駄目人間草子

主にポケモン、ライバルズなど

【ポケモンSVシングル】 S15使用構築 最終566位 レート2002.408 海月毒展開

【はじめに】

ガチクラゲはどちらだ?

【構築経緯】

ドククラゲを使いたい。しかしこのポケモンはお世辞にも性能の高い何かがあるわけではないように見える。一方で多くの偉い要素があるようには見えた。具体的には個別解説で述べるが、それらを考慮すると、毒撒きによる展開役としての役割が適任だと考えた。
展開役は、展開を作ることが仕事なので、特定のポケモンに勝つとか負けるとか、そういうことは強さに関係ない。そんな役割理論的な考えに固執すると、ポケモンの活躍の機会を見過ごすことになるだろう。ドククラゲを何かに勝たせようとするとおそらく上手くいかないが、毒展開を作るだけなら十分な強さを持っていた。
ドヒドイデと同じタイプであることに着目し、ドヒドイデ+ディンルーという並びを展開に寄せた構築として、以下のようなものを考えた。昆布構築である。

この構築を使っているうちに一つの重大な事実に気付いた。それはステルスロックやまきびしと強制交代はコンボでも、どくびしと強制交代は非コンボである”ということである。
ステルスロックとまきびしは、相手が交代するたびにダメージが入るが、どくびしはそうではなく、相手が交代するとどく状態になるというだけだ。そしてこのどくダメージは、ターン終了時に発生するもので、交代していたかどうかに関わらない。つまりどくびしは、相手の交代回数に関わらず、一定のバリューを出す撒き技なのだ。ねばねばネットもこれに該当すると言える。ドヒドイデ+ディンルーは、ドヒドイデの「どくびし」とディンルーの「ふきとばし」の相性が良いから強いのではなく、別の様々な要因があるのだろう。するとドククラゲとディンルーを組ませる意味はあまりないようだ。大体、この構築を使っていたとき、ディンルーは独りでポケモンバトルをしていた。彼はソリストなのだ。
ではどくびしと真に相性が良いのは何だろうか。それはドビー(今日をドブに捨てる者)である。ドビーは、相手の攻撃に回復技を連打するなどして、サイクル状態を進めず、徒に時を過ごす。これだけで勝つことはTODを除いて叶わないが、相手をどく状態にした後という条件を加えれば可能となる。どくびしはたった一手で複数体のポケモンをどく状態にできるため、どくびしとドビーは相性が良いと言える。
これを踏まえて、新たに構築を組もう。まずはドククラゲと相性の良いドビーとして、ブラッキーを採用した。このポケモンドククラゲとの相性補完に優れており、「ねがいごと」+「まもる」で32ターンもの時を止めることができる生粋のドビーである。ドククラゲがみずタイプである以上、以降採用しづらくなるであろうみずタイプに代わって、パオジアンの対策ができるのも魅力である。
毒展開で困るのは当然、どく状態にならないどくタイプやはがねタイプである。これらに打点の持てるじめんタイプで、いかとんで「ステルスロック」を撒けるなどサイクル性能が高い霊獣ランドロスを採用した。
どくびしと「アンコール」カイリューは相性が良いことを知っていたため、採用。かんちゃろーに「じゃくてんほけん」が強いと教えてもらったので試したところ、実際に強かった。
カイリューとの相性補完や選出画面での圧力を考慮し、サーフゴーを採用。いくつか型を試したがHBの「でんじは」「たたりめ」型が毒とも相性が良く強いことに気付いた。
受け崩しとして、前構築でも採用していたトドロクツキを採用。「ステルスロック」や「どくびし」を合わせることで受けの対策となる。(後述)
以上で構築が完成した。

【個別解説】

[調整意図]

HSぶっぱ。

[解説]

毒撒き。それ自体を戦略にできる強力な撒き技「どくびし」に加え、「どくどく」も覚えるため、毒展開の始動ができる。
そこそこのすばやさと耐久を両立しており、みず・どくという優秀なタイプにより、水ウーラオスにテンポを取られない点が偉かった。「すいりゅうれんだ」が半減であることから、「きあいのタスキ」により確実な展開が期待できる。
残りの技は、荒らし性能をさらに上げる今作最強技の「はたきおとす」と、特殊アタッカーを潰せる「ミラーコート」とした。「ミラーコート」は初手の特殊アタッカーを「どくびし」より優先して処理したいときに使用したほか、奇跡的にドククラゲを裏に残せた際に、どうしようもなくなった「わるだくみ」サーフゴーや「めいそう」ラティオスなどを処理するのにも使えた。
ちなみにこの技構成を実現できるのはドーブルを除くとドククラゲとリククラゲのみであり、リククラゲはとんでもない特性を持つエンジョイクラなので、このポケモンガチクラゲであることは疑うべくもない。
「ヘドロえき」によってオーガポンの「ウッドホーン」やウーラオスの「ドレインパンチ」などによる”回復しながらの突破”を許さない。オーガポンやチオンジェンの「やどりぎのタネ」にも抵抗できる。
テラスタイプのフェアリーは一度だけ残りHP僅かのカイリューの「スケイルショット」を透かして「はたきおとす」で屠るために使用した。「ミラーコート」を考えた逆テラスなども一考。

[調整意図]

HB...特化。
S...無振りハッサム抜き。

[解説]

マジドビー。凡ドビーは8ターンしか時を止めることができないが、このポケモンは32ターン止めることができる。
本構築は毒を軸にしているため、「あくび」ではなく「どくどく」を採用し、ブラッキーでも毒を撒けるようにした。
「ねがいごと」+「まもる」は通常の回復技と比較して、PPの多さに加え、相手を突破するターンの終了時に回復することで、裏に対してもHPを残しやすい点が魅力であった。また「まもる」を自然に採用できることで、「たべのこし」による耐久値の底上げ、こだわりロック、「ブラッドムーン」透かしなどができ、立ち回りが安定した。反面ウーラオスに弱いが、ウーラオスには基本的にサーフゴーで勝てるし、「パンチグローブ」ならば「まもる」を貫通されない。
テラスタイプはウーラオスやパオジアン、カイリューを意識したフェアリー。切った後もサイクルが回しやすく、「こだわりハチマキ」カイリューの「げきりん」に切り返す動きが強力だった。
パオジアン対策にこのポケモンをチョイスしたことが、今期勝てた要因である気がした。「せいしんりょく」によって「つららおとし」怯みによる運負けを拒否しながら、外しによる運勝ちを狙えるのが大きい。また、パオジアン対策にみずタイプを採用すると、でんき「テラバースト」で瓦解しかねないが、ブラッキーはそのような問題がない。今期は特にでんきパオジアンが多かった印象である。「ぜったいれいど」も絶望的に回数を稼がれるほどではない。

[調整意図]

きのどくさんの調整を参照。

[解説]

じめん枠。どくやはがねにプレッシャーをかける。
ステルスロック」や「いかく」、「とんぼがえり」などの要素が欲しく、じめんタイプの中でもこのポケモンを採用した。テラスタル無しでもハバタクカミに比較的強く、「アンコール」「はねやすめ」系のカイリューに対してこちらのカイリューとのサイクルで対応できるのも偉かった。この際に「がんせきふうじ」によってこちらのカイリューで上から「アンコール」しにいくことができる。
また受け系統のパーティの崩しに「ステルスロック」が強く、グライオンに対して後攻「とんぼがえり」からトドロクツキを安着できるのが強力だった。
テラスタイプはハバタクカミやパオジアン意識、カイリューとの補完に優れるはがね。

[調整意図]

A…特化。
H…奇数最大。
余り...B

[解説]

凡ドビー。どくびしを組み合わせることで本来勝つことが難しいガチグマや「あまえる」「いたみわけ」ハバタクカミにまで勝てるようになる。
「アンコール」「はねやすめ」カイリューの中でも今回はノーマルテラスタルしんそく」「じしん」カイリューを採用した。毒ダメージで「しんそく」圏内まで削るという動きが成立しやすいほか、「じしん」でこのポケモンでもランドロスのようにどくやはがねに対して圧力をかけることができる。
じゃくてんほけん」により、ウーラオスのこおり技やハバタクカミの「ムーンフォース」を相手から見えない勝ち筋とすることができる。特にハバタクカミに対して不利展開から捲ることができるのが大きかった。ハバタクカミ入りに対して、ドククラゲブラッキーカイリューという選出が成立する(ランドロスを強要されない)など、選出の自由度も上がった。
単体性能が高く中盤まではよく選出していたポケモンだが、この構築の真に強い選出に気付いてからは出すことが減った。

[調整意図]

S...無振りブリジュラス抜き。
余り...HB

[解説]

最強だった。このポケモンの強さに気付いてから勝率が跳ね上がった。
サーフゴー自体は選出圧力が高く、絶対に構築から抜きたくはないポケモンだと元々考えてはいたが、強い型を見つけるのに苦労した。そしてこのHB「ゴツゴツメット」「でんじは」「たたりめ」が最も強いことに気付いたのは、ドククラゲブラッキー+サーフゴーという選出の強さに気付いたのがきっかけである。
物理受け2枚と一見パワーのない選出(林サイクル)に見えるが、毒の存在によりこのサーフゴーが「たたりめ」により継続的な火力を出すことができるため、サイクルの攻略が可能である。物理はブラッキー+サーフゴーでほとんど見ることができるし、特殊はドククラゲで「ミラーコート」で処理するか、毒を入れてドビー(ブラッキーもサーフゴーもDも低くないため十分可能)で対応できる。ブラッキーの「まもる」によるこだわりロックや「イカサマ」による積みの拒否、「ねがいごと」置きによる様子見、「おうごんのからだ」による補助技拒否などによって、この2匹で非常に安定したサイクルを回すことができる。毒が林を山にした。※わるだくみ系のサーフゴーが重いが、これに対してはどう選出しても無理なため割り切った。
テラスタイプはウーラオスやパオジアン意識、弱点も少ないみずとした。

