが仕事なので、特定のポケモンに勝つとか負けるとか、そういうことは強さに関係ない。そんな役割理論的な考えに固執すると、ポケモンの活躍の機会を見過ごすことになるだろう。ドククラゲを何かに勝たせようとするとおそらく上手くいかないが、毒展開を作るだけなら十分な強さを持っていた。
ドヒドイデと同じタイプであることに着目し、ドヒドイデ+ディンルーという並びを展開に寄せた構築として、以下のようなものを考えた。昆布構築である。

この構築を使っているうちに一つの重大な事実に気付いた。それはステルスロックやまきびしと強制交代はコンボでも、どくびしと強制交代は非コンボである”ということである。
ステルスロックとまきびしは、相手が交代するたびにダメージが入るが、どくびしはそうではなく、相手が交代するとどく状態になるというだけだ。そしてこのどくダメージは、ターン終了時に発生するもので、交代していたかどうかに関わらない。つまりどくびしは、相手の交代回数に関わらず、一定のバリューを出す撒き技なのだ。ねばねばネットもこれに該当すると言える。ドヒドイデ+ディンルーは、ドヒドイデの「どくびし」とディンルーの「ふきとばし」の相性が良いから強いのではなく、別の様々な要因があるのだろう。するとドククラゲとディンルーを組ませる意味はあまりないようだ。大体、この構築を使っていたとき、ディンルーは独りでポケモンバトルをしていた。彼はソリストなのだ。
ではどくびしと真に相性が良いのは何だろうか。それはドビー(今日をドブに捨てる者)である。ドビーは、相手の攻撃に回復技を連打するなどして、サイクル状態を進めず、徒に時を過ごす。これだけで勝つことはTODを除いて叶わないが、相手をどく状態にした後という条件を加えれば可能となる。どくびしはたった一手で複数体のポケモンをどく状態にできるため、どくびしとドビーは相性が良いと言える。
これを踏まえて、新たに構築を組もう。まずはドククラゲと相性の良いドビーとして、ブラッキーを採用した。このポケモンドククラゲとの相性補完に優れており、「ねがいごと」+「まもる」で32ターンもの時を止めることができる生粋のドビーである。ドククラゲがみずタイプである以上、以降採用しづらくなるであろうみずタイプに代わって、パオジアンの対策ができるのも魅力である。
毒展開で困るのは当然、どく状態にならないどくタイプやはがねタイプである。これらに打点の持てるじめんタイプで、いかとんで「ステルスロック」を撒けるなどサイクル性能が高い霊獣ランドロスを採用した。
どくびしと「アンコール」カイリューは相性が良いことを知っていたため、採用。かんちゃろーに「じゃくてんほけん」が強いと教えてもらったので試したところ、実際に強かった。
カイリューとの相性補完や選出画面での圧力を考慮し、サーフゴーを採用。いくつか型を試したがHBの「でんじは」「たたりめ」型が毒とも相性が良く強いことに気付いた。
受け崩しとして、前構築でも採用していたトドロクツキを採用。「ステルスロック」や「どくびし」を合わせることで受けの対策となる。(後述)
以上で構築が完成した。

【個別解説】

[調整意図]

HSぶっぱ。

[解説]

毒撒き。それ自体を戦略にできる強力な撒き技「どくびし」に加え、「どくどく」も覚えるため、毒展開の始動ができる。
そこそこのすばやさと耐久を両立しており、みず・どくという優秀なタイプにより、水ウーラオスにテンポを取られない点が偉かった。「すいりゅうれんだ」が半減であることから、「きあいのタスキ」により確実な展開が期待できる。
残りの技は、荒らし性能をさらに上げる今作最強技の「はたきおとす」と、特殊アタッカーを潰せる「ミラーコート」とした。「ミラーコート」は初手の特殊アタッカーを「どくびし」より優先して処理したいときに使用したほか、奇跡的にドククラゲを裏に残せた際に、どうしようもなくなった「わるだくみ」サーフゴーや「めいそう」ラティオスなどを処理するのにも使えた。
ちなみにこの技構成を実現できるのはドーブルを除くとドククラゲとリククラゲのみであり、リククラゲはとんでもない特性を持つエンジョイクラなので、このポケモンガチクラゲであることは疑うべくもない。
「ヘドロえき」によってオーガポンの「ウッドホーン」やウーラオスの「ドレインパンチ」などによる”回復しながらの突破”を許さない。オーガポンやチオンジェンの「やどりぎのタネ」にも抵抗できる。
テラスタイプのフェアリーは一度だけ残りHP僅かのカイリューの「スケイルショット」を透かして「はたきおとす」で屠るために使用した。「ミラーコート」を考えた逆テラスなども一考。

[調整意図]

HB...特化。
S...無振りハッサム抜き。

[解説]

マジドビー。凡ドビーは8ターンしか時を止めることができないが、このポケモンは32ターン止めることができる。
本構築は毒を軸にしているため、「あくび」ではなく「どくどく」を採用し、ブラッキーでも毒を撒けるようにした。
「ねがいごと」+「まもる」は通常の回復技と比較して、PPの多さに加え、相手を突破するターンの終了時に回復することで、裏に対してもHPを残しやすい点が魅力であった。また「まもる」を自然に採用できることで、「たべのこし」による耐久値の底上げ、こだわりロック、「ブラッドムーン」透かしなどができ、立ち回りが安定した。反面ウーラオスに弱いが、ウーラオスには基本的にサーフゴーで勝てるし、「パンチグローブ」ならば「まもる」を貫通されない。
テラスタイプはウーラオスやパオジアン、カイリューを意識したフェアリー。切った後もサイクルが回しやすく、「こだわりハチマキ」カイリューの「げきりん」に切り返す動きが強力だった。
パオジアン対策にこのポケモンをチョイスしたことが、今期勝てた要因である気がした。「せいしんりょく」によって「つららおとし」怯みによる運負けを拒否しながら、外しによる運勝ちを狙えるのが大きい。また、パオジアン対策にみずタイプを採用すると、でんき「テラバースト」で瓦解しかねないが、ブラッキーはそのような問題がない。今期は特にでんきパオジアンが多かった印象である。「ぜったいれいど」も絶望的に回数を稼がれるほどではない。

