駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど

【ポケモンSVダブル】S2使用構築 最終161位 猫王スタン

【はじめに】

 ペルシアンを使用

【猫王決定戦】

 このパルデアで最強の猫は誰だろう。マスカーニャ?奴は猫ではない。何故なら「ねこだまし」を覚えないからだ。
 ルールは簡単。最強の猫騙しを撃った者が最強の猫。即ち”猫王”。バトンとか手助け、そういう小細工は無し。猫王たる者裸一貫、己の身一つで競えい!



アブネッ
 猫王は...ペルシアン~!
\ペルシアン/ \ペルシアン/ \ペルシアン/ \ペルシアン/

【構築経緯】

 ペルシアンを使うにあたって、やはり欠かせないのが「ねこだまし」だろう。猫王たるペルシアンは、最強の威力を持つ猫騙しを、ライチュウをも上回る素早さ種族値115から放つことができるのだ。そしてこの素早さから放たれる「テクニシャン」補正付き「こごえるかぜ」「バークアウト」による削りと妨害、更に第二の一致先制技の「フェイント」で更なる妨害…。こんな独特な技構成が実現できるのは猫王ペルシアンを除いて他に居まい。

なるほど、マニューラも猫の端くれ。奴にできるのもまあ不思議ではないか。

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 しかし、ペルシアンは猫王なのだ。こいつらとはきちんと差別化できている。まずヤミラミとは素早さが違いすぎるし、素早さでは抜かれているマニューラとは火力差で差別化できている。マニューラのC種族値はたったの45しかなく、こごかぜ・バクア共に一致ではあるもののペルシアンテクニ補正で実質一致ペルシアンのC種族値は驚異の65はい猫王。というか、マニューラ種族値を見てこんな型で使う奴は何だ。動物愛護法に抵触している。
 猫王の妨害の間に、一回の積み技で戦況を大きく有利にすることができるポケモンとしてウルガモスコノヨザルを採用。
 「詰め」の性質も持つ上述の二匹をサポートでき、トリックルームの対策にもなるモロバレルを採用。さらに、両壁によって積みやすい状況を作れるオーロンゲを採用。
 ラストに補完として、積みの天敵ともいえるヘイラッシャを貫け、ここまでで重いドラゴンタイプに有利を取れる疑似積みアタッカーの「はがね」テラスタル「きあいだめ」サザンドラを採用して構築が完成した。

【個体紹介】


せっかち 141(4)-90-72-117(252)-85-183(252)
 猫王。役割は削りと妨害。高い素早さから「ねこだまし」や「バークアウト」、「こごえるかぜ」をばら撒いて盤面を有利にする。当初はチョッキHSで「フェイント」を「ひやみず」にしたデバフ特化型で使っていた。これでも悪くはなかったのだが、マニューラでよくね?」とならないように「テクニシャン」の火力補正を活かしたほうが強力であると気づき、CSの「きあいのタスキ」とした。またキョジオーンなどの「まもる」の時間稼ぎや、そもそも「まもる」択を拒否できる「フェイント」を一手あたりのバリューの低い「ひやみず」の代わりに採用したが、これは良好だった。テラスタイプはエスパーという無効タイプがあり、ウェポンの火力を上げられる「あく」とした。「こごえるかぜ」の火力を上げられる「こおり」も強いかもしれない。後述のモロバレルやオーロンゲがわかりやすく強すぎたこともあっていまいち信用しきれず、選出機会はやや少なかったが、選出した際は悪くない活躍をしてくれた。この構築で唯一S操作ができるポケモンで、S操作が有効に働く場面ではかなり強力だった。Aが無振りだが"猫王"の最強の猫騙しはどこへ行ったのだろうか?

