駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど

【ポケモンSVダブル】S14使用構築 最終329位 レート1900.238 晴れベストスタッフ

【はじめに】

ラフレシアを使いました。長かった…。

【SVダブル環境とラフレシア

ラフレシアを使いたい。ラフレシアを最も強く使えるのは、「ようりょくそ」を活かしダブルバトルで晴れパに組み込む使い方だろう。しかし「ようりょくそ」持ちには競合も多い。ラフレシアの独自性は何だろうか。「ようりょくそ」持ちポケモン達の要素を整理して表にしてみよう。と思ったが、面倒なのでやめた。
実はラフレシアのことは剣盾の頃からある程度使い込んでいたが、剣盾では終ぞ結果を出せなかった。ラフレシアの独自性は、どくタイプを持ち、一致どく打点の「ヘドロばくだん」と「おさきにどうぞ」を両立できる点である。しかしこの世の終わりみたいな素早さ種族値(50)のせいで、準速だと「ようりょくそ」が発動しても最速ハバタクカミを抜けないため、最速を強いられる。
しかし、ここで一つの事実に気付く。それは、ラフレシアがハバタクカミに追いつこうと「ようりょくそ」を発動させたとき、必ず相手のハバタクカミは「こだいかっせい」が発動しているため、Sブーストの場合一生追いつけないということである。これを「ラフレスとカミ」と言う。
SVにて、こんなバケモノが解禁されてしまったのだ。「ラフレスとカミ」及びそれを生み出した今作SVは、ラフレシアにとって絶望を示しているのだろうか。
結論から言うと、そんなことはない。今作の環境ははむしろ、ラフレシアにとって追い風と言えるだろう。競合の多い「ようりょくそ」持ちとしての弱点がある程度解消されたのだ。
まず、キョダイマックスフシギバナが消えたのは大きい。キョダイマックスフシギバナは強すぎた。この世の終わりのようなポケモンだった。「おさきにどうぞ」による差別化だけではあの暴力的な生物に敵うことはできなかったというのが事実だ。
そして、今作では「ようりょくそ」持ちとしては低いSが大きく問題にならなくなった。1つめの要因としてレジエレキが環境から姿を消したことが挙げられる。レジエレキはイカれたポケモンなので、「ようりょくそ」持ちだと最速フシギバナくらいの素早さがないと抜けなかったのだが、これを意識する必要がなくなった。2つめの要因は、「ラフレスとカミ」は他の「ようりょくそ」にも付き纏う問題であることだ。ドレディアを除く「ようりょくそ」は全て(フシギバナさえも)、「ラフレスとカミ」を解決できない。これらの理由から、ラフレシアの素早さ種族値は特別悪いものではなくなった。224(最速ラフレシア×2)から307(最速ハバタクカミ×1.5)までの間の数——例えば290(最速フシギバナ×2)は、224とそれほど意味が変わらないのだ。

【構築経緯】

ラフレシアを採用。ラフレシアについては先述の通り。
ラフレシアの「ようりょくそ」と「おさきにどうぞ」を活かせるコータスを採用。「ひでり」+「ようりょくそ]+「おさきにどうぞ」+「ふんか」は非常に強力なコンボであり、アタッカーのコータス自身が非常に遅いため「トリックルーム」での対策も許さない。
ハバタクカミを採用。このポケモンの強みは多すぎるため詳しくは個別解説にて述べるが、コータスを活かすために「トリックルーム」が欲しいことと、先の2匹で重いドラゴンタイプに対して打点が持てることが主な採用理由である。
コータスを使うにあたって、「あまごい」トルネロスは非常に厄介で、対策必須である。トルネロスを迅速に処理できるタケルライコを採用。
ここまでで重いほのおタイプのポケモンに打点を持てるウネルミナモを採用。みず・ドラゴンの範囲はここまでのポケモン達との攻めの補完に非常に優れている。
晴れとのシナジーを持てるほのおタイプの物理アタッカーでありながら、晴れパを使う上で当然重くなるガオガエンに対してテンポを取られないエンテイを採用。
以上で構築が完成した。

【構築コンセプト】

・"サポート枠"を採用せず、全てのポケモンが高い攻撃性能を持つことで、柔軟な攻めを実現する。(全てのポケモンを勝ち筋にする)
・高数値のポケモンに更に晴れとのシナジーを持たせ、圧倒的なパワーで捻じ伏せる。

【個別解説】

[調整意図]

S…最速。準速「こだわりスカーフ」ウーラオス抜き。
C…ぶっぱ。

[解説]