[調整意図]

きのどくさんの調整を参照。

[解説]

じめん枠。どくやはがねにプレッシャーをかける。
ステルスロック」や「いかく」、「とんぼがえり」などの要素が欲しく、じめんタイプの中でもこのポケモンを採用した。テラスタル無しでもハバタクカミに比較的強く、「アンコール」「はねやすめ」系のカイリューに対してこちらのカイリューとのサイクルで対応できるのも偉かった。この際に「がんせきふうじ」によってこちらのカイリューで上から「アンコール」しにいくことができる。
また受け系統のパーティの崩しに「ステルスロック」が強く、グライオンに対して後攻「とんぼがえり」からトドロクツキを安着できるのが強力だった。
テラスタイプはハバタクカミやパオジアン意識、カイリューとの補完に優れるはがね。

[調整意図]

A…特化。
H…奇数最大。
余り...B

[解説]

凡ドビー。どくびしを組み合わせることで本来勝つことが難しいガチグマや「あまえる」「いたみわけ」ハバタクカミにまで勝てるようになる。
「アンコール」「はねやすめ」カイリューの中でも今回はノーマルテラスタルしんそく」「じしん」カイリューを採用した。毒ダメージで「しんそく」圏内まで削るという動きが成立しやすいほか、「じしん」でこのポケモンでもランドロスのようにどくやはがねに対して圧力をかけることができる。
じゃくてんほけん」により、ウーラオスのこおり技やハバタクカミの「ムーンフォース」を相手から見えない勝ち筋とすることができる。特にハバタクカミに対して不利展開から捲ることができるのが大きかった。ハバタクカミ入りに対して、ドククラゲブラッキーカイリューという選出が成立する(ランドロスを強要されない)など、選出の自由度も上がった。
単体性能が高く中盤まではよく選出していたポケモンだが、この構築の真に強い選出に気付いてからは出すことが減った。

[調整意図]

S...無振りブリジュラス抜き。
余り...HB

[解説]

最強だった。このポケモンの強さに気付いてから勝率が跳ね上がった。
サーフゴー自体は選出圧力が高く、絶対に構築から抜きたくはないポケモンだと元々考えてはいたが、強い型を見つけるのに苦労した。そしてこのHB「ゴツゴツメット」「でんじは」「たたりめ」が最も強いことに気付いたのは、ドククラゲブラッキー+サーフゴーという選出の強さに気付いたのがきっかけである。
物理受け2枚と一見パワーのない選出(林サイクル)に見えるが、毒の存在によりこのサーフゴーが「たたりめ」により継続的な火力を出すことができるため、サイクルの攻略が可能である。物理はブラッキー+サーフゴーでほとんど見ることができるし、特殊はドククラゲで「ミラーコート」で処理するか、毒を入れてドビー(ブラッキーもサーフゴーもDも低くないため十分可能)で対応できる。ブラッキーの「まもる」によるこだわりロックや「イカサマ」による積みの拒否、「ねがいごと」置きによる様子見、「おうごんのからだ」による補助技拒否などによって、この2匹で非常に安定したサイクルを回すことができる。毒が林を山にした。※わるだくみ系のサーフゴーが重いが、これに対してはどう選出しても無理なため割り切った。
テラスタイプはウーラオスやパオジアン意識、弱点も少ないみずとした。

[調整意図]

S...最速グライオン抜き。
余り...HB

[解説]

受け破壊枠。ほぼ全てのキョジオーン、ママングライ、受けループを破壊した。
上からの「ちょうはつ」によって回復技を撃たせないことにより、これらを崩すことができる。「はたきおとす」によって相手の「たべのこし」や「あつぞこブーツ」をなくすことができるため、ランドロスの「ステルスロック」と併せることで無限のサイクルを許さない。耐久が高く「おんみつマント」を持っているため、低火力の受けポケモンからの負担がないに等しい。「はねやすめ」で受けきることができる。グライオンは「ちょうはつ」を入れられても回復することが可能だが、ひこうテラスタルによってトドロクツキに対し0点となるため、結局交代を強いることができ、裏から壊れる。ひこうテラスタルはヘイラッシャの「じわれ」やドヒドイデの「どくびし」の対策でもある。
今期のキョジオーンは「のろい」型が多く、「ボディプレス」型がほぼ居なかったこと及び、キョジオーン対策でありながらキョジオーン対策(サーフゴー)対策であるイーユイに滅法強く、汎用性も普通程度にあるため選出択にならないことから、対キョジオーンは安定した。
「はたきおとす」「はねやすめ」「ちょうはつ」で役割は完結しているため、残り1つの技は自由だが、今回は「りゅうのまい」とした。シンプルに汎用性が上がり、崩しも速くなる。途中まで使用していた「ドラゴンテール」も強いシーンはあった。

【選出・立ち回り】

基本選出は先述のとおりドククラゲブラッキー+サーフゴーだが相手による。個別解説を参照。

【おわりに】

展開要素は組み合わさっているとはいえ、久しぶりに対話するサイクル構築を使いました。サイクルの腕がまだ衰えていなくてよかったです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVダブル】 S15使用構築 最終206位 レート1909.925 トルネカミユイランド超速アグロ