おくびょう 190(236)-×-87(12)-156(4)-126(4)-167(252)
 早くも見つけた、私の相棒。このポケモンについては特筆すべき事項が多い。
 当初はCSの珠蝶舞熱風を軸とした型を使用していたが、どんなサブウェポンを採用しても技範囲不足に陥る問題があった。例えば、サブウェポンにギガドレインを採用するとほのおタイプやドラゴンタイプに打点がない。こうした問題が単タイプ相手(今作では全てのポケモンが、テラスタルによって全ての単タイプになれる)レベルで起きてしまうので、一般的な強みに欠けると考え、これを断念した。ニンフィアを起点にしても、炎テラスタルを切ったニンフィアを倒せなければ、意味がない。そこで、強い蝶舞ウルガモスの型を考えたとき、私が前期シングルバトルで使った、鬼火蝶舞日差し型を試してみることにした。
yoyopoke.hatenablog.com
 これが極めて使用感が良かった。ダブルバトルではシングルバトルに比べ集中攻撃によって倒されやすいという、この型にとってのデメリットもあるが、それ以上に、味方のサポートを受けやすい、「止まりやすい」という弱点を克服できる(例えば、このウルガモスは貰い火持ちで簡単に「止まって」しまうが、ダブルでは貰い火持ちの横を殴ることで戦局を進めることができる。つまり、シングルのように「止まる」ことで交代を余儀なくされるとは限らない)など、恩恵のほうが大きいと感じた。
 「おにび」や「ちょうのまい」を上から通したほうが、結果的に耐久は上がるので最速。定数ダメージと「あさのひざし」の回復量効率の兼ね合いで、HPは190となった。足りない耐久値は、壁で簡単に補うことができる。
 元々マスカーニャのはたきおとすに繰り出されるようなポケモンで、持ち物としては腐りやすいあつぞこブーツで使われるようなポケモンであることからもわかるように、このポケモンは持ち物に依存しない強さを持ったポケモンである。そのため、持ち物によるピンポイントメタをする余裕がある(これは論理として逆であり、実際の論理は、あつぞこブーツがステルスロックに対するピンポイントメタであり、持ち物をあつぞこブーツというピンポイントメタに割いてでも使われる程、ウルガモスが強力なポケモンである、ということである)。そこで、ある程度の使用者が見られた雨パに対する劇烈なピンポイントメタとして、「ばんのうがさ」を持たせ、さらにテラスタイプを「みず」とした。水技は本来の1/6の火力とし、「ぼうふう」を避けながら「ちょうのまい」を積みまくり、すいすいアタッカーを「おにび」で機能停止させ、雨などお構いなしに「あさのひざし」で回復する様はまさしく雨パにとっての悪夢である。副産物として、コータスにやや強くなる。テラスタイプ「みず」は採用理由こそ対雨パであったものの、有利を取れるポケモンが大幅に増え、不利になるポケモンは殆ど増えない、ピンポイントメタを逸脱した極めて強力なテラスタイプだった。

ようき 217(252)-136(4)-101(4)-×-127(132)-137(116)
 怪物。ダブルバトルでは初めて使用したが、環境トップの一角と言われるだけあって、狂気的なパワーを持ったポケモンだった。壁を張った状態だと理不尽なほどに硬く、積み技・回復技・技範囲を両立しながら「まもる」の技スペースまであるのが本当におかしい。調整は「ビルドアップ」で補えないDとSを重視し、Hぶっぱ、Sを準速サーフゴー抜き、残りをDという配分とした。D振りもS振りも有効に働く場面が多く、調整は極めて良かった。テラスタイプは種々の"コノヨザル対策"の対策となる「ほのお」とした。特筆すべき事項として、特性を現環境では珍しい「せいしんりょく」にした。「まけんき」と違って「ものまねハーブ」を恐れずに「いかく」の対策ができることと、ルガルガンなどの雪崩怯みに対して臆せず行動選択ができるのが強みである。以前は「やるき」で採用していたが、発動機会が少なく、実際「せいしんりょく」のほうが活きる場面が多かった。

のんき 219(236)-×-121(156)-105-115(116)-31
 クッション。ほとんどの試合で後発のサポート要員として選出した。ありふれたモロバレルであり型に関してはあまり語るところがない。持ち物はダメージレースを有利にすることやイッカネズミの「ネズミざん」の対策を重視して「ゴツゴツメット」とした。各種技でのサポート性能はさることながら、優秀なタイプと「さいせいりょく」でサイクルの潤滑油にもなれる非常に優秀なポケモンだった。