[調整意図]

S...最速グライオン抜き。
余り...HB

[解説]

受け破壊枠。ほぼ全てのキョジオーン、ママングライ、受けループを破壊した。
上からの「ちょうはつ」によって回復技を撃たせないことにより、これらを崩すことができる。「はたきおとす」によって相手の「たべのこし」や「あつぞこブーツ」をなくすことができるため、ランドロスの「ステルスロック」と併せることで無限のサイクルを許さない。耐久が高く「おんみつマント」を持っているため、低火力の受けポケモンからの負担がないに等しい。「はねやすめ」で受けきることができる。グライオンは「ちょうはつ」を入れられても回復することが可能だが、ひこうテラスタルによってトドロクツキに対し0点となるため、結局交代を強いることができ、裏から壊れる。ひこうテラスタルはヘイラッシャの「じわれ」やドヒドイデの「どくびし」の対策でもある。
今期のキョジオーンは「のろい」型が多く、「ボディプレス」型がほぼ居なかったこと及び、キョジオーン対策でありながらキョジオーン対策(サーフゴー)対策であるイーユイに滅法強く、汎用性も普通程度にあるため選出択にならないことから、対キョジオーンは安定した。
「はたきおとす」「はねやすめ」「ちょうはつ」で役割は完結しているため、残り1つの技は自由だが、今回は「りゅうのまい」とした。シンプルに汎用性が上がり、崩しも速くなる。途中まで使用していた「ドラゴンテール」も強いシーンはあった。

【選出・立ち回り】

基本選出は先述のとおりドククラゲブラッキー+サーフゴーだが相手による。個別解説を参照。

【おわりに】

展開要素は組み合わさっているとはいえ、久しぶりに対話するサイクル構築を使いました。サイクルの腕がまだ衰えていなくてよかったです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVダブル】 S15使用構築 最終206位 レート1909.925 トルネカミユイランド超速アグロ

【はじめに】

同じポケモン

【構築経緯】

ウツボットを使いたい。おそらく「ようりょくそ」を活かして晴れパで使うしかないが、細かい型は後で考えよう。
そうなると当然天候始動役を採用する必要があるが、ウツボットラフレシアのように「おさきにどうぞ」を覚えたりしないためコータスとの親和性が低い。そこでキュウコン軸の晴れパを使ったが、キュウコンはカスだったため、化身トルネロスの「にほんばれ」軸の晴れパを使うことにした。
「ひでり」と違い、「にほんばれ」はトルネロスの一手を消費する必要があることを考えると、晴れへの依存度が低く、且つ晴れとコンボするような構築(サブプランとしての「にほんばれ」)を使いたいと考えた。ハバタクカミイーユイは、正にそのような構築の一つだ。トルネロス自身も強力な特殊アタッカーであるため、「わざわいのたま」の恩恵を受けることができる。
ハバタクカミ+イーユイはフェアリー+ほのおをメインの打点とするため、ほのおタイプやどくタイプに弱い。これらに打点を持てるじめんタイプのアタッカーとして、化身ランドロスを採用した。このポケモンも特殊アタッカーであり、「わざわいのたま」とコンボする。
このトルネロス+ハバタクカミ+イーユイ+ランドロスを構築の軸とする。この4体で重い先制技軸とトリックルーム軸の対策として、「テイルアーマー」「トリックルーム」「ふういん」リキキリンを採用。
ここでウツボットが「クリアスモッグ」を習得することに気付いたため、「しれいとう」対策を押し付けることにした。「ようりょくそ」持ちの中で唯一の「クリアスモッグ」使いであり、十分な採用理由になる。

【構築コンセプト】

・高火力・全体技を軸にすることによって「まもる」択を拒否し、残数有利を取りやすく、残数不利を捲りやすい構築。
・タイプの異なる特殊アタッカーでの統一。技範囲と「わざわいのたま」によりタイプ受けも数値受けも不可能にする。
・素早さの高いポケモンでの統一。「おいかぜ」と併せた上からの制圧。「おいかぜ」への依存度を下げてトルネロスに柔軟な技選択をさせる。
・テラスタル依存度の低いポケモンでの統一。柔軟なテラスタルによる行動回数稼ぎ。

【個別解説】

[調整意図]

最速CSぶっぱ。

[解説]

対寿司決戦兵器。ヘイラッシャ+シャリタツが見えたときに選出していた。あとディンルー絡みに出してみたりもした。
先発のトルネロスで予め「にほんばれ」や「おいかぜ」を展開しておき、ヘイラッシャが合体するタイミングでウツボットを降臨、上からの「クリアスモッグ」で沈黙させる。どくタイプなのでどくびしも回収できる。
種族値が悲惨で耐久調整のしようがなかったので行動保証の「きあいのタスキ」を持たせた。
「アシッドボム」で味方のサポートをすることを考えて最速。素でこちらのトルネロス、晴れ下でこちらのイーユイまで抜ける。ハバタクカミは抜けない(ラフレスとカミ)。
エナジーボール」はヘイラッシャ+シャリタツへの遂行技として採用した。
「ねむりごな」は強いので採用したが全然当てなかった。「ちからをすいとる」や「アンコール」も一考。
テラスタイプは本当に適当にゴーストにしたが、「いっちょうあがり」や「りゅうせいぐん」を透かせるフェアリーや、「じしん」を透かせるひこうなども一考。

[調整意図]

HB...A特化「しんぴのしずく」ウーラオスの「すいりゅうれんだ」確定耐え程度。
余り...C

[解説]

ひこうアタッカー。意味不明の技「こがらしあらし」を振りまくる。
自慢のHC調整で、最低限の耐久を確保しつつ、火力を極限にまで高めている。これにより、相手の想定外の火力を押し付けることが可能になりトルネロス生存のバリューを上げることができるほか、「きあいのタスキ」を持たずに行動保証を得ることができている。
「おんみつマント」は「ねこだまし」対策のほか、「つららおとし」や「いわなだれ」などの確立怯みに対して安定感を上げたり、「こごえるかぜ」や「バークアウト」などのデバフ対策にもなるのが強力で、今回の構築は特にデバフが重いので、軸のポケモンにこの持ち物はぜひ採用したいところである。トルネロスは特に「おいかぜ」及び「にほんばれ」によるゲームメイカーであるため、「ねこだまし」対策の重要性が高く、「おんみつマント」を持たせた。
技は「こがらしあらし」、「おいかぜ」、「にほんばれ」は確定として、「こごえるかぜ」を採用した。「おいかぜ」以外でのS操作で、ミラーでのSマウントの取り合いや、「おいかぜ」ターンずらし、ランドロスカイリューなどのこおり弱点ポケモンへの打点として使える。
テラスタイプははがねとした。パオジアン、カイリュートルネロス、ハバタクカミ、キラフロルなどに耐性を持ち行動回数を稼げる。
確かに「こがらしあらし」は最強のひこう技ではあったのだが、今回の構築はこの技を軸の一部にしてしまったことで、この技の命中に試合の勝敗が大きく左右されてしまった。ランクバトルなので上振れるまでやれば良いと考えながらやっていたが、プレイは合っているのに負けることが多いのが非常に精神に悪かったため、軸の選択を間違えたのかもしれない。

[調整意図]

S...最速トルネロス>最速オーガポン抜き。
HB...A特化パオジアンの「つららおとし」確定耐え。A特化ウーラオスの「すいりゅうれんだ」ほぼ耐え。
余り...C

[解説]

フェアリーアタッカー。フェアリーテラスタル「こだわりメガネ」「マジカルシャイン」で殲滅する。
「にほんばれ」で「こだいかっせい」が発動できること及び、イーユイが「こだわりスカーフ」でありもともと速いためSブースト「こごえるかぜ」によるS操作が不要であると判断したことから、「ブーストエナジー」ではなく火力重視の「こだわりメガネ」を持たせた。「こだわりメガネ」でも行動保証が得られるようにかなり物理耐久を伸ばしている。当初は「アシッドボム」との兼ね合いを意識して晴れ下でウツボット抜かれのS178で使っていたが、オーガポンとの同速に負けてからすぐに調整を変更した。
技構成やテラスタイプはあまり語るところがない。「10まんボルト」はアーマーガアやトルネロス、みずテラスタルオーガポンを意識しての採用だが、いっそ「まもる」などの補助技でも良いかもしれない。
マジカルシャイン」を撃っていればある程度の強さは担保されるポケモンではあるが、「ムーンフォース」や「シャドーボール」を撃つべきタイミングを見極めることがプレイングの一つであると感じた。

[調整意図]

CSぶっぱ。

[解説]