【はじめに】

同じポケモン

【構築経緯】

ウツボットを使いたい。おそらく「ようりょくそ」を活かして晴れパで使うしかないが、細かい型は後で考えよう。
そうなると当然天候始動役を採用する必要があるが、ウツボットラフレシアのように「おさきにどうぞ」を覚えたりしないためコータスとの親和性が低い。そこでキュウコン軸の晴れパを使ったが、キュウコンはカスだったため、化身トルネロスの「にほんばれ」軸の晴れパを使うことにした。
「ひでり」と違い、「にほんばれ」はトルネロスの一手を消費する必要があることを考えると、晴れへの依存度が低く、且つ晴れとコンボするような構築(サブプランとしての「にほんばれ」)を使いたいと考えた。ハバタクカミイーユイは、正にそのような構築の一つだ。トルネロス自身も強力な特殊アタッカーであるため、「わざわいのたま」の恩恵を受けることができる。
ハバタクカミ+イーユイはフェアリー+ほのおをメインの打点とするため、ほのおタイプやどくタイプに弱い。これらに打点を持てるじめんタイプのアタッカーとして、化身ランドロスを採用した。このポケモンも特殊アタッカーであり、「わざわいのたま」とコンボする。
このトルネロス+ハバタクカミ+イーユイ+ランドロスを構築の軸とする。この4体で重い先制技軸とトリックルーム軸の対策として、「テイルアーマー」「トリックルーム」「ふういん」リキキリンを採用。
ここでウツボットが「クリアスモッグ」を習得することに気付いたため、「しれいとう」対策を押し付けることにした。「ようりょくそ」持ちの中で唯一の「クリアスモッグ」使いであり、十分な採用理由になる。

【構築コンセプト】

・高火力・全体技を軸にすることによって「まもる」択を拒否し、残数有利を取りやすく、残数不利を捲りやすい構築。
・タイプの異なる特殊アタッカーでの統一。技範囲と「わざわいのたま」によりタイプ受けも数値受けも不可能にする。
・素早さの高いポケモンでの統一。「おいかぜ」と併せた上からの制圧。「おいかぜ」への依存度を下げてトルネロスに柔軟な技選択をさせる。
・テラスタル依存度の低いポケモンでの統一。柔軟なテラスタルによる行動回数稼ぎ。

【個別解説】

[調整意図]

最速CSぶっぱ。

[解説]

対寿司決戦兵器。ヘイラッシャ+シャリタツが見えたときに選出していた。あとディンルー絡みに出してみたりもした。
先発のトルネロスで予め「にほんばれ」や「おいかぜ」を展開しておき、ヘイラッシャが合体するタイミングでウツボットを降臨、上からの「クリアスモッグ」で沈黙させる。どくタイプなのでどくびしも回収できる。
種族値が悲惨で耐久調整のしようがなかったので行動保証の「きあいのタスキ」を持たせた。
「アシッドボム」で味方のサポートをすることを考えて最速。素でこちらのトルネロス、晴れ下でこちらのイーユイまで抜ける。ハバタクカミは抜けない(ラフレスとカミ)。
エナジーボール」はヘイラッシャ+シャリタツへの遂行技として採用した。
「ねむりごな」は強いので採用したが全然当てなかった。「ちからをすいとる」や「アンコール」も一考。
テラスタイプは本当に適当にゴーストにしたが、「いっちょうあがり」や「りゅうせいぐん」を透かせるフェアリーや、「じしん」を透かせるひこうなども一考。

[調整意図]

HB...A特化「しんぴのしずく」ウーラオスの「すいりゅうれんだ」確定耐え程度。
余り...C

[解説]

ひこうアタッカー。意味不明の技「こがらしあらし」を振りまくる。
自慢のHC調整で、最低限の耐久を確保しつつ、火力を極限にまで高めている。これにより、相手の想定外の火力を押し付けることが可能になりトルネロス生存のバリューを上げることができるほか、「きあいのタスキ」を持たずに行動保証を得ることができている。
「おんみつマント」は「ねこだまし」対策のほか、「つららおとし」や「いわなだれ」などの確立怯みに対して安定感を上げたり、「こごえるかぜ」や「バークアウト」などのデバフ対策にもなるのが強力で、今回の構築は特にデバフが重いので、軸のポケモンにこの持ち物はぜひ採用したいところである。トルネロスは特に「おいかぜ」及び「にほんばれ」によるゲームメイカーであるため、「ねこだまし」対策の重要性が高く、「おんみつマント」を持たせた。
技は「こがらしあらし」、「おいかぜ」、「にほんばれ」は確定として、「こごえるかぜ」を採用した。「おいかぜ」以外でのS操作で、ミラーでのSマウントの取り合いや、「おいかぜ」ターンずらし、ランドロスカイリューなどのこおり弱点ポケモンへの打点として使える。
テラスタイプははがねとした。パオジアン、カイリュートルネロス、ハバタクカミ、キラフロルなどに耐性を持ち行動回数を稼げる。
確かに「こがらしあらし」は最強のひこう技ではあったのだが、今回の構築はこの技を軸の一部にしてしまったことで、この技の命中に試合の勝敗が大きく左右されてしまった。ランクバトルなので上振れるまでやれば良いと考えながらやっていたが、プレイは合っているのに負けることが多いのが非常に精神に悪かったため、軸の選択を間違えたのかもしれない。

[調整意図]

S...最速トルネロス>最速オーガポン抜き。
HB...A特化パオジアンの「つららおとし」確定耐え。A特化ウーラオスの「すいりゅうれんだ」ほぼ耐え。
余り...C

[解説]

フェアリーアタッカー。フェアリーテラスタル「こだわりメガネ」「マジカルシャイン」で殲滅する。
「にほんばれ」で「こだいかっせい」が発動できること及び、イーユイが「こだわりスカーフ」でありもともと速いためSブースト「こごえるかぜ」によるS操作が不要であると判断したことから、「ブーストエナジー」ではなく火力重視の「こだわりメガネ」を持たせた。「こだわりメガネ」でも行動保証が得られるようにかなり物理耐久を伸ばしている。当初は「アシッドボム」との兼ね合いを意識して晴れ下でウツボット抜かれのS178で使っていたが、オーガポンとの同速に負けてからすぐに調整を変更した。
技構成やテラスタイプはあまり語るところがない。「10まんボルト」はアーマーガアやトルネロス、みずテラスタルオーガポンを意識しての採用だが、いっそ「まもる」などの補助技でも良いかもしれない。
マジカルシャイン」を撃っていればある程度の強さは担保されるポケモンではあるが、「ムーンフォース」や「シャドーボール」を撃つべきタイミングを見極めることがプレイングの一つであると感じた。

[調整意図]

