駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど

【ポケモンSVダブル】S1使用構築 最終257位 鱗粉きらめく、荒漠の地

【はじめに】

おはこんハロチャオ~。SV初記事です。今回はモルフォンを使うよ。

【構築コンセプト】

 モルフォンというポケモンを使うにあたって、最も強い型は何だろうか?モルフォンについて調べたとき、真っ先に目につくのが、「いろめがね」という特性と、「ちょうのまい」という技だ。虫技は半減されやすいし、蝶舞を積んでさざめきを連打するのは強そうに見える。しかしよく考えてみてほしい。ポケモンというゲームは結局、等倍の一致威力90で殴るよりも抜群の不一致威力70で殴ったほうが強い。弱点を突いたほうが強いのだ。加えてモルフォン種族値は悲惨なものでこの耐久では蝶舞は襷を持たせて積めて精々1回でCも90止まり…。1舞の火力アップアイテム無しの等倍さざめきで、一体誰が倒せるというのだろうか。いろめがねとは、実際のところ、等倍以上を殴るときに威力が半減するという、とんでもない特性だったのだ!
 従ってこの型は使うまでもなくボツだ。虫毒メインのアタッカーなど、考えるだけで悪寒がする。
 翻ってモルフォンの技一覧を見てみると、実に豊富な技をおぼえることがわかる。例を挙げると
・逆に、覚えない技:かふんだんご
これはどういうことか?こういう蝶や蛾のような昆虫の食性は花の蜜や花粉が一般的ではないのか?まさかそうした草食性の昆虫に擬態した肉食性の蛾だとでも言うのだろうか?

どうやら本当にそのようだ。これは危険な生物なので遭遇したら走って逃げた方が良い。
 ともかく、この豊富な補助技――特に、ダブルバトルにて最強クラスの補助技である「いかりのこな」に着目し、ダブルバトルへの適性を見出した。これは私と同じマイオナ諸君へのアドバイスだが、シングルだと弱いポケモンが、ダブルだと強いというのは非常によくあるので、視野に入れてみると良いかもしれない。何よりダブルバトルは4体も選出できるし、2体を盤面に並べるから、1体くらい弱いポケモンが混ざっても割と他で何とかなるのだ。
 いかりのこなによる一時的なサポートの隙に、火力アップの積み技を積んだ後、全体技で場を制圧できるポケモンガブリアスを採用。全てに優れた万能ポケモンで、構築のパワーが増す。
 そのガブリアスの性能をさらに上げるべく、特性「すなおこし」によってガブリアスの「すながくれ」を発動できるバンギラスを採用。このポケモンの強みはやはりただの天候要因に留まらない圧倒的なスペックで、構築のパワーが底上げされる。
 ガブリアスは物理アタッカーなので、特殊でガブリアスと同じように火力アップの積み技を積んだ後、全体技で場を制圧できるポケモンとしてサーフゴーを採用。言わずもがな強力なポケモンで、構築のパワーはさらに高まる。
 トリックルームを対策できる鈍足高耐久ポケモンとして、砂の恩恵も受けられるキョジオーンを採用。異常な種族値に異常な技、異常な特性が揃ったとんでもないポケモンで、構築のパワーは止まるところを知らない。
 最後に、ここまでで出来ていない「しれいとう」対策や「おいかぜ」対策などをこなせるヤミカラスを採用。ここまでの5体に最強のサポーターまで付いて、構築のパワーは最高潮だ。
 こうして完成した構築は以下。

 ここまでで性能を重視してパワーが最大であるはずの構築には、実は大きな問題があった。それはタイプが偏りすぎて、ありとあらゆるタイプが一貫していることである。具体的には、みず・くさ・かくとう・じめん・ドラゴン・はがね・フェアリー・自分のガブリアスが重いという、八重の責め苦(やえのせめく)を負っている。この問題を有り余る構築パワーと実力(運も実力の内)で解決した。