ほのおアタッカー。晴れ「わざわいのたま」+「ねっぷう」で焼き尽くす。どう見てもキュウコンの上位互換である。
こだわりスカーフ」を持たせることで、世界最速に近い素早さを得ている。この速さが行動保証でありプランニングがしやすく、相手のプランを崩壊させるのにも役立った。
技構成はメインウェポンの「ねっぷう」と「あくのはどう」は確定として、まずミラーなどで強いデバフ兼削り技の「バークアウト」を採用した。「こだわりスカーフ」であることで上から「バークアウト」を撃つことができ、タイプ一致なので火力が高くダメージレースに勝ちやすい。
そして対水オーガポンに強くなり、命中安定全体ほのお技でもある「しっとのほのお」を採用した。水オーガポンに対して、トルネロス「にほんばれ」+イーユイ「しっとのほのお」とすることで、「ツタこんぼう」の火力を下げながら、テラスタルを切らなければ大ダメージ、テラスタルを切ってきた場合でも火傷させて大幅に弱体化することができる。ちなみにみずテラスタルオーガポンはこの状態でも普通にやばい。👹
テラスタイプは「ねこだまし」、「しんそく」、格闘技対策のゴースト。弱点が少なく行動保証になりやすい。

[調整意図]

最速CSぶっぱ。

[解説]

じめんアタッカー。「いのちのたま」「ちからずく」「だいちのちから」で吹き飛ばす。
火力も素早さも妥協したくなかったため、おくびょうCSとした。種族値が高く耐久は低くないため、これでもある程度の行動保証はある。
技構成はメインウェポンの「だいちのちから」と「ヘドロばくだん」及び、「まもる」は確定として、サブウェポンに「いわなだれ」を採用した。全体攻撃があると構築と噛み合うとは思っていたが、「こがらしあらし」を散々外している中「ねっさのあらし」は使いたくなかったので、「いわなだれ」にしてみた。合計種族値600を余すことなく活かすことができ、じめんとの補完が取れた、無効化されない全体攻撃なのでそこそこ優秀だった。
テラスタイプは「ヘドロばくだん」の火力を上げられ、耐性も優秀などくとした。

[調整意図]

S...追い風下で最速ウーラオス抜き。
C...「サイコキネシス」で水ウーラオスを確1。※旧技構成の名残。
HB...+1オーガポンのテラスタル「ツタこんぼう」を確定耐え。
余り...D

[解説]

先制技・トリル対策。これらの要素が見えたときに選出することがあった。
今回の構築はトリックルームがやばすぎるので、「トリックルーム」「ふういん」によってトリックルームに対するほぼ確実な対策ができるようにした。「ハイパーボイス」を採用することでリキキリンやガチグマの攻撃も封じることができるようにした。自身の攻撃技としても優秀。
サポート技の「てだすけ」は味方の全体攻撃と相性が良く、2体を一撃で倒せるほどの火力を出すこともできる。
物理アタッカー意識で「ゴツゴツメット」のHBベースとした。物理に対する削りがこの構築の速さと噛み合っている。ウーラオスの「すいりゅうれんだ」に後投げするのも強力な動きだった。
テラスタイプはパオジアン、ゴリランダー、ハバタクカミ、イーユイなどに強くなるほのおとした。

【選出・立ち回り】

トルネロス+ハバタクカミ+イーユイ+ランドロスを基本選出として、相手のテラスタルまで考慮し最終的に誰が通るかを吟味し先発と後発を決める。例えばゴリランダーにほのおテラスタルを切らせてランドロスを一貫させたい→ランドロスは後発、など。正直難しすぎて体系化できていない。プレイ面もテラスタルが柔軟である分難しく、具体的なところまで述べるのは難しい。そもそもこの環境は相手の構築が多様すぎて、テンプレの構築に選出・立ち回りのテンプレを用意するという考え自体が無理な気がしている。つまるところ圧倒的アドリブ力でプレイしていたため、書けることがない。
ヘイラッシャ+シャリタツを見たらウツボット確定。リキキリンは刺さっていたら出しても良い。

【おわりに】

構築のコンセプトは強いという確信があったのに、トルネロスの機嫌で勝敗が決まってしまう構築になってしまったのが残念でした。使ったうえでトルネロスが嫌いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVシングル】S14使用構築 最終522位 レート2004.683 エレキレイ完全バトン

【はじめに】

ネッコアラ!(キレイハナの鳴き声)

【構築経緯】

キレイハナを使いたい。キレイハナと言えば、「ちょうのまい」と「バトンタッチ」を習得し、耐久もそこそこ高いため、”蝶舞バトン”に適性があると言えよう。
ここで私はあるポケモンに思いを馳せた。クエスパトラだ。かのポケモンは「めいそう」+「かそく」による事実上の「ちょうのまい」と「バトンタッチ」を習得し、「元祖おかしい」としてレギュレーションBまでは確かに一時代を築いていた。レギュレーションC以降のクエスパトラの衰退の原因は間違いもなく、ディンルーの台頭だろう。「バトンタッチ」も「ふきとばし」の前にはなす術がない。
ディンルーはやや減ったとはいえ、決して少ないわけではない。「ほえる」や「ドラゴンテール」を使うブリジュラスなどのポケモンも増えた。では現在蝶舞バトン構築を使うのは無理なのだろうか。
ここで私はキレイハナがこの問題を解決できることに気付いた。「ねをはる」である。ねをはる状態になったポケモンは一切の強制交代効果を受け付けない。現在「ねをはる」と「バトンタッチ」を両立できるのはドーブルを除くとキレイハナのみであり、”ねをはるバトン”はバトン先ではなくバトン役で強制交代の対策ができることを意味する。「ねをはる」は十分な採用理由になると考えた。
次に、キレイハナの蝶舞バトンは壁張りでサポートをするのが適当だと考えた。蝶舞を何回か積んだ後にバトンしたいため、壁ターンは多く残したい。両壁を張った後、「だいばくはつ」で即刻退場ができるレジエレキを採用した。
バトン先として、テツノツツミ、ポリゴン2、ブリジュラス、ランクルスカイリューを試した結果、ブリジュラスが特に強いと感じたので最終的に採用した。蝶舞バトンによってCDS、「じきゅうりょく」及び「てっぺき」でBを上げることができるブリジュラスは正に完全存在となる。
相手との「めいそう」や「りゅうのまい」の積み合いになると面倒なことこの上ない。積み合いを拒否できるバトン先として、「てんねん」のラウドボーンを採用した。
今回の蝶舞バトンはおよその相手に通ると見ていたが、「くろいきり」だけはキレイハナでもバトン先でも対策不可能なため絶対に無理である。「くろいきり」を使うポケモンは環境だとドヒドイデだけなので、ドヒドイデを裏ごと破壊できるポケモンとして「ちょうはつ」持ちのガチグマ(アカツキを採用した。
サイコファングメタグロスなど、壁を張っても意味がない相手に対する起点作りとして「でんきだま」「なげつける」「おにび」ミミッキュを採用した。ガチグマと併せて「トリックルーム」を匂わせる意味もある。
メタグロスは世界に存在しなかったため、ミミッキュはカスだった。そこで別のポケモンを採用することにした。エレキレイ選出が失敗するとき、原因はほぼ間違いなくレジエレキではなくキレイハナにあるため、起点作成を変えたところでどうしようもない。裏選出を強化する方向で考えることにした。ドヒドイデ入りには初手ガチグマから入ることになるが、ドヒドイデの裏に対面駒がいる場合は普通にある。相手が初手にドヒドイデではなく対面駒を選出してきたとき、ハバタクカミの「こだわりメガネ」「ムーンフォース」及び、ウーラオスの「インファイト」に対するクッションが欲しい。その役目を負うことのできるキチキギスを採用した。
ガチグマ及びキチキギスはバトン先となることも構築段階で想定はした(が、実際にこれらをバトン先にしたのはガチグマが1回のみである)。
以上で構築が完成した。

【個別解説】

[調整意図]

S...4振りラグラージ抜き抜き、+2で最速ウーラオス抜き、+3で最速テツノツツミ抜き。
H…ぶっぱ。
余り...B

[解説]

ネッコアラ。「ちょうのまい」、「ねをはる」、「バトンタッチ」を駆使して”完全”を造り出す構築の軸であり、通称「歩く進化の秘法」と呼ばれたポケモン
調整は蝶舞で補えないBを重視してHBとしたが、「ちょうはつ」ハバタクカミで辛酸を嘗め続けていたのでHSにしようかな、などと思いつつ、なまじこれでも勝ててしまっていたので結局そのままにした。ウーラオスのみずテラス「すいりゅうれんだ」2発を「みがわり」が耐えるなど過剰な硬さを見せたりしたが、間違いなくHSの方が強いだろう。
初手のレジエレキがガチグマやラグラージカバルドンなどの「あくび」持ちのじめんタイプを誘うため、それらを起点にできる「みがわり」を採用した。「がんせきふうじ」など面倒な追加効果のある技の対策になったり、エースを安全に着地させることができたりと、副次的な利点もあった。
テラスタイプは相性補完に優れ、炎オーガポンを起点に出来るほのおとした。
「ようりょくそ」はほぼ死に特性だが、コータスにテラス「みがわり」をすると最高に良い感じになれる。
相手の裏を見て何舞するのが適当か、「ねをはる」を撃つかどうかをその都度考えていた。知識は要求されるポケモン

[調整意図]

H...ぶっぱ。
S...+3で+1最速カイリュー抜き。
余り...B。D偶数。

[解説]

ボォオーーーーン(ンワオ(テラスタル状態の断末魔))。素で高いBを持つため、蝶舞バトンで完全となることができる。「てんねん」によって自分だけが完全を手にする。
技構成はメインウェポンの「フレアソング」と回復技の「なまける」は確定として、一致技でありラティアスなどへの打点となる「シャドーボール」と物理に強くなる「おにび」を採用した。「おにび」は当初、対受けなどを想定して「アンコール」だったが、使用する中でそれよりもアタッカーのカイリュー咎めることができる「おにび」の方が欲しくなったためそうした。
テラスタイプは無難にフェアリーとしたが、サーフゴーやイダイトウに強くなり、「いたずらごころ」や「アシストパワー」の対策ができるあくも有りだったかもしれない。
このポケモンを投げると大体負けるし、ブリジュラスなら勝ってたと後悔することになるのであまり信用していなかった。だがそこそこ厄介な「りゅうのまいカイリューを安直に選出されることが減ったような気がするため、フェイスとしては役に立ったのかもしれない。