CSぶっぱ。

[解説]

ほのおアタッカー。晴れ「わざわいのたま」+「ねっぷう」で焼き尽くす。どう見てもキュウコンの上位互換である。
こだわりスカーフ」を持たせることで、世界最速に近い素早さを得ている。この速さが行動保証でありプランニングがしやすく、相手のプランを崩壊させるのにも役立った。
技構成はメインウェポンの「ねっぷう」と「あくのはどう」は確定として、まずミラーなどで強いデバフ兼削り技の「バークアウト」を採用した。「こだわりスカーフ」であることで上から「バークアウト」を撃つことができ、タイプ一致なので火力が高くダメージレースに勝ちやすい。
そして対水オーガポンに強くなり、命中安定全体ほのお技でもある「しっとのほのお」を採用した。水オーガポンに対して、トルネロス「にほんばれ」+イーユイ「しっとのほのお」とすることで、「ツタこんぼう」の火力を下げながら、テラスタルを切らなければ大ダメージ、テラスタルを切ってきた場合でも火傷させて大幅に弱体化することができる。ちなみにみずテラスタルオーガポンはこの状態でも普通にやばい。👹
テラスタイプは「ねこだまし」、「しんそく」、格闘技対策のゴースト。弱点が少なく行動保証になりやすい。

[調整意図]

最速CSぶっぱ。

[解説]

じめんアタッカー。「いのちのたま」「ちからずく」「だいちのちから」で吹き飛ばす。
火力も素早さも妥協したくなかったため、おくびょうCSとした。種族値が高く耐久は低くないため、これでもある程度の行動保証はある。
技構成はメインウェポンの「だいちのちから」と「ヘドロばくだん」及び、「まもる」は確定として、サブウェポンに「いわなだれ」を採用した。全体攻撃があると構築と噛み合うとは思っていたが、「こがらしあらし」を散々外している中「ねっさのあらし」は使いたくなかったので、「いわなだれ」にしてみた。合計種族値600を余すことなく活かすことができ、じめんとの補完が取れた、無効化されない全体攻撃なのでそこそこ優秀だった。
テラスタイプは「ヘドロばくだん」の火力を上げられ、耐性も優秀などくとした。

[調整意図]

S...追い風下で最速ウーラオス抜き。
C...「サイコキネシス」で水ウーラオスを確1。※旧技構成の名残。
HB...+1オーガポンのテラスタル「ツタこんぼう」を確定耐え。
余り...D

[解説]

先制技・トリル対策。これらの要素が見えたときに選出することがあった。
今回の構築はトリックルームがやばすぎるので、「トリックルーム」「ふういん」によってトリックルームに対するほぼ確実な対策ができるようにした。「ハイパーボイス」を採用することでリキキリンやガチグマの攻撃も封じることができるようにした。自身の攻撃技としても優秀。
サポート技の「てだすけ」は味方の全体攻撃と相性が良く、2体を一撃で倒せるほどの火力を出すこともできる。
物理アタッカー意識で「ゴツゴツメット」のHBベースとした。物理に対する削りがこの構築の速さと噛み合っている。ウーラオスの「すいりゅうれんだ」に後投げするのも強力な動きだった。
テラスタイプはパオジアン、ゴリランダー、ハバタクカミ、イーユイなどに強くなるほのおとした。

【選出・立ち回り】

トルネロス+ハバタクカミ+イーユイ+ランドロスを基本選出として、相手のテラスタルまで考慮し最終的に誰が通るかを吟味し先発と後発を決める。例えばゴリランダーにほのおテラスタルを切らせてランドロスを一貫させたい→ランドロスは後発、など。正直難しすぎて体系化できていない。プレイ面もテラスタルが柔軟である分難しく、具体的なところまで述べるのは難しい。そもそもこの環境は相手の構築が多様すぎて、テンプレの構築に選出・立ち回りのテンプレを用意するという考え自体が無理な気がしている。つまるところ圧倒的アドリブ力でプレイしていたため、書けることがない。
ヘイラッシャ+シャリタツを見たらウツボット確定。リキキリンは刺さっていたら出しても良い。

【おわりに】

構築のコンセプトは強いという確信があったのに、トルネロスの機嫌で勝敗が決まってしまう構築になってしまったのが残念でした。使ったうえでトルネロスが嫌いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVシングル】S14使用構築 最終522位 レート2004.683 エレキレイ完全バトン

【はじめに】

ネッコアラ!(キレイハナの鳴き声)