アタッカー1。「ヘドロばくだん」+「リーフストーム」の範囲で殴るほか、「おさきにどうぞ」で主にコータスのサポートをする。
くさ技は晴れ前提の「ソーラービーム」ではなく「リーフストーム」を採用した。構築コンセプト上、シーンを選ぶ攻撃技の採用を避けた。
残った技枠に最凶技の「ねむりごな」を採用した。催眠の押し付けはシンプルに強力で、モロバレルが減少したことで「ぼうじんゴーグル」持ちが減っていて刺さりがよかった。きつい相手への捲りの手段(特にテツノカシラ+イエッサン、ブリジュラス)としても重宝した。
ねこだまし」をよく誘うのでその対策として「おんみつマント」を持たせた。よく刺さった。また、ハバタクカミの「こごえるかぜ」によるS操作を無効にできる点も偉かった。
テラスタイプはテツノカシラ意識で「あく」とした。対テツノカシライエッサンは、コータス+ラフレシア と選出して、コータスが「まもる」、ラフレシアがあくテラスしながらイエッサンに「ねむりごな」を当てれば大体勝てる。外した場合はコータスをハバタクカミに引っ込めながら再度「ねむりごな」を撃つ。
絶妙な素早さによって抜いたり抜かれたり、「トリックルーム」と噛み合ったり噛み合わなかったり、都合が良かったり悪かったりした。

[調整意図]

S…最遅。
HCぶっぱ。

[解説]

アタッカー2。「ひでり」によって全ての味方を強化できるほか、自身も「ふんか」と「ねっぷう」という高威力の全体技で攻撃できる優秀なアタッカーである。
持ち物は火力アイテムが欲しいが、「まもる」を絡めた立ち回りをしたかったため、「こだわりメガネ」ではなく「もくたん」とした。火力はまあ絶妙に足りない。
サブウェポンにガオガエンなどのほのおタイプやタケルライコなどを意識して「だいちのちから」を採用した。この枠を「てだすけ」にすることも検討したが、やはりこの技のおかげで拾う試合もそれなりに多かったのでそのまま使用した。
テラスタイプは「ねこだまし」や「しんそく」を対策できるゴーストとした。
ハイリスクハイリターンの「ふんか」とローリスクローリターンの「ねっぷう」を適切に使い分けることが求められるポケモンだが、この2択に関しては自信がある。また「トリックルーム」の後に、高い耐久を活かした強引な後投げによる降臨でアドバンテージを取る動きも重要だった。

[調整意図]

D>C=S
余り...HB。

[解説]

アタッカー3。凄まじい一貫性の「ムーンフォース」があるにも関わらず、「トリックルーム」や「にほんばれ」によるサポートまでできてしまうこのゲームの神。
コータスを最大限活かすには「おさきにどうぞ」だけでは不足で、「トリックルーム」は欲しいところである。しかし一般的な「トリックルーム」使いは初手で「トリックルーム」を撃つことを半ば強制される。私はそれが大きな損だと感じ、”見えない”「トリックルーム」が最も強い使い方だと考えた。例えばトルネロスに「おいかぜ」を強制しそれに「トリックルーム」を合わせる展開なんかは最高だ。これこそ真のスイッチトリルにして、型判別不能な非「ブーストエナジー」のハバタクカミこそそれを実現するポケモンである。またこの型判別不能のハバタクカミの初手「まもる」は最強なので「まもる」を仕込んだ。
またフェアリー技の「ムーンフォース」が攻撃面の相性補完にも優れており、火力も十分である。ノーマル技、かくとう技、ドラゴン技の一貫が切れるのも非常に優秀で、「ねこだまし」無効や「しんそく」が一貫しないという事実を作り出せるという要素は重要だった。「にほんばれ」状態だとみずウーラオスからの打点が無くなる。
HBにほぼ特化し、Dブーストとすることで行動保証を確保した。晴れによって発動した相手の「こだいかっせい」によるCブーストを事実上相殺できる。テラスタイプは以前使用感のよかったはがねとした。エンテイなどのほのおタイプがきついのでほのおやみずも一考の余地がある。
持ち物は場持ちがよくなる「たべのこし」とした。「まもる」と相性が良く、高すぎる耐久で「トリックルーム」後も生き残り続け、「トリックルーム」が切れてから高すぎる素早さでスイープするという異次元のムーブが可能である。より即効性があり、みずウーラオスなどへの安定感が増す「オボンのみ」も一考。

[調整意図]

C…特化。
余り...H、損しない程度にD振り。

[解説]