[調整意図]

S...最速スカーフイーユイ抜き。
D...ぶっぱ。
余り...損しない程度にHB振り分け。

[解説]

ウウィーフウィユロィ。高い素早さからの両壁、そして速やかな退場をこなせるポケモン
「ブーストエナジー」のハバタクカミとテツノツツミ以外の有象無象に抜かれたくないため、かなりSを伸ばしている。こいつら以外で抜かれたのは「こだわりスカーフラティアスだけであり、非常に安定して壁を張れた。
両壁と自主退場だけなら「ミストバースト」を覚えたサケブシッポでもいいように思われるかもしれないが、そうはいかない大きな理由がある。それは対「ちょうはつ」ハバタクカミである。もしハバタクカミに「ちょうはつ」されたとき、今目の前にいるハバタクカミこそが最大の難敵なのだ。キレイハナが上から2回「ちょうはつ」されて終了する。レジエレキはこれを「サンダーダイブ」でぶん殴ることができる。テラスタイプがでんきなのはそのためである。そのハバタクカミを突破しないことには、勝利が無いのだ。
「サンダーダイブ」はさらに、優れた突破力を持っている。目の前を「サンダーダイブ」で殴ろうとして、居座られたとき、火力の高さから相手を突破することができ、じめんタイプを後投げされたとき、レジエレキを突破することができる。後者の場合、キレイハナの前に起点にしやすいじめんタイプがいるという最高の盤面が出来上がるのだ。
このポケモンはダメージ・センサとしても活用できる。これは特に対ガチグマで役立つ。「ひかりのかべ」下でガチグマの技を一発耐えるので、そのダメージ量から逐一ガチグマのCを算出し、「あくび」の有無を推測することでキレイハナが「ちょうのまい」と「みがわり」のどちらから入るかを決定していた。

[調整意図]

H...ぶっぱ。
D…C特化「こだわりメガネ」ハバタクカミの「シャドーボール」2耐え。
S...遅いウーラオス意識。
余り…B

[解説]

ヒュイーヒヒョヒョヒョヒョヒョーン。裏選出におけるクッション。
構築に最後に入ってきたポケモンで記憶するところ2回しか選出していない。以前使ったことのあるキチキギスをほぼ流用した。
技構成は、ウーラオスやパオジアンに対する打点となるメインウェポンの「ムーンフォース」、回復技の「はねやすめ」、対面操作の「とんぼがえり」、崩しの起点を作れる「アシッドボム」とした。「アシッドボム」は自ら崩しに行けるだけではなく、ガチグマを通すのにも利用できた。
ハバタクカミなどの技の追加効果による運負けをなくせ、キョジオーン対策になる「おんみつマント」を持たせた。
テラスタイプはウーラオス意識のみずだが、切ったことはない。
「どくびし」を形式的に対策できるほか、ハバタクカミや悪ウーラオスを選出抑制できていた気がする。フェイスとして優秀だった。

[調整意図]

D...ぶっぱ。
H...16n+1
余り…B。CS偶数。

[解説]

ウウォーーーン。特殊火力、特殊耐久、素早さ、物理火力、物理防御、耐性、技範囲と文字通り”全て”を具え持つ完全なるポケモン
技構成はメインウェポンの「ラスターカノン」と、みずタイプに撃つ「10まんボルト」、詰めの選択肢を取れる「てっぺき」、「じきゅうりょく」と「てっぺき」を活かせる「ボディプレス」とした。「てっぺき」「ボディプレス」型ジバコイルと全く同じ技構成であり、技範囲は実に広い。
持ち物は突破不能性を高める「たべのこし」とし、テラスタイプは「あんこくきょうだ」や「インファイト」、「せいなるつるぎ」、「ドラゴンテール」などの対策となるフェアリーとした。
本当に強かった。全体的な数値が高い上にタイプも強力で、半減技に受け出して「じきゅうりょく」を発動させる動きが取れたり、毒無効、「ステルスロック」半減などの要素もバトンエースとして偉すぎた。

[調整意図]

C...特化。
H...50n+1
S...ハピナス意識。4振りラグラージ抜き。
余り...D

[解説]

クア゛ア゛ウ。ドヒドイデ破壊兵器。「ちょうはつ」で受けポケモンを機能停止させながらノーマルテラスタル「シルクのスカーフ」「ブラッドムーン」(誰も受からない)でサイクルを破壊する。「ハイパーボイス」でグライオンもきちんと破壊する。
このポケモンは基本選出に絡まないため、汎用性は削いでもよく、ハピナスグライオンに毒を入れられても削りきられないように「つきのひかり」を採用した。裏が無限サイクルパーツなので猛毒を入れられても何とかなる。
純正受けループを粉々にできて気持ち良かった。バトン先としてもやれなくはないのだろうが、ブリジュラスが強すぎた。

【選出・立ち回り】

[基本選出]

レジエレキ+キレイハナ+ブリジュラス
体感8割はこの選出だった。両壁を張り、退場し、適当な回数舞い、ときに根を張り、"完全"を降臨させる。キレイハナとブリジュラスの技選択にのみ思考を割けばよい。ポケモン入れ替えなんて使わへんからなぁ!

[基本選出亜種]

ブリジュラス→ラウドボーン
まあ、ブリジュラスの方がいいんじゃないかな。

ドヒドイデ

ガチグマ+ラウドボーンorキチキギスorブリジュラスから2体
ヌンプルに勝とう!

【おわりに】

最近は勝てる構築がいろいろ組めるようになってきたのでポケモンが楽しいです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVダブル】S14使用構築 最終329位 レート1900.238 晴れベストスタッフ

【はじめに】

ラフレシアを使いました。長かった…。

【SVダブル環境とラフレシア

ラフレシアを使いたい。ラフレシアを最も強く使えるのは、「ようりょくそ」を活かしダブルバトルで晴れパに組み込む使い方だろう。しかし「ようりょくそ」持ちには競合も多い。ラフレシアの独自性は何だろうか。「ようりょくそ」持ちポケモン達の要素を整理して表にしてみよう。と思ったが、面倒なのでやめた。
実はラフレシアのことは剣盾の頃からある程度使い込んでいたが、剣盾では終ぞ結果を出せなかった。ラフレシアの独自性は、どくタイプを持ち、一致どく打点の「ヘドロばくだん」と「おさきにどうぞ」を両立できる点である。しかしこの世の終わりみたいな素早さ種族値(50)のせいで、準速だと「ようりょくそ」が発動しても最速ハバタクカミを抜けないため、最速を強いられる。
しかし、ここで一つの事実に気付く。それは、ラフレシアがハバタクカミに追いつこうと「ようりょくそ」を発動させたとき、必ず相手のハバタクカミは「こだいかっせい」が発動しているため、Sブーストの場合一生追いつけないということである。これを「ラフレスとカミ」と言う。
SVにて、こんなバケモノが解禁されてしまったのだ。「ラフレスとカミ」及びそれを生み出した今作SVは、ラフレシアにとって絶望を示しているのだろうか。
結論から言うと、そんなことはない。今作の環境ははむしろ、ラフレシアにとって追い風と言えるだろう。競合の多い「ようりょくそ」持ちとしての弱点がある程度解消されたのだ。
まず、キョダイマックスフシギバナが消えたのは大きい。キョダイマックスフシギバナは強すぎた。この世の終わりのようなポケモンだった。「おさきにどうぞ」による差別化だけではあの暴力的な生物に敵うことはできなかったというのが事実だ。
そして、今作では「ようりょくそ」持ちとしては低いSが大きく問題にならなくなった。1つめの要因としてレジエレキが環境から姿を消したことが挙げられる。レジエレキはイカれたポケモンなので、「ようりょくそ」持ちだと最速フシギバナくらいの素早さがないと抜けなかったのだが、これを意識する必要がなくなった。2つめの要因は、「ラフレスとカミ」は他の「ようりょくそ」にも付き纏う問題であることだ。ドレディアを除く「ようりょくそ」は全て(フシギバナさえも)、「ラフレスとカミ」を解決できない。これらの理由から、ラフレシアの素早さ種族値は特別悪いものではなくなった。224(最速ラフレシア×2)から307(最速ハバタクカミ×1.5)までの間の数——例えば290(最速フシギバナ×2)は、224とそれほど意味が変わらないのだ。

【構築経緯】

ラフレシアを採用。ラフレシアについては先述の通り。
ラフレシアの「ようりょくそ」と「おさきにどうぞ」を活かせるコータスを採用。「ひでり」+「ようりょくそ]+「おさきにどうぞ」+「ふんか」は非常に強力なコンボであり、アタッカーのコータス自身が非常に遅いため「トリックルーム」での対策も許さない。
ハバタクカミを採用。このポケモンの強みは多すぎるため詳しくは個別解説にて述べるが、コータスを活かすために「トリックルーム」が欲しいことと、先の2匹で重いドラゴンタイプに対して打点が持てることが主な採用理由である。
コータスを使うにあたって、「あまごい」トルネロスは非常に厄介で、対策必須である。トルネロスを迅速に処理できるタケルライコを採用。
ここまでで重いほのおタイプのポケモンに打点を持てるウネルミナモを採用。みず・ドラゴンの範囲はここまでのポケモン達との攻めの補完に非常に優れている。
晴れとのシナジーを持てるほのおタイプの物理アタッカーでありながら、晴れパを使う上で当然重くなるガオガエンに対してテンポを取られないエンテイを採用。
以上で構築が完成した。