【構築経緯】

キレイハナを使いたい。キレイハナと言えば、「ちょうのまい」と「バトンタッチ」を習得し、耐久もそこそこ高いため、”蝶舞バトン”に適性があると言えよう。
ここで私はあるポケモンに思いを馳せた。クエスパトラだ。かのポケモンは「めいそう」+「かそく」による事実上の「ちょうのまい」と「バトンタッチ」を習得し、「元祖おかしい」としてレギュレーションBまでは確かに一時代を築いていた。レギュレーションC以降のクエスパトラの衰退の原因は間違いもなく、ディンルーの台頭だろう。「バトンタッチ」も「ふきとばし」の前にはなす術がない。
ディンルーはやや減ったとはいえ、決して少ないわけではない。「ほえる」や「ドラゴンテール」を使うブリジュラスなどのポケモンも増えた。では現在蝶舞バトン構築を使うのは無理なのだろうか。
ここで私はキレイハナがこの問題を解決できることに気付いた。「ねをはる」である。ねをはる状態になったポケモンは一切の強制交代効果を受け付けない。現在「ねをはる」と「バトンタッチ」を両立できるのはドーブルを除くとキレイハナのみであり、”ねをはるバトン”はバトン先ではなくバトン役で強制交代の対策ができることを意味する。「ねをはる」は十分な採用理由になると考えた。
次に、キレイハナの蝶舞バトンは壁張りでサポートをするのが適当だと考えた。蝶舞を何回か積んだ後にバトンしたいため、壁ターンは多く残したい。両壁を張った後、「だいばくはつ」で即刻退場ができるレジエレキを採用した。
バトン先として、テツノツツミ、ポリゴン2、ブリジュラス、ランクルスカイリューを試した結果、ブリジュラスが特に強いと感じたので最終的に採用した。蝶舞バトンによってCDS、「じきゅうりょく」及び「てっぺき」でBを上げることができるブリジュラスは正に完全存在となる。
相手との「めいそう」や「りゅうのまい」の積み合いになると面倒なことこの上ない。積み合いを拒否できるバトン先として、「てんねん」のラウドボーンを採用した。
今回の蝶舞バトンはおよその相手に通ると見ていたが、「くろいきり」だけはキレイハナでもバトン先でも対策不可能なため絶対に無理である。「くろいきり」を使うポケモンは環境だとドヒドイデだけなので、ドヒドイデを裏ごと破壊できるポケモンとして「ちょうはつ」持ちのガチグマ(アカツキを採用した。
サイコファングメタグロスなど、壁を張っても意味がない相手に対する起点作りとして「でんきだま」「なげつける」「おにび」ミミッキュを採用した。ガチグマと併せて「トリックルーム」を匂わせる意味もある。
メタグロスは世界に存在しなかったため、ミミッキュはカスだった。そこで別のポケモンを採用することにした。エレキレイ選出が失敗するとき、原因はほぼ間違いなくレジエレキではなくキレイハナにあるため、起点作成を変えたところでどうしようもない。裏選出を強化する方向で考えることにした。ドヒドイデ入りには初手ガチグマから入ることになるが、ドヒドイデの裏に対面駒がいる場合は普通にある。相手が初手にドヒドイデではなく対面駒を選出してきたとき、ハバタクカミの「こだわりメガネ」「ムーンフォース」及び、ウーラオスの「インファイト」に対するクッションが欲しい。その役目を負うことのできるキチキギスを採用した。
ガチグマ及びキチキギスはバトン先となることも構築段階で想定はした(が、実際にこれらをバトン先にしたのはガチグマが1回のみである)。
以上で構築が完成した。

【個別解説】

[調整意図]

S...4振りラグラージ抜き抜き、+2で最速ウーラオス抜き、+3で最速テツノツツミ抜き。
H…ぶっぱ。
余り...B

[解説]

ネッコアラ。「ちょうのまい」、「ねをはる」、「バトンタッチ」を駆使して”完全”を造り出す構築の軸であり、通称「歩く進化の秘法」と呼ばれたポケモン
調整は蝶舞で補えないBを重視してHBとしたが、「ちょうはつ」ハバタクカミで辛酸を嘗め続けていたのでHSにしようかな、などと思いつつ、なまじこれでも勝ててしまっていたので結局そのままにした。ウーラオスのみずテラス「すいりゅうれんだ」2発を「みがわり」が耐えるなど過剰な硬さを見せたりしたが、間違いなくHSの方が強いだろう。
初手のレジエレキがガチグマやラグラージカバルドンなどの「あくび」持ちのじめんタイプを誘うため、それらを起点にできる「みがわり」を採用した。「がんせきふうじ」など面倒な追加効果のある技の対策になったり、エースを安全に着地させることができたりと、副次的な利点もあった。
テラスタイプは相性補完に優れ、炎オーガポンを起点に出来るほのおとした。
「ようりょくそ」はほぼ死に特性だが、コータスにテラス「みがわり」をすると最高に良い感じになれる。
相手の裏を見て何舞するのが適当か、「ねをはる」を撃つかどうかをその都度考えていた。知識は要求されるポケモン

[調整意図]

H...ぶっぱ。
S...+3で+1最速カイリュー抜き。
余り...B。D偶数。

[解説]

ボォオーーーーン(ンワオ(テラスタル状態の断末魔))。素で高いBを持つため、蝶舞バトンで完全となることができる。「てんねん」によって自分だけが完全を手にする。
技構成はメインウェポンの「フレアソング」と回復技の「なまける」は確定として、一致技でありラティアスなどへの打点となる「シャドーボール」と物理に強くなる「おにび」を採用した。「おにび」は当初、対受けなどを想定して「アンコール」だったが、使用する中でそれよりもアタッカーのカイリュー咎めることができる「おにび」の方が欲しくなったためそうした。
テラスタイプは無難にフェアリーとしたが、サーフゴーやイダイトウに強くなり、「いたずらごころ」や「アシストパワー」の対策ができるあくも有りだったかもしれない。
このポケモンを投げると大体負けるし、ブリジュラスなら勝ってたと後悔することになるのであまり信用していなかった。だがそこそこ厄介な「りゅうのまいカイリューを安直に選出されることが減ったような気がするため、フェイスとしては役に立ったのかもしれない。

[調整意図]

S...最速スカーフイーユイ抜き。
D...ぶっぱ。
余り...損しない程度にHB振り分け。

[解説]

ウウィーフウィユロィ。高い素早さからの両壁、そして速やかな退場をこなせるポケモン
「ブーストエナジー」のハバタクカミとテツノツツミ以外の有象無象に抜かれたくないため、かなりSを伸ばしている。こいつら以外で抜かれたのは「こだわりスカーフラティアスだけであり、非常に安定して壁を張れた。
両壁と自主退場だけなら「ミストバースト」を覚えたサケブシッポでもいいように思われるかもしれないが、そうはいかない大きな理由がある。それは対「ちょうはつ」ハバタクカミである。もしハバタクカミに「ちょうはつ」されたとき、今目の前にいるハバタクカミこそが最大の難敵なのだ。キレイハナが上から2回「ちょうはつ」されて終了する。レジエレキはこれを「サンダーダイブ」でぶん殴ることができる。テラスタイプがでんきなのはそのためである。そのハバタクカミを突破しないことには、勝利が無いのだ。
「サンダーダイブ」はさらに、優れた突破力を持っている。目の前を「サンダーダイブ」で殴ろうとして、居座られたとき、火力の高さから相手を突破することができ、じめんタイプを後投げされたとき、レジエレキを突破することができる。後者の場合、キレイハナの前に起点にしやすいじめんタイプがいるという最高の盤面が出来上がるのだ。
このポケモンはダメージ・センサとしても活用できる。これは特に対ガチグマで役立つ。「ひかりのかべ」下でガチグマの技を一発耐えるので、そのダメージ量から逐一ガチグマのCを算出し、「あくび」の有無を推測することでキレイハナが「ちょうのまい」と「みがわり」のどちらから入るかを決定していた。