アタッカー4。現環境で貴重なでんきタイプアタッカーで非常に数値が高く、高威力先制技の「じんらい」を持つため、低速ながら盤面に対する高い影響力を持てる優秀なポケモン
みずもひこうも半減で、「じんらい」でウーラオストルネロスも縛れることから、「あまごい」トルネロスが天敵である「ひでり」始動の晴れパにおいては優先的に採用したいポケモンであった。対トルネロスはとにかくトルネロスを迅速に処理することが肝要で、タケルライコは正にそれが可能である。
わざは無難な4つとした。「りゅうのはどう」では誰も倒せないので、ドラゴン技は「りゅうせいぐん」とした。今回のような攻撃的な構築は何よりも残数有利を取ることが最優先である。
持ち物及びテラスタイプはメインウェポンであるでんき技の火力を重視し、「じしゃく」とでんきテラスタルにした。「こだいかっせい」でさらに火力を上げることができ、Cブーストテラス「じんらい」は無振り水オーガポンを倒しうるほどの火力がある。
高くないSは「トリックルーム」との相性が良いが、「トリックルーム」への依存度が高いわけでもなく、柔軟な立ち回りが可能だった。じめんタイプにさえ気を付ければでんき技は割と通りがよく強力なはずなのだが、そのじめんタイプが多かったのでそれほど選出率が高くなかった。

[調整意図]

S...最速。最速テラキオン抜き。
C...ぶっぱ。
C=S

[解説]

アタッカー5。「にほんばれ」で弱体化するどころか強化される唯一のみずアタッカーであり、このポケモンの存在により今作の晴れパはほのおタイプによるタイプ受けが不可能である。
誤解されがちだがこのポケモンは晴れへの依存度が高いポケモンでは決してない。「晴れパ以外で採用する価値は低いこと」と「晴れという天候依存度が高い」ことは別である。「いのちのたま」を持たせれば、「りゅうせいぐん」で十分高い火力が出せる(D4テラキオンを50%で倒せる程度)ため、「ハイドロスチーム」に頼らずとも火力は出せるのだ。晴れ下で強いのは勿論のことで、その火力は凄まじく、「ハイドロスチーム」でイエッサン♀が吹っ飛んだりする。この圧倒的火力が魅力のポケモンなので、個人的には使うなら「いのちのたま」でCブースト以外ありえないと感じた。
テラスタイプを「はがね」とし、「テラバースト」を採用した。天敵のハバタクカミに抗えるほか、ガラルマタドガスエルフーンなどをワンパンできるなど地味ながら強かった。耐性面でも元の弱点を両方とも半減にでき、ゴリランダーの「グラススライダー」に強くなるなど優秀である。
先述のとおり火力が高いだけでなく、素早さや耐久もなかなか高いため非常にスペックの高いポケモンであり、選出機会は存外多かった。晴れパならまず採用したいポケモンだと感じる。

[調整意図]

ASぶっぱ。

[解説]

アタッカー6。「せいなるほのお」と「しんそく」という2種類の壊れ技を持ち、さらに「せいしんりょく」で「いかく」や「ねこだまし」で止まらない神の物理アタッカー。
「せいなるほのお」と「しんそく」、「とつげきチョッキ」による高耐久に加え、ノーマルテラスタルというオプションもあって「殴り合い性能」(「対面性能」という言葉はダブルバトルでは使わなそう)が高い。晴れによって「せいなるほのお」の火力をさらに上げることができ、弱点のみずを事実上打ち消すことで、水オーガポンなどとも殴り合えるようになったりする。
サブウェポンは主にほのおタイプの対策として「じだんだ」と「ストーンエッジ」を採用した。「ストーンエッジ」はトルネロスに「あまごい」をされたとしても打点を確保できる技でもある。「バークアウト」は攻撃的なこの構築との噛み合いが悪かった。
ほのお物理アタッカーでありながらガオガエンに怯まず攻めの展開を作れ、十分なスペックを持ち合わせているため非常に強力なポケモンであった。

【選出・立ち回り】

体感選出率はハバタクカミ>コータス>ウネルミナモ=エンテイ>タケルライコ>ラフレシア
初手はハバタクカミ+ウネルミナモorエンテイorタケルライコまたはラフレシアコータスが多かった。
前者が基本的な初手で、ハバタクカミで「トリックルーム」を展開後、コータスで暴れて「トリックルーム」が切れた後残りをスイープするという展開になることが多い。後者は相手に「おいかぜ」要員がいない場合やテツノカシラ+イエッサンの場合にする初手で、「ねむりごな」や「おさきにどうぞ」+「ふんか」で荒らして裏でスイープするという展開になることが多い。だが個々のスペックが高いので立ち回りはこれに限らない。圧倒的な力を押し付けるべし。

【おわりに】

今月は多分インフレシーズンでしたが期末試験があり、早めにレート1900を達成して終わりました。順位的にはちょっと見栄えが悪いですが記事を書きたくて仕方がなかったのです。ここまで読んでくださってありがとうございました。