【個体紹介】


おくびょう 146(4)-×-80-142(252)-95-156(252)
 ナマノドクガ。構築における役割はモルフォン。本当にそうとしか言い表せない独自の性能を有している。「いかりのこな」によるサポートは勿論、「いかりのこな」持ちの中では毒打点を扱えるのが特徴で、この構築で重いマスカーニャニンフィア、オーロンゲなどに弱点を付けるのが非常に強かった。水や格闘にもそこそこの打点を持てる。従っていかりのこなをチラつかせながら「ヘドロばくだん」でガンガン殴っていくという運用が特に強かった。モロバレルとはSの差で十分差別化できている。テラスタイプも毒技の威力を上げられる「どく」とした。これによって勝てた試合もある。特性「りんぷん」も地味に強力で、特にねこだましで怯まずに行動できるのが偉い。そしてこのポケモンの豊富な補助技の中から「かなしばり」に着目した。相手の行動依存だがどんな技でも封じられるというのは強力で、ヘイラッシャの「ウェーブタックル」やコノヨザルの「ふんどのこぶし」など、メインウェポンを封じて後投げを可能にしたり、ふいうちを読んで透かした後そのまま封じたり、こだわり持ちを無力化したりと使い方は様々で、ポテンシャルを感じる技だった。本当にモルフォンにしかできない動き”がたくさんできて、使っていて楽しいポケモンだった。サーフゴーのゴールドラッシュに為す術がないのが最大の弱点。

ようき 208(196)-151(4)-122(52)-×-106(4)-169(252)
 エース。「すなあらし」+テラスタイプ「いわ」によって得た最強の耐久と最凶の特性から「つるぎのまい」を積み、最速の素早さから二種の一致全体技で敵を薙ぎ倒す、暴君。調整は最速にした後、いわタイプ砂下で最もHBD/(B+D)が大きくなるようにした。ガブリアスは耐久に優れているので、積んだ後もひたすら盤面に残り続けることができて積み技と非常に相性が良い。持ち物は場持ちをさらに引き延ばす「オボンのみ」とした。いわ+じめんの範囲は前作の最強格のトリルエースであるドサイドンと同じであり、非常に広い。また何と言ってもこの素早さから放たれる「いわなだれ」の怯み効果が凶悪で、「すながくれ」と合わせた運勝ちで非常に多くの試合を拾ってきた。「みがわり」は様子見しながらアドバンテージも取れる可能性がある強力な技で、うまく残せれば試合を決定づける要因となる。ガブリアスの素早さからならローリスクで撃てることも多く、「ふいうち」対策になるのも強力。難点はこちらの構築に地面が一貫しすぎて、「じしん」を撃ちづらいことと、ワイドガードに無力であること。前者はヤミカラスやキョジオーンの「くさ」テラスタルワイドガード、まもるを使ったりして、後者はワイドガードの間にみがわりの隙を使うなどで何とかしていた。

いじっぱり 205(236)-188(132)-131(4)-×-121(4)-98(132)
 天候要員。高種族値で耐性も優秀。火力も技範囲も十分なので、「おいかぜ」や「ワイドガード」によるサポートで自身がエースとなることも可能である。調整はおいかぜ下で最速ファイアロー抜き、Aを11n+1、残りを耐久とした。強く出られる相手には滅法強いのが特長で、そちらをほぼ無視しながら殴っていけるのが強み。また「すなおこし」のスリップダメージが地味ながら非常に強力で、特にダブルバトルだと相手の2体に砂ダメージが入るのでダメージレースをしっかりと後押ししてくれる。サザンドラのあく→はがねテラスタルに一貫する技及び重いドドゲザンに対する打点として、サブウェポンに「けたぐり」を採用した。難点はやはり弱点が多すぎること。持ち物を「じゃくてんほけん」にすることで弱点を突かれるだけで負けるという試合は減らすようにしている。またテラスタイプを「いわ」にすることで、すなあらしの恩恵を継続しつつ、格闘技で即死することなく弱点保険を発動することができる。