[調整意図]

H...ぶっぱ。
D…C特化「こだわりメガネ」ハバタクカミの「シャドーボール」2耐え。
S...遅いウーラオス意識。
余り…B

[解説]

ヒュイーヒヒョヒョヒョヒョヒョーン。裏選出におけるクッション。
構築に最後に入ってきたポケモンで記憶するところ2回しか選出していない。以前使ったことのあるキチキギスをほぼ流用した。
技構成は、ウーラオスやパオジアンに対する打点となるメインウェポンの「ムーンフォース」、回復技の「はねやすめ」、対面操作の「とんぼがえり」、崩しの起点を作れる「アシッドボム」とした。「アシッドボム」は自ら崩しに行けるだけではなく、ガチグマを通すのにも利用できた。
ハバタクカミなどの技の追加効果による運負けをなくせ、キョジオーン対策になる「おんみつマント」を持たせた。
テラスタイプはウーラオス意識のみずだが、切ったことはない。
「どくびし」を形式的に対策できるほか、ハバタクカミや悪ウーラオスを選出抑制できていた気がする。フェイスとして優秀だった。

[調整意図]

D...ぶっぱ。
H...16n+1
余り…B。CS偶数。

[解説]

ウウォーーーン。特殊火力、特殊耐久、素早さ、物理火力、物理防御、耐性、技範囲と文字通り”全て”を具え持つ完全なるポケモン
技構成はメインウェポンの「ラスターカノン」と、みずタイプに撃つ「10まんボルト」、詰めの選択肢を取れる「てっぺき」、「じきゅうりょく」と「てっぺき」を活かせる「ボディプレス」とした。「てっぺき」「ボディプレス」型ジバコイルと全く同じ技構成であり、技範囲は実に広い。
持ち物は突破不能性を高める「たべのこし」とし、テラスタイプは「あんこくきょうだ」や「インファイト」、「せいなるつるぎ」、「ドラゴンテール」などの対策となるフェアリーとした。
本当に強かった。全体的な数値が高い上にタイプも強力で、半減技に受け出して「じきゅうりょく」を発動させる動きが取れたり、毒無効、「ステルスロック」半減などの要素もバトンエースとして偉すぎた。

[調整意図]

C...特化。
H...50n+1
S...ハピナス意識。4振りラグラージ抜き。
余り...D

[解説]

クア゛ア゛ウ。ドヒドイデ破壊兵器。「ちょうはつ」で受けポケモンを機能停止させながらノーマルテラスタル「シルクのスカーフ」「ブラッドムーン」(誰も受からない)でサイクルを破壊する。「ハイパーボイス」でグライオンもきちんと破壊する。
このポケモンは基本選出に絡まないため、汎用性は削いでもよく、ハピナスグライオンに毒を入れられても削りきられないように「つきのひかり」を採用した。裏が無限サイクルパーツなので猛毒を入れられても何とかなる。
純正受けループを粉々にできて気持ち良かった。バトン先としてもやれなくはないのだろうが、ブリジュラスが強すぎた。

【選出・立ち回り】

[基本選出]

レジエレキ+キレイハナ+ブリジュラス
体感8割はこの選出だった。両壁を張り、退場し、適当な回数舞い、ときに根を張り、"完全"を降臨させる。キレイハナとブリジュラスの技選択にのみ思考を割けばよい。ポケモン入れ替えなんて使わへんからなぁ!

[基本選出亜種]

ブリジュラス→ラウドボーン
まあ、ブリジュラスの方がいいんじゃないかな。

ドヒドイデ

ガチグマ+ラウドボーンorキチキギスorブリジュラスから2体
ヌンプルに勝とう!

【おわりに】

最近は勝てる構築がいろいろ組めるようになってきたのでポケモンが楽しいです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVダブル】S14使用構築 最終329位 レート1900.238 晴れベストスタッフ

【はじめに】

ラフレシアを使いました。長かった…。

【SVダブル環境とラフレシア

ラフレシアを使いたい。ラフレシアを最も強く使えるのは、「ようりょくそ」を活かしダブルバトルで晴れパに組み込む使い方だろう。しかし「ようりょくそ」持ちには競合も多い。ラフレシアの独自性は何だろうか。「ようりょくそ」持ちポケモン達の要素を整理して表にしてみよう。と思ったが、面倒なのでやめた。
実はラフレシアのことは剣盾の頃からある程度使い込んでいたが、剣盾では終ぞ結果を出せなかった。ラフレシアの独自性は、どくタイプを持ち、一致どく打点の「ヘドロばくだん」と「おさきにどうぞ」を両立できる点である。しかしこの世の終わりみたいな素早さ種族値(50)のせいで、準速だと「ようりょくそ」が発動しても最速ハバタクカミを抜けないため、最速を強いられる。
しかし、ここで一つの事実に気付く。それは、ラフレシアがハバタクカミに追いつこうと「ようりょくそ」を発動させたとき、必ず相手のハバタクカミは「こだいかっせい」が発動しているため、Sブーストの場合一生追いつけないということである。これを「ラフレスとカミ」と言う。
SVにて、こんなバケモノが解禁されてしまったのだ。「ラフレスとカミ」及びそれを生み出した今作SVは、ラフレシアにとって絶望を示しているのだろうか。
結論から言うと、そんなことはない。今作の環境ははむしろ、ラフレシアにとって追い風と言えるだろう。競合の多い「ようりょくそ」持ちとしての弱点がある程度解消されたのだ。
まず、キョダイマックスフシギバナが消えたのは大きい。キョダイマックスフシギバナは強すぎた。この世の終わりのようなポケモンだった。「おさきにどうぞ」による差別化だけではあの暴力的な生物に敵うことはできなかったというのが事実だ。
そして、今作では「ようりょくそ」持ちとしては低いSが大きく問題にならなくなった。1つめの要因としてレジエレキが環境から姿を消したことが挙げられる。レジエレキはイカれたポケモンなので、「ようりょくそ」持ちだと最速フシギバナくらいの素早さがないと抜けなかったのだが、これを意識する必要がなくなった。2つめの要因は、「ラフレスとカミ」は他の「ようりょくそ」にも付き纏う問題であることだ。ドレディアを除く「ようりょくそ」は全て(フシギバナさえも)、「ラフレスとカミ」を解決できない。これらの理由から、ラフレシアの素早さ種族値は特別悪いものではなくなった。224(最速ラフレシア×2)から307(最速ハバタクカミ×1.5)までの間の数——例えば290(最速フシギバナ×2)は、224とそれほど意味が変わらないのだ。