【構築コンセプト】

・"サポート枠"を採用せず、全てのポケモンが高い攻撃性能を持つことで、柔軟な攻めを実現する。(全てのポケモンを勝ち筋にする)
・高数値のポケモンに更に晴れとのシナジーを持たせ、圧倒的なパワーで捻じ伏せる。

【個別解説】

[調整意図]

S…最速。準速「こだわりスカーフ」ウーラオス抜き。
C…ぶっぱ。

[解説]

アタッカー1。「ヘドロばくだん」+「リーフストーム」の範囲で殴るほか、「おさきにどうぞ」で主にコータスのサポートをする。
くさ技は晴れ前提の「ソーラービーム」ではなく「リーフストーム」を採用した。構築コンセプト上、シーンを選ぶ攻撃技の採用を避けた。
残った技枠に最凶技の「ねむりごな」を採用した。催眠の押し付けはシンプルに強力で、モロバレルが減少したことで「ぼうじんゴーグル」持ちが減っていて刺さりがよかった。きつい相手への捲りの手段(特にテツノカシラ+イエッサン、ブリジュラス)としても重宝した。
ねこだまし」をよく誘うのでその対策として「おんみつマント」を持たせた。よく刺さった。また、ハバタクカミの「こごえるかぜ」によるS操作を無効にできる点も偉かった。
テラスタイプはテツノカシラ意識で「あく」とした。対テツノカシライエッサンは、コータス+ラフレシア と選出して、コータスが「まもる」、ラフレシアがあくテラスしながらイエッサンに「ねむりごな」を当てれば大体勝てる。外した場合はコータスをハバタクカミに引っ込めながら再度「ねむりごな」を撃つ。
絶妙な素早さによって抜いたり抜かれたり、「トリックルーム」と噛み合ったり噛み合わなかったり、都合が良かったり悪かったりした。

[調整意図]

S…最遅。
HCぶっぱ。

[解説]

アタッカー2。「ひでり」によって全ての味方を強化できるほか、自身も「ふんか」と「ねっぷう」という高威力の全体技で攻撃できる優秀なアタッカーである。
持ち物は火力アイテムが欲しいが、「まもる」を絡めた立ち回りをしたかったため、「こだわりメガネ」ではなく「もくたん」とした。火力はまあ絶妙に足りない。
サブウェポンにガオガエンなどのほのおタイプやタケルライコなどを意識して「だいちのちから」を採用した。この枠を「てだすけ」にすることも検討したが、やはりこの技のおかげで拾う試合もそれなりに多かったのでそのまま使用した。
テラスタイプは「ねこだまし」や「しんそく」を対策できるゴーストとした。
ハイリスクハイリターンの「ふんか」とローリスクローリターンの「ねっぷう」を適切に使い分けることが求められるポケモンだが、この2択に関しては自信がある。また「トリックルーム」の後に、高い耐久を活かした強引な後投げによる降臨でアドバンテージを取る動きも重要だった。

[調整意図]

D>C=S
余り...HB。

[解説]

アタッカー3。凄まじい一貫性の「ムーンフォース」があるにも関わらず、「トリックルーム」や「にほんばれ」によるサポートまでできてしまうこのゲームの神。
コータスを最大限活かすには「おさきにどうぞ」だけでは不足で、「トリックルーム」は欲しいところである。しかし一般的な「トリックルーム」使いは初手で「トリックルーム」を撃つことを半ば強制される。私はそれが大きな損だと感じ、”見えない”「トリックルーム」が最も強い使い方だと考えた。例えばトルネロスに「おいかぜ」を強制しそれに「トリックルーム」を合わせる展開なんかは最高だ。これこそ真のスイッチトリルにして、型判別不能な非「ブーストエナジー」のハバタクカミこそそれを実現するポケモンである。またこの型判別不能のハバタクカミの初手「まもる」は最強なので「まもる」を仕込んだ。
またフェアリー技の「ムーンフォース」が攻撃面の相性補完にも優れており、火力も十分である。ノーマル技、かくとう技、ドラゴン技の一貫が切れるのも非常に優秀で、「ねこだまし」無効や「しんそく」が一貫しないという事実を作り出せるという要素は重要だった。「にほんばれ」状態だとみずウーラオスからの打点が無くなる。
HBにほぼ特化し、Dブーストとすることで行動保証を確保した。晴れによって発動した相手の「こだいかっせい」によるCブーストを事実上相殺できる。テラスタイプは以前使用感のよかったはがねとした。エンテイなどのほのおタイプがきついのでほのおやみずも一考の余地がある。
持ち物は場持ちがよくなる「たべのこし」とした。「まもる」と相性が良く、高すぎる耐久で「トリックルーム」後も生き残り続け、「トリックルーム」が切れてから高すぎる素早さでスイープするという異次元のムーブが可能である。より即効性があり、みずウーラオスなどへの安定感が増す「オボンのみ」も一考。

[調整意図]

C…特化。
余り...H、損しない程度にD振り。

[解説]

アタッカー4。現環境で貴重なでんきタイプアタッカーで非常に数値が高く、高威力先制技の「じんらい」を持つため、低速ながら盤面に対する高い影響力を持てる優秀なポケモン
みずもひこうも半減で、「じんらい」でウーラオストルネロスも縛れることから、「あまごい」トルネロスが天敵である「ひでり」始動の晴れパにおいては優先的に採用したいポケモンであった。対トルネロスはとにかくトルネロスを迅速に処理することが肝要で、タケルライコは正にそれが可能である。
わざは無難な4つとした。「りゅうのはどう」では誰も倒せないので、ドラゴン技は「りゅうせいぐん」とした。今回のような攻撃的な構築は何よりも残数有利を取ることが最優先である。
持ち物及びテラスタイプはメインウェポンであるでんき技の火力を重視し、「じしゃく」とでんきテラスタルにした。「こだいかっせい」でさらに火力を上げることができ、Cブーストテラス「じんらい」は無振り水オーガポンを倒しうるほどの火力がある。
高くないSは「トリックルーム」との相性が良いが、「トリックルーム」への依存度が高いわけでもなく、柔軟な立ち回りが可能だった。じめんタイプにさえ気を付ければでんき技は割と通りがよく強力なはずなのだが、そのじめんタイプが多かったのでそれほど選出率が高くなかった。

[調整意図]

S...最速。最速テラキオン抜き。
C...ぶっぱ。
C=S

[解説]

アタッカー5。「にほんばれ」で弱体化するどころか強化される唯一のみずアタッカーであり、このポケモンの存在により今作の晴れパはほのおタイプによるタイプ受けが不可能である。
誤解されがちだがこのポケモンは晴れへの依存度が高いポケモンでは決してない。「晴れパ以外で採用する価値は低いこと」と「晴れという天候依存度が高い」ことは別である。「いのちのたま」を持たせれば、「りゅうせいぐん」で十分高い火力が出せる(D4テラキオンを50%で倒せる程度)ため、「ハイドロスチーム」に頼らずとも火力は出せるのだ。晴れ下で強いのは勿論のことで、その火力は凄まじく、「ハイドロスチーム」でイエッサン♀が吹っ飛んだりする。この圧倒的火力が魅力のポケモンなので、個人的には使うなら「いのちのたま」でCブースト以外ありえないと感じた。
テラスタイプを「はがね」とし、「テラバースト」を採用した。天敵のハバタクカミに抗えるほか、ガラルマタドガスエルフーンなどをワンパンできるなど地味ながら強かった。耐性面でも元の弱点を両方とも半減にでき、ゴリランダーの「グラススライダー」に強くなるなど優秀である。
先述のとおり火力が高いだけでなく、素早さや耐久もなかなか高いため非常にスペックの高いポケモンであり、選出機会は存外多かった。晴れパならまず採用したいポケモンだと感じる。

[調整意図]

ASぶっぱ。

[解説]

アタッカー6。「せいなるほのお」と「しんそく」という2種類の壊れ技を持ち、さらに「せいしんりょく」で「いかく」や「ねこだまし」で止まらない神の物理アタッカー。
「せいなるほのお」と「しんそく」、「とつげきチョッキ」による高耐久に加え、ノーマルテラスタルというオプションもあって「殴り合い性能」(「対面性能」という言葉はダブルバトルでは使わなそう)が高い。晴れによって「せいなるほのお」の火力をさらに上げることができ、弱点のみずを事実上打ち消すことで、水オーガポンなどとも殴り合えるようになったりする。
サブウェポンは主にほのおタイプの対策として「じだんだ」と「ストーンエッジ」を採用した。「ストーンエッジ」はトルネロスに「あまごい」をされたとしても打点を確保できる技でもある。「バークアウト」は攻撃的なこの構築との噛み合いが悪かった。
ほのお物理アタッカーでありながらガオガエンに怯まず攻めの展開を作れ、十分なスペックを持ち合わせているため非常に強力なポケモンであった。