しんちょう 202(252)-141(4)-101(124)-×-121(116)-82(12)
 壁張り。ほとんどの試合で先発のサポート要員として選出した。調整は、「ひかりのかべ」状態で特化眼鏡サーフゴーのダブルダメージ「ゴールドラッシュ」耐え、同族意識でSに少し振って、残りBとした。ゴールドラッシュを耐えることができればほとんどの攻撃を耐えられるので、両壁を張ることに繋がるほか、ダメージ量からサーフゴーの型判別が容易になるというメリットがある。他の「いたずらごころ」の壁要員と比較したオーロンゲの長所は、タイプもそうだが、高いAを活かした攻撃技によって積極的なアクションを仕掛けにいける点だと思っているので、攻撃技の「ソウルクラッシュ」を採用。この構築はドラゴンタイプが重いので、フェアリー打点は重宝した。もう一つの技は「ねこだまし」や「ミスとフィールド」などを試していたが、ある日、ウルガモスで蝶舞をしたところ、サーフゴーにスカーフトリックをされたので、憤怒のあまり「トリック」を採用。味方へのこだわりトリックをケアすることができる唯一の技である。実際はトリック採用以降、このような使い方ができたことはただの一度もなかった。トリックで相手が「ひかりのねんど」を持つこと自体が有利に働く場面は何一つないかるわざの発動を阻害できる場面などがあるが、相手の持ち物を奪うことが有利に働く場面はままある。「ひかりのねんど」という持ち物は、壁を張ってしまった後は、普通に、ゴミなのだ。

ひかえめ 168(4)-×-110-194(252)-110-150(252)
 凶暴多頭黒龍ヒュドラ。確定急所流星群であらゆるポケモンをワンパンする。気合だめサザンドラは「ほのお」テラスタルが一般的だが、この構築ではドラゴン対策を重視して「はがね」テラスタルとしている。シンプルに耐性がすさまじく優秀で、手厚いサポートを受けた鋼サザンドラの突破が構築単位で不可能な相手も多かった。それに伴いサブウェポンも「ラスターカノン」を採用。鋼には「りゅうせいぐん」共々半減されてしまうが、サーフゴーやドドゲザン相手でも半減急所流星群でのゴリ押しが効いてしまうほどの火力があるため、鋼への打点よりもドラゴン無効のフェアリーに刺せるラスターカノンの方が優れている場面も多かった。当初は耐久調整などを施していたが、ヘイラッシャをはじめとして仮想敵に対する火力がギリギリであり、また最速サーフゴーまで抜いておきたかったので、結果的にひかえめCSぶっぱとなった。C特化のおかげか急所流星群をミリ耐えされることは殆どなく、それが動かしやすさに繋がった。足りない耐久は壁などでいくらでも補えるが、火力の方はどうしようもない。

【選出・立ち回り】

 選出はほぼ先発オーロンゲ+ウルガモスorコノヨザルorサザンドラ、後発モロバレル+何かであった。ただしあまりにもオーロンゲが刺さっていないとき(例:露骨な「かわらわり」、「サイコファング」、レイジングブル、壁張りよりサーフゴーなどに残数を取られない方が重要そう、など)はオーロンゲの代わりにペルシアンなどを出す。モロバレルについても同様(例:相手にセグレイブなど高火力でモロバレルに一致弱点を突けるポケモンやサーフゴーなど胞子無効のポケモンが多い、など)。基本的にウルガモス、コノヨザル、サザンドラの3体のいずれかがテラスタルする。3体とも元のタイプも優秀なので、テラスタルの切りどころは選出時や対戦中によく考える必要がある。オーロンゲのコツは、両壁に固執しすぎないことであり、両壁よりも攻撃したり交代したりすることを優先した方が良い状況も多い。
 対寿司に関して、特筆すべき立ち回り先オーロンゲ+ウルガモス、後モロバレル+サザンドラと選出。ウルガモスが1舞で+2ヘイラッシャを抜けるので、初手ウルガモスで蝶舞(寿司の裏にはウルガモスが大抵刺さっている)、ウルガモスを止めに来た合体ヘイラッシャに対してテラスタルしながら上から「おにび」を撃ち、裏のサザンドラで合体ヘイラッシャを安全に起点化(壁と火傷込みで「いっちょうあがり」が確3)、そのままサザンドラでヘイラッシャを突破しウルガモスで詰める。危なくなったらモロバレルで誤魔化しながら戦う。

【おわりに】

 先に記した、ヘイラッシャを突破して2匹で全てを薙ぎ倒していくサザンドラウルガモスが非常にかっこいい。