【構築経緯】

ラフレシアを採用。ラフレシアについては先述の通り。
ラフレシアの「ようりょくそ」と「おさきにどうぞ」を活かせるコータスを採用。「ひでり」+「ようりょくそ]+「おさきにどうぞ」+「ふんか」は非常に強力なコンボであり、アタッカーのコータス自身が非常に遅いため「トリックルーム」での対策も許さない。
ハバタクカミを採用。このポケモンの強みは多すぎるため詳しくは個別解説にて述べるが、コータスを活かすために「トリックルーム」が欲しいことと、先の2匹で重いドラゴンタイプに対して打点が持てることが主な採用理由である。
コータスを使うにあたって、「あまごい」トルネロスは非常に厄介で、対策必須である。トルネロスを迅速に処理できるタケルライコを採用。
ここまでで重いほのおタイプのポケモンに打点を持てるウネルミナモを採用。みず・ドラゴンの範囲はここまでのポケモン達との攻めの補完に非常に優れている。
晴れとのシナジーを持てるほのおタイプの物理アタッカーでありながら、晴れパを使う上で当然重くなるガオガエンに対してテンポを取られないエンテイを採用。
以上で構築が完成した。

【構築コンセプト】

・"サポート枠"を採用せず、全てのポケモンが高い攻撃性能を持つことで、柔軟な攻めを実現する。(全てのポケモンを勝ち筋にする)
・高数値のポケモンに更に晴れとのシナジーを持たせ、圧倒的なパワーで捻じ伏せる。

【個別解説】

[調整意図]

S…最速。準速「こだわりスカーフ」ウーラオス抜き。
C…ぶっぱ。

[解説]

アタッカー1。「ヘドロばくだん」+「リーフストーム」の範囲で殴るほか、「おさきにどうぞ」で主にコータスのサポートをする。
くさ技は晴れ前提の「ソーラービーム」ではなく「リーフストーム」を採用した。構築コンセプト上、シーンを選ぶ攻撃技の採用を避けた。
残った技枠に最凶技の「ねむりごな」を採用した。催眠の押し付けはシンプルに強力で、モロバレルが減少したことで「ぼうじんゴーグル」持ちが減っていて刺さりがよかった。きつい相手への捲りの手段(特にテツノカシラ+イエッサン、ブリジュラス)としても重宝した。
ねこだまし」をよく誘うのでその対策として「おんみつマント」を持たせた。よく刺さった。また、ハバタクカミの「こごえるかぜ」によるS操作を無効にできる点も偉かった。
テラスタイプはテツノカシラ意識で「あく」とした。対テツノカシライエッサンは、コータス+ラフレシア と選出して、コータスが「まもる」、ラフレシアがあくテラスしながらイエッサンに「ねむりごな」を当てれば大体勝てる。外した場合はコータスをハバタクカミに引っ込めながら再度「ねむりごな」を撃つ。
絶妙な素早さによって抜いたり抜かれたり、「トリックルーム」と噛み合ったり噛み合わなかったり、都合が良かったり悪かったりした。

[調整意図]

S…最遅。
HCぶっぱ。

[解説]

アタッカー2。「ひでり」によって全ての味方を強化できるほか、自身も「ふんか」と「ねっぷう」という高威力の全体技で攻撃できる優秀なアタッカーである。
持ち物は火力アイテムが欲しいが、「まもる」を絡めた立ち回りをしたかったため、「こだわりメガネ」ではなく「もくたん」とした。火力はまあ絶妙に足りない。
サブウェポンにガオガエンなどのほのおタイプやタケルライコなどを意識して「だいちのちから」を採用した。この枠を「てだすけ」にすることも検討したが、やはりこの技のおかげで拾う試合もそれなりに多かったのでそのまま使用した。
テラスタイプは「ねこだまし」や「しんそく」を対策できるゴーストとした。
ハイリスクハイリターンの「ふんか」とローリスクローリターンの「ねっぷう」を適切に使い分けることが求められるポケモンだが、この2択に関しては自信がある。また「トリックルーム」の後に、高い耐久を活かした強引な後投げによる降臨でアドバンテージを取る動きも重要だった。

[調整意図]

D>C=S
余り...HB。

[解説]