【選出・立ち回り】

体感選出率はハバタクカミ>コータス>ウネルミナモ=エンテイ>タケルライコ>ラフレシア
初手はハバタクカミ+ウネルミナモorエンテイorタケルライコまたはラフレシアコータスが多かった。
前者が基本的な初手で、ハバタクカミで「トリックルーム」を展開後、コータスで暴れて「トリックルーム」が切れた後残りをスイープするという展開になることが多い。後者は相手に「おいかぜ」要員がいない場合やテツノカシラ+イエッサンの場合にする初手で、「ねむりごな」や「おさきにどうぞ」+「ふんか」で荒らして裏でスイープするという展開になることが多い。だが個々のスペックが高いので立ち回りはこれに限らない。圧倒的な力を押し付けるべし。

【おわりに】

今月は多分インフレシーズンでしたが期末試験があり、早めにレート1900を達成して終わりました。順位的にはちょっと見栄えが悪いですが記事を書きたくて仕方がなかったのです。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVシングル】S13使用構築 最終361位 レート2003.738 欺瞞ニョロボン太鼓バトン

【はじめに】

おはこんハロチャオ〜!今回はニョロボンを使いました。かなり完成度の高い構築にできたので、レギュレーションEは終わってしまうものの新たに構築を組む際の参考になるはずです。

【構築経緯】

対戦相手の脳を破壊する6匹の並び。君はこの構築の中身を看破できるだろうか。

ニョロボンを使いたい。ニョロボンの最強の運用法は何だろうか。「すいすい」アタッカーなんて全く面白くない。そんな運用法はきっと他の「すいすい」持ちどころか、スカーフウーラオスにすら劣りに劣るだろう。
そこでもう一つの特性である「ちょすい」に着目した。特定のタイプを無効化する特性がテラスタルと非常に相性が良いのは「ふゆう」などで既に証明済みで、水技無効は現環境トップメタのれんげきウーラオスの対策として非常に有力である。
そして、このポケモンの習得技の「はらだいこ」と「バトンタッチ」にも注目した。この2つの技を両立できるのは現状ニョロボンザングースだけだ。ニョロボンは存外高い耐久種族値により、「はらだいこ」からの後攻「バトンタッチ」でAが6段階上昇したエースを安全に降臨させるという動きに適性がある。しかも、ニョロボンはタイプ相性上確定急所で壁を貫通する「すいりゅうれんだ」や「あんこくきょうだ」に耐性があるので、壁との相性が良い。従って、「①初手で壁を張る②『はらだいこ』+後攻『バトンタッチ』③A+6のエースで全抜き」という動きを軸とすることにした。
しかし、周到な私はこうも考えた——この戦略は"バレたら終わり"だと。「はらだいこ」+「バトンタッチ」は、確かに決まれば強い。しかしそんなコンボを相手が易々と許すはずがない。対策としては例えば、ニョロボンは「はらだいこ」で失ったHPを取り戻すために「オボンのみ」を持つことが必須で、「メンタルハーブ」を持つ余裕などはないので上から「ちょうはつ」や「アンコール」をされるだけで簡単に終わる。上記の通り対策が割と簡単であるため、選出段階でこちらの動きを想定されると厳しいと考え、徹底的な偽装工作を施した。
まず雨パ偽装のために「あめふらし」を持つペリッパーを採用。この様子のおかしいポケモンニョロボンと併せて強固なおふざけ・雨・フェイス🤪を形成し、一応ポケモン徹底攻略のニョロボンのページを確認した対戦相手は「すいすい」の文字に飛びつくことは間違いない。これによりニョロボンがテラスタルを切ってもなお水技を誘うことができるほか、選出段階で水技の一貫を匂わせることで相手のプランを崩すことができる。以降の4匹の顔がこの2匹に比べてあまりに真面目なので、対戦相手はこう考えるのだ。
「こんな真面目なプレイヤー(レート1900帯)が雨偽装なんてしょうもないことのためにペリッパーなんて弱いポケモンを採用するはずがない。」
しかし残念ながら偽装なのだ。偽装のための採用でしかないので、型は後で考える。
次に壁張りとして「オーロラベール」を使えるアローラキュウコンを採用。先述のとおり壁張りを採用したいが、「いたずらごころ」のオーロンゲなど、明らかな壁要員がいると「はらだいこ」がバレてしまうと考えた。アローラキュウコンは単なる壁張りに留まらない性能を有し、展開構築とは離れたスタンダードな構築にも採用されうるポケモンであるため所謂「壁構築」であることを相手に悟らせない目的で採用に至った。「ゆきふらし」によってペリッパーや後述のパオジアンと併せてエンジョイ・天候・フェイス🤗を形成し、「天候で遊んでいる人」だと意識させることができる点も重要である。
オーロラベール」は相手が積極的に殴ってくるビートダウン系の構築である場合には有効だが、徹底的な起点作成を行ってくる展開構築や受けサイクルなどにはそれほど有効ではない。このように相手が補助技主体で立ち回ってくる場合、相手の行動を制限する「こだわりスカーフ」+「トリック」の方が起点作成として有効である。これが可能なポケモンとしてサーフゴーを採用した。「おうごんのからだ」によって補助技による邪魔をされずに確実に「トリック」を決めることができるほか、「おきみやげ」によってアタッカー相手にも起点を作れることから採用に至った。はがねタイプであることから雨とコンボしているようにも見えるし、真面目なポケモンである点や起点作成であることがバレにくい点も評価した。
バトンエースとして、パオジアンを採用。"「はらだいこ」+「バトンタッチ」+「先制技」"は非常に強力なコンボであると構築試作段階で確認できたので、最強の先制技使いとして採用した。パオジアンは「ふいうち」と「こおりのつぶて」の2種類の先制技をタイプ一致で放つことができ、素のスペックが高いためメタ張りに大きくリソースを割くことができるのが採用の決め手となった。
「はらだいこ」+「バトンタッチ」では通常ヘイラッシャなどの「てんねん」持ちに勝てないので、「かたやぶり」持ちの物理アタッカーとしてオーガポン(かまどのめん)を採用した。「かたやぶり」は「てんねん」の他にミミッキュの「ばけのかわ」の対策になる。このポケモンは他の「かたやぶり」と比べると一際真面目な顔をしており、シンプルなスペックも高い点を評価した。
ここまでで、バトン構築ながらも、起点作りながら普通に戦うこともできるキュウコンやサーフゴー、「バトンタッチ」無しでも戦える物理アタッカーのパオジアンやオーガポンを採用できた。ニョロボンのバトンが成立しないと見たときの裏選出にペリッパーが組み込めるように、ペリッパーを単体性能の高い「こだわりメガネ」型とした。
選出画面でこちらの意図が最も秘匿できるように6匹を並び替えて、最終的に以下の形となった。

Xのアイコンをキングドラ、自己紹介を「☔️」とし、前期ダブルバトルニョロトノを使うことにより、昔ながらの雨パ愛好家であるかのように振る舞った。

【個別解説】

[調整]

196(244)-115-144(124)-×-128(140)-90
H…4n
B…Aぶっぱパオジアンの「サイコファング」+「かみくだく」をほのおテラスで「はらだいこ」ダメージ込みほぼ耐え。
D…余り

[解説]

軸。選出率9割。「はらだいこ」+後攻「バトンタッチ」により究極生物を降臨させる(通称:進化の秘法)。「オーロラベール」下ならばテラスタルや「オボンのみ」と併せて進化の秘法を決められるだけの十分な耐久と耐性を有している。
テラスタイプを「ほのお」とすることで本来の弱点であるくさやフェアリーに耐性をつけることができ、このとき「ちょすい」によって本来ならば弱点になってしまう水技も無効化することができる。
進化の秘法の致命的な弱点として、「はらだいこ」のターンにカイリューをはじめとする「アンコール」持ちを後投げされることが挙げられる。これを解消するために「ちょうはつ」を採用した。相手の「アンコール」持ちが後投げされるターンを読んで「ちょうはつ」を決めればそのまま進化の秘法に持ち込むことができる。こう書くとただの読みだと思われてしまうかもしれないが、壁ニョロボンが硬すぎるため、テラス前のニョロボンとテラス後のニョロボンに一貫する高打点がないことや、キュウコンが「アンコール」で退場できる場合があることなどから引きケアで「ちょうはつ」を置く余裕が存外にある。絶妙な素早さにより下から「バトンタッチ」をしたり上から「ちょうはつ」をしたりできる。「くろいきりドヒドイデや「キノコのほうし」モロバレルに対しては上から「ちょうはつ」ができるため都合が良い。チオンジェンとのS関係が不明瞭であるのだけが少し気になった。
攻撃技に「ドレインパンチ」を採用。「はらだいこ」で失ったHPを回復できるため相性が良く、一応「バトンタッチ」をせずにニョロボンで攻撃する選択肢を取ることもできる。バトン先のパオジアンが止められてしまう展開が大体ノーマルテラスタルしんそくカイリュー、ウーラオス、「きあいのタスキ」パオジアンなのでそこに殴り合っていける技としても優秀だった。

[調整]

167(252)-×-120-161(252)-90-86(4)
HCぶっぱ。

[解説]