ひかえめ 163(4)-×-115-203(252)-111-136(252)
 サブエース。タイプと技と特性がイカれている。種族値もサンダーに近いらしい。C特化「いのちのたま」「はがね」テラスタルゴールドラッシュで無振りサザンドラが高乱数1発(ダブルダメージ)。わるだくみを積めば同じ耐久ラインで半減のポケモンが一撃ということになる。とにかくこの超火力全体攻撃がシンプルにして強力だった。またこの構築で唯一はがね耐性やドラゴン耐性を持つポケモンだったので、繰り出し要員としても重宝した。ビルドアップを積んだコノヨザルに対して抗える貴重なポケモンなので、上を取るためになるべくSを上げた。ドドゲザンに無力なのと火力以外は中途半端なのが弱点。

のんき 207(252)-120-177(84)-×-132(172)-36
 クッション。異次元の耐久をしている。具体的にはルガルガンインファイトを2耐えし、サザンドラりゅうせいぐんも半分ほどしか入らない。ここから「すなおこし」で特殊耐久をさらに上げることができる。特性「きよめのしお」が本当に優秀で、モロバレルに有利を取れる他、サーフゴーの前で「ワイドガード」をしてしまえばサーフゴーからの打点が無くなる。この異常耐久を持ちながら「しおづけ」によって自身もダメージレースに参加するのが脅威であり、片っ端から相手を塩漬けにして「ワイドガード」や「まもる」、「じこさいせい」で時間を稼ぎ、砂ダメと合わせて相手を削っていく『シオシオコントロール』は本構築の主要な勝ち筋の一つである。「くさ」テラスタルは有利不利を逆転させる一手であり、構築が炎や飛行を誘いづらいことから、このポケモンがテラスタルするだけで突破が不可能になってしまう相手も多かった。素のいわタイプはメジャーな弱点が多いことと、「ちょうはつ」に弱いのが弱点。

わんぱく 167(252)-105-103(252)-×-63(4)-111
 サポート。様々な役割をこなせる。「いたずらごころ」による「おいかぜ」と「くろいきり」が優秀なのは言うまでもなく、相手の「しれいとう」や「おいかぜ」へのカウンターとなる。このサポート性能を有しながら自身も一致「イカサマ」で殴りに参加できるのがとても優秀。ファイアローやタイカイデンと違って火力に努力値を割く必要が無いので、十分な耐久を確保できる。このこととあく・ひこうの耐性によって、相手のマスカーニャや、ガブリアスの「じしん」に対する貴重な引き先となっていた。受け出したい相手はマスカーニャやヘイラッシャ、ガブリアスなど物理に偏っているのでHB特化とした。テラスタイプは「はがね」で、苦手な相手にどうしても行動権が必要となる場合に使った。余った技スペースは主に「ちょうはつ」で使っていたが、終盤は「ふいうち」で使っていた。本当に一長一短という感じで、他にも強そうな技はたくさんある。イカサマ」が通らない相手に対しては「おいかぜ」ができるだけの弱いポケモンとなってしまうことには注意する必要がある。

【選出・立ち回り】

 個々のパワーが高いので選出には柔軟性があるが、困ったら初手モルフォン+ガブリアス、裏バンギラス+ヤミカラスが多かった。ガブリアスで制圧する選出で、運勝ちも狙える。サーフゴーや追い風要員が見えた場合は、初手バンギラス+キョジオーンとして、相手の一匹を腐らせてバンギラスで殴っていくか、シオシオコントロールするかというプランを取った。コノヨザルに対しては、モルフォンを初手に投げると「いかりのこな」で「いのちがけ」を吸える。イッカネズミと並んでいるなど、「ビルドアップ」型が見えるときはサーフゴーでわるだくみを積んで圧力をかけていくことが多かった。またヘイラッシャ+シャリタツに対しては、ヤミカラスは確定選出である。「くろいきり」前にヤミカラスが倒れてしまっては元も子もないので、ヤミカラスは後ろから投げる場合が多い。

【おわりに】

 適当に組み始めたのにモルフォンが綺麗にハマって良かった。実は並び自体は組み始めからほぼ変わっておらず、構築力も上がってきたのかもしれない。