アタッカー3。凄まじい一貫性の「ムーンフォース」があるにも関わらず、「トリックルーム」や「にほんばれ」によるサポートまでできてしまうこのゲームの神。
コータスを最大限活かすには「おさきにどうぞ」だけでは不足で、「トリックルーム」は欲しいところである。しかし一般的な「トリックルーム」使いは初手で「トリックルーム」を撃つことを半ば強制される。私はそれが大きな損だと感じ、”見えない”「トリックルーム」が最も強い使い方だと考えた。例えばトルネロスに「おいかぜ」を強制しそれに「トリックルーム」を合わせる展開なんかは最高だ。これこそ真のスイッチトリルにして、型判別不能な非「ブーストエナジー」のハバタクカミこそそれを実現するポケモンである。またこの型判別不能のハバタクカミの初手「まもる」は最強なので「まもる」を仕込んだ。
またフェアリー技の「ムーンフォース」が攻撃面の相性補完にも優れており、火力も十分である。ノーマル技、かくとう技、ドラゴン技の一貫が切れるのも非常に優秀で、「ねこだまし」無効や「しんそく」が一貫しないという事実を作り出せるという要素は重要だった。「にほんばれ」状態だとみずウーラオスからの打点が無くなる。
HBにほぼ特化し、Dブーストとすることで行動保証を確保した。晴れによって発動した相手の「こだいかっせい」によるCブーストを事実上相殺できる。テラスタイプは以前使用感のよかったはがねとした。エンテイなどのほのおタイプがきついのでほのおやみずも一考の余地がある。
持ち物は場持ちがよくなる「たべのこし」とした。「まもる」と相性が良く、高すぎる耐久で「トリックルーム」後も生き残り続け、「トリックルーム」が切れてから高すぎる素早さでスイープするという異次元のムーブが可能である。より即効性があり、みずウーラオスなどへの安定感が増す「オボンのみ」も一考。

[調整意図]

C…特化。
余り...H、損しない程度にD振り。

[解説]

アタッカー4。現環境で貴重なでんきタイプアタッカーで非常に数値が高く、高威力先制技の「じんらい」を持つため、低速ながら盤面に対する高い影響力を持てる優秀なポケモン
みずもひこうも半減で、「じんらい」でウーラオストルネロスも縛れることから、「あまごい」トルネロスが天敵である「ひでり」始動の晴れパにおいては優先的に採用したいポケモンであった。対トルネロスはとにかくトルネロスを迅速に処理することが肝要で、タケルライコは正にそれが可能である。
わざは無難な4つとした。「りゅうのはどう」では誰も倒せないので、ドラゴン技は「りゅうせいぐん」とした。今回のような攻撃的な構築は何よりも残数有利を取ることが最優先である。
持ち物及びテラスタイプはメインウェポンであるでんき技の火力を重視し、「じしゃく」とでんきテラスタルにした。「こだいかっせい」でさらに火力を上げることができ、Cブーストテラス「じんらい」は無振り水オーガポンを倒しうるほどの火力がある。
高くないSは「トリックルーム」との相性が良いが、「トリックルーム」への依存度が高いわけでもなく、柔軟な立ち回りが可能だった。じめんタイプにさえ気を付ければでんき技は割と通りがよく強力なはずなのだが、そのじめんタイプが多かったのでそれほど選出率が高くなかった。

[調整意図]

S...最速。最速テラキオン抜き。
C...ぶっぱ。
C=S

[解説]

アタッカー5。「にほんばれ」で弱体化するどころか強化される唯一のみずアタッカーであり、このポケモンの存在により今作の晴れパはほのおタイプによるタイプ受けが不可能である。
誤解されがちだがこのポケモンは晴れへの依存度が高いポケモンでは決してない。「晴れパ以外で採用する価値は低いこと」と「晴れという天候依存度が高い」ことは別である。「いのちのたま」を持たせれば、「りゅうせいぐん」で十分高い火力が出せる(D4テラキオンを50%で倒せる程度)ため、「ハイドロスチーム」に頼らずとも火力は出せるのだ。晴れ下で強いのは勿論のことで、その火力は凄まじく、「ハイドロスチーム」でイエッサン♀が吹っ飛んだりする。この圧倒的火力が魅力のポケモンなので、個人的には使うなら「いのちのたま」でCブースト以外ありえないと感じた。
テラスタイプを「はがね」とし、「テラバースト」を採用した。天敵のハバタクカミに抗えるほか、ガラルマタドガスエルフーンなどをワンパンできるなど地味ながら強かった。耐性面でも元の弱点を両方とも半減にでき、ゴリランダーの「グラススライダー」に強くなるなど優秀である。
先述のとおり火力が高いだけでなく、素早さや耐久もなかなか高いため非常にスペックの高いポケモンであり、選出機会は存外多かった。晴れパならまず採用したいポケモンだと感じる。

[調整意図]

ASぶっぱ。

[解説]

アタッカー6。「せいなるほのお」と「しんそく」という2種類の壊れ技を持ち、さらに「せいしんりょく」で「いかく」や「ねこだまし」で止まらない神の物理アタッカー。
「せいなるほのお」と「しんそく」、「とつげきチョッキ」による高耐久に加え、ノーマルテラスタルというオプションもあって「殴り合い性能」(「対面性能」という言葉はダブルバトルでは使わなそう)が高い。晴れによって「せいなるほのお」の火力をさらに上げることができ、弱点のみずを事実上打ち消すことで、水オーガポンなどとも殴り合えるようになったりする。
サブウェポンは主にほのおタイプの対策として「じだんだ」と「ストーンエッジ」を採用した。「ストーンエッジ」はトルネロスに「あまごい」をされたとしても打点を確保できる技でもある。「バークアウト」は攻撃的なこの構築との噛み合いが悪かった。
ほのお物理アタッカーでありながらガオガエンに怯まず攻めの展開を作れ、十分なスペックを持ち合わせているため非常に強力なポケモンであった。

【選出・立ち回り】

体感選出率はハバタクカミ>コータス>ウネルミナモ=エンテイ>タケルライコ>ラフレシア
初手はハバタクカミ+ウネルミナモorエンテイorタケルライコまたはラフレシアコータスが多かった。
前者が基本的な初手で、ハバタクカミで「トリックルーム」を展開後、コータスで暴れて「トリックルーム」が切れた後残りをスイープするという展開になることが多い。後者は相手に「おいかぜ」要員がいない場合やテツノカシラ+イエッサンの場合にする初手で、「ねむりごな」や「おさきにどうぞ」+「ふんか」で荒らして裏でスイープするという展開になることが多い。だが個々のスペックが高いので立ち回りはこれに限らない。圧倒的な力を押し付けるべし。

【おわりに】

今月は多分インフレシーズンでしたが期末試験があり、早めにレート1900を達成して終わりました。順位的にはちょっと見栄えが悪いですが記事を書きたくて仕方がなかったのです。ここまで読んでくださってありがとうございました。