イカれた鳥。選出率堂々の最下位にして堂々のMVP。その顔に魅せられ、初手からみずテラスタルを切ってしまったウーラオスやテツノツツミは数知れない。また厄介な炎オーガポンの初手置き抑制にも期待した。
「こだわりメガネ」ペリッパーは残念ながら(?)ちょっと強い。役割対象であるガチグマと炎オーガポンが環境入りし、「ウェザーボール」を習得した今は間違いなく熱いポケモンである。火力に関しては本当に申し分なくチョッキでないガチグマはみずテラスタルでもない限り雨「ウェザーボール」で即死する。「ぼうふう」も水技との攻撃面での補完に優れた高威力技で、この2つの優秀な一致技で攻撃できるペリッパーは世間で思われているよりはかなり強いのだ。実際構築の組み始めでは舐めて突っ込んできたノーマルテラスタルガチグマを即死させて勝つなどそこそこの活躍を見せていたが、構築が洗練されるにつれて進化の秘法で勝つルートの再現性が上がり、選出機会が無くなった。
「ふぶき」はカイリューをワンパンしうる技として、「ハイドロポンプ」はカバルドンをワンパンするための技であり、純粋な最高打点として採用した。
テラスタイプはトリックルーム下でガチグマのノーマル技を一発耐えたり、重い岩オーガポンやハバタクカミに抗える「はがね」とした。

[調整]

181(148)-×-116(4)-166(100)-112(4)-149(252)
S…最速。
H…Cぶっぱハバタクカミの「シャドーボール」耐え。
余り…C。

[解説]

起点作り(サブ)。適当に初手「こだわりスカーフ」+「トリック」で起点を作る。「おうごんのからだ」及びタイプによって主に「ブーストエナジー」のハバタクカミやオオニューラなどに対して、「ちょうはつ」や「でんじは」、「フェイタルクロー」などで妨害をされずに起点作成が行えることがこのポケモンの強みである。いざというときは「おきみやげ」もある。このポケモンが「おきみやげ」を習得することを知ったとき、確かに私は"気付いた"感覚がした。こちらはサーフゴーを起点作成要員としか思っていないので、対面した相手がランドロスだろうがトドロクツキだろうが「トリック」を撃っていたが、相手の勝手な交代読みで大きくアドバンテージを稼げることがそこそこあった。実態とは大きく離れ、サイクル要員にすら見える型の匿名性も強みだった。
残りの2つの技は無難に「ゴールドラッシュ」と「シャドーボール」を採用し、普通の「こだわりスカーフ」持ちアタッカーとしての戦い方もできるようにした。構築全体で岩オーガポンが非常に重く、「トリック」も効かないので倒しに行くことが必要になる。
テラスタイプは地面技に対してアドを取れる「ひこう」とした。

[調整]

155-189(252)-109(68)-×-85-179(188)
A…特化。
B…A特化「パンチグローブ」ウーラオスの「すいりゅうれんだ」耐え。
S…最速オーガポン抜き。

[解説]

災厄の王。進化の秘法により究極生物と化す。主なダメージ計算を示す。

パオジアン(究極生物)

・つららおとし
HB特化ディンルー(等倍テラス)…68.7%の乱数1発。
Hぶっぱウーラオス…81.2%の乱数1発。
HB特化カイリュー(等倍テラス)(マルチスケイル)…確定2発(75.2%〜88.8%)。
かみくだく
Hぶっぱカイリュー(等倍テラス)…確定1発。
HB特化キョジオーン…余裕の確定1発。
こおりのつぶて
HB特化ハバタクカミ…余裕の確定1発。
Hぶっぱオーガポン(等倍)…余裕の確定1発。
・ふいうち
HB特化アカツキガチグマ…68.7%の乱数1発。
無振りパオジアン…75%の乱数1発。

この通り受けが不可能である。S実数値179未満のポケモンに人権はなく、それより速いポケモンも先制技で死ぬ。そしてこのポケモンの本当に恐ろしいのは、ラスタルによりこおり技とあく技の両方を同時に半減することが不可能であること(元素人格なので)である。私ほどの環境理解度があれば相手のテラスタルを読んで「つららおとし」と「かみくだく」を適切に選んでいくことは難しくない。勿論テラスタルが無ければあらゆるポケモンは読みすら介さずに倒せる。
テラスタイプをゴーストとし、持ち物を「ジャポのみ」とすることで、パオジアンが止められる展開を減らした。ゴーストテラスタルは多くの場合詰めの一手となる。弱点技を一度透かせる(一度でも透かしたら相手は死ぬ)ほか、カイリューの「しんそく」に止められることもなくなる。「ジャポのみ」は対水ウーラオスを想定した持ち物で、ゴーストテラスタルと併せることによってこちらの技をミリ耐えされても一方的に勝つことができる。また、相手のラス1が水ウーラオスであった場合、ゴーストテラスタルかみくだく」が安定となる。相手が「こだわりスカーフ」「すいりゅうれんだ」の場合のみパオジアンは一方的に負けるが、この場合ニョロボン(自明に裏に残っている)で勝ちが確定する。

[調整]

174(204)-×-122(212)-101-120-155(92)
S…Sブースト-2最速テツノツツミ抜き=準速イーユイ抜き抜き抜き
HB…A特化オーガポンの抜群「ツタこんぼう」を雪下で確定耐え、A特化ハッサムの「バレットパンチ」を雪下で最高乱数切り耐え

[解説]

起点作り(メイン)。「オーロラベール」でニョロボンの耐久を底上げする。パオジアンと並べて「ゆきふらし」によって天候コンボをより強固に意識させる。
オーロラベール」は一手で両壁を張るのと同等の効果がある上、キュウコン自身の耐久と素早さがそこそこ高くある程度の行動保証があり、壁貫通のウーラオスに対して耐性と打点があるため壁張りとして非常に優秀だった。イーユイや炎オーガポンに対して特性による素早さ判定ができるのも地味ながら優秀。
他の技構成は起点回避兼起点作成の「こごえるかぜ」と「アンコール」、ウーラオスやパオジアンなどへの遂行技であり優秀な攻撃技である「ムーンフォース」とした。「こごえるかぜ」によるS操作は「オーロラベール」とも「アンコール」とも相性が良く、ハバタクカミなどの素早さ負けしている相手に対して一旦の安定択となる。
持ち物は壁ターンを伸ばすために「ひかりのねんど」とした。キュウコンは自主退場ができず、ニョロボンも壁下で「ちょうはつ」を撃ってちんたらしたりするので5ターンでは壁ターンが足りない。
テラスタイプは本来の弱点であるほのおとはがねに耐性を付けられてかついわが一貫しないみずとした。途中までほのおテラスタルで使っていたが、シーズン途中で解禁されたメテオビームテツノドクガが本当にやばすぎることに気付いたので変更した。

[調整]

187(252)-157(20)-111(52)-×-117(4)-153(180)
S...準速イーユイ抜き
H...C特化「こだわりメガネ」イーユイの「あくのはどう」耐え
B...A特化ウーラオスのみずテラスタル「すいりゅうれんだ」耐え
余り...A

[解説]

焦熱の悪鬼。進化の秘法により究極生物と化す。主なダメージ計算を示す。

オーガポン(究極生物)

・ツタこんぼう
HB特化ディンルー…確定2発(83.5%~98.4%)
HB特化アカツキガチグマ...確定1発。
Hぶっぱカイリュー…56.2%の乱数1発。
・くさわけ≒タネマシンガン2発
HB特化ヘイラッシャ...43.7%の乱数1発。
HB特化ハバタクカミ...余裕の確定1発。
・はたきおとす
HB特化カイリュー(持ち物あり)...12.5%の乱数1発。
HB特化ラウドボーン(持ち物あり)...確定1発。

この通り受けが不可能である。まあよく見るとパオジアンよりもやや突破力が低いが、「かたやぶり」によって「てんねん」や「ばけのかわ」を貫通できるのでそういった相手がいるときに選出し、「くさわけ」によって足りないSを補っていく。
「タネマシンガン」は当初「ウッドホーン」だったが、「くさわけ」でSを上げても、「きあいのタスキ」+先制技で処理されやすい点が気になったため、連続技である「タネマシンガン」を採用した。仮想敵はほぼ低耐久の「きあいのタスキ」持ちだけなので、基本的に2発ヒットで十分である。「はたきおとす」は「とくせいガード」ラウドボーンに負けて不快だったので採用した。
バトン無しでも選出できるように、単体性能の高い耐久振りとした。バトン選出が事故った場合でも「おもかげやどし」が強いのでワンチャンをつかむ性能はある。

【選出・立ち回り】

[基本選出]

キュウコン+ニョロボン+パオジアン
体感8割はこの選出だった。正に構築の軸とした「①初手で壁を張る②『はらだいこ』+後攻『バトンタッチ』③A+6のエースで全抜き」という動きができる選出である。無論パオジアンにテラスタルを残しながら①と②ができるのが理想展開だが、ニョロボンにテラスタルを切っても全く構わない。逆にキュウコンにテラスタルを切るのはなるべく避けたいところである。
パオジアンの技選択が非常に重要。テラスタルが残った壁下のパオジアンは殆どの事象をケアできる。A+6パオジアンの突破性能は圧倒的なのでほぼ止まることはないが、パオジアンを止められるポケモンの筆頭であるカイリュー、ウーラオス、パオジアンにキュウコンニョロボンが強めなのでそこが美しいポイントである。
上記のこともあって、ニョロボンの後投げが可能でキュウコンを残せるときは積極的に残すのが好ましい。壁ターンを長く利用することにも繋がる。

[基本選出亜種]

キュウコン→サーフゴー
壁よりもスカーフトリックの方が有効に働く相手に選出。「おきみやげ」で擬似的な両壁も張れる。
そのような相手の例
明らかな起点作成要員:サケブシッポなど
壁貫通:ドラパルトなど
低火力:チオンジェンなど
キュウコンだと死ぬ:オオニューラ、岩オーガポンなど

パオジアン→オーガポン
相手に「てんねん」やミミッキュがいるときに選出。こちらはパオジアンと違って先制技が無いので隙を見て「くさわけ」を積極的に撃つことで無双していく。
上記の理由以外でパオジアンではなくこちらを選出しても勝てなくはないが、お勧めしない。理由は相手の構築にほとんどの場合採用されているカイリューとハバタクカミに弱いからである。カイリューには「くさわけ」がほとんど入らないため「くさわけ」ができない展開に陥りやすく、ハバタクカミには後発の「ブーストエナジー」ハバタクカミに「でんじは」を撃たれると「くさわけ」をしても相手の上を取れず、倒されてしまうという展開に陥りやすい。

[サイクル選出]

ペリッパー、サーフゴー、キュウコン、オーガポンのうちから3体
ニョロボンバトンが成立しないとみたときにする選出。サイクルしながらペリッパーやオーガポンの高火力で相手を崩す。構築の軸の構成や立ち回りが煮詰まっていない初期段階では時々していた選出で実際勝てなくもないが、軸が煮詰まるにつれて殆どすることはなくなった。

[ありえへん]

パオジアン+ニョロボン+オーガポン
最終盤1回やって勝った。

ペリッパー+ニョロボン+パオジアン
最終盤1回やって負けた。

【おわりに】

自分で言うのもなんですが、細かい部分が綺麗に噛み合っていて美しい構築に仕上がったと感じていて、結構気に入っています。手の内がバレていると弱い構築ですがもう使わないのでどうでもいいし、承認欲求のために公開しました。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVダブル】S12使用構築 最終150位 レート1902.478 ガチ滅びコントロール

【はじめに】

ドラゴンクエストモンスターズ3をしていたので更新が遅れました。
雨パ一筋40年!赤緑の頃からニョロトノが相棒です。🐸

【構築経緯】

ニョロトノを使いたいと考えたとき、真っ先に思い付くのは「あめふらし」を利用し、「すいすい」エースと組ませた雨パであろう。しかし、ニョロトノが雨の始動役としてトルネロスペリッパーに優るところは果たしてあるだろうか。この2匹はみず技との相性が良い強力なひこう打点を持てるが、ニョロトノは実に攻撃面が貧弱である。初め、私は攻撃的な雨パを組んではみたが、結局、そのような形の構築には限界を感じた。
発想を転換し、ニョロトノの「ほろびのうた」に着目した。「ほろびのうた」は非常に強力かつ特異な勝ち筋を作れる技であり、採用理由としては十分だ。この場合、ニョロトノは雨の始動役としてではなく、あくまで「ほろびのうた」要員として採用することになる。「あめふらし」という特性・雨という天候を、攻撃に活かすのではなく、一つの防御手段として利用するのだ。
「雨を防御手段として利用する」とはいえ、最初に攻めて残数有利を取ってから「ほろびのうた」で締める(以下「後滅び」と呼ぶ)という動きは強いので、雨で高火力を出せるみずタイプのアタッカーとしてウーラオス(れんげきのかた)を採用。何故他のみずタイプアタッカーではダメだったのかについては、個別解説のところで後述する。
後滅びの他に、最初に「ほろびのうた」で残数有利を取る動きも強い(以下「先滅び」と呼ぶ)。先滅びには「かげふみ」が必須なので、ゴチルゼルを採用。
歌い手の中で最強のポケモンであるハバタクカミを採用。採用理由はパワーではあるが、この枠はそれ以外の要素を考慮してもこのポケモン以外ありえなかった。理由は個別解説にて後述する。
先滅びにしろ後滅びにしろターンを稼ぐ必要があるので、パーティ全体の被ダメージを抑えられる特性「いかく」持ちであり、「とんぼがえり」による対面操作が可能なランドロス(れいじゅうフォルム)を採用。
ターンを稼ぐにあたって、パーティ全体で回復ができる特性「グラスメイカー」持ちであり、「ねこだまし」によるターン稼ぎや「とんぼがえり」による対面操作が可能なゴリランダーを採用。
型を工夫し、初見殺し要素も多く取り入れた。

【個別解説】

[調整]

197(252)-×-139(252)-110-121(4)-90
HB特化余りD。

[解説]

歌い手。「ほろびのうた」の始動及び「あめふらし」による天候奪取が主な役割。「あめふらし」には多大な意義がある。
まずみず技の威力増加によるウーラオス(及びニョロトノ自身)の強化が挙げられる。雨下のウーラオスの圧力は言うまでもなく凄まじく、相手の動きが著しく制限される。所謂フェイスである。
次にほのお技の威力下降による相手のほのおポケモンの弱体化だ。ほのおタイプのアタッカーは全体的に火力が高く、全体攻撃の「ねっぷう」を採用していることも多く、受けることが難しい。雨を降らせることでかなり受けやすくなるほか、そもそものほのおタイプの選出を抑制することでこちらの真に通したい選出(ハバタクカミランドロス+ゴチルゼルゴリランダー)を通しやすくなる。これもまたフェイスである。
さらに、相手の天候戦術を妨害できることも大きい。強力な全体攻撃であるコータスの晴れ「ふんか」やアローラキュウコンのゆき「ふぶき」を連打される展開を許していると厳しいが、後投げによってそれを阻止できる。ニョロトノ自身がほのおタイプやこおりタイプに耐性があるのも良い。
技構成は、コンセプトの「ほろびのうた」と時間稼ぎの「まもる」は確定として、相手のポケモンを攻撃で倒しになければならない展開を想定し、攻撃技の「ウェザーボール」と横のアタッカーを強化する「てだすけ」を採用した。ニョロトノは耐性が良いので盤面にニョロトノが居た方が強いことは存外多いが、そうしたときに攻撃的なアクションが取れる(暇にならない)ことは重要だった。
テラスタイプは両弱点を半減にでき、モロバレルに強くなれる「くさ」とした。

[調整]

176(4)-200(252)-120-×-80-149(252)
A…特化
S…準速
H…16n

[解説]

非道熊師。あまりにも強いフェイスから放たれる「みきり」でゲームを破壊する。
このポケモンは「ほろびのうた」展開との直接的な関係が全くない。つまり構築の中で"浮いている"ので、必然的にこのポケモンがこの構築の中で最も弱いということになる。しかしこの枠はウーラオスでなければならない理由があった。
その中でも決定的なものは、あくタイプへの優位性である。この構築はパオジアン、ドドゲザン、イーユイ、一撃ウーラオスなどのあくタイプが非常に重いが、連撃ウーラオスはこれらに非常に強い。ちなみにこれとみずタイプであるという条件ならマリルリも当てはまるが、襷パオジアンに対してマリルリはウーラオスよりは強くないことを考えると、やはり採用すべきはウーラオスということになった。加えて、「ふかしのこぶし」による立ち回りの安定性、ゴチルゼルがゴーストを嫌うので一撃に見えないこともない、などの副次的な理由もある。
だがこのポケモンの大きな弱点にトルネロスの「こがらしあらし」が抜群で入ってしまうことがある。今回の構築はひこうが一貫しているので、これだけでウーラオスが非常に選出しづらくなってしまうのだ。この弱点をでんきテラスタル+「かみなりパンチ」で解消することにした。また、テラスタルを切らずとも行動保証が得られるように「きあいのタスキ」を持たせた。いずれも読まれにくく、初見殺し要素の一つとして機能した。「かみなりパンチ」はミラーでも撃ちやすい技であるほか、でんきタイプは弱点が少なく、サーフゴーなどの不意の「10まんボルト」を受けられたりと意外と優秀なテラスタイプであった。

[調整]

177(252)-67-161(252)-×-131(4)-85
HB特化余りD
※「ねこだまし」ワンウェポンなのでA下降ではなくC下降の方が良いです。

[解説]

踏み師。「ほろびのうた」が入った相手のポケモンを「かげふみ」でキャッチし滅ぼしきる。
技構成は時間稼ぎの「まもる」と「ねこだまし」は確定として、まず「てだすけ」を採用した。これはこちらのSブーストハバタクカミの「シャドーボール」に合わせることで相手のハバタクカミやサーフゴーなどの「かげふみ」無効のゴーストタイプを上から落としにいくというのが主な用途となる。そして「さいみんじゅつ」を採用した。先滅びで時間を稼ぐ際、ゴチルゼルが「まもる」必要がないターンというのが発生しがちなのだが(例えばゴリランダーが「ねこだまし」を撃つターンなど)、ここで「さいみんじゅつ」を撃つことによって様々な負け筋を減らすことができる。また催眠から裏を安全に着地できることでゴチルゼルを切らなくてよくなったり、次の展開に望ましい盤面を作りやすくなったりする。つまり、ゴチルゼルに発生しやすい"暇なターン"に最もアドバンテージを稼ぎやすい技が「さいみんじゅつ」であった。また無理構築へのワンチャンを狙える技でもある。
テラスタイプは一撃ウーラオスを受けられるフェアリーとしたが、あくタイプでもよかったかもしれない。

[調整]

161(244)-×-97(172)-166(84)-156(4)-171(4)
C…H145-D156のハバタクカミまで「てだすけ」+「シャドーボール」で確定1発
H…16n+1
余り…B
C

[解説]

歌うたい。「ほろびのうた」及びその他の手段で相手を滅ぼす。
持ち物は「ブーストエナジー」とした。耐久にガッツリ割いて素早さブーストすることで、安定した行動保証を得られる。硬いハバタクカミは強かった。
技構成は「ほろびのうた」と「まもる」は当然として、ゴーストタイプへの打点である「シャドーボール」、最大打点の「ムーンフォース」とした。フェアリー技はサーフゴーなどのドラゴンテラスタルに刺すために必要であり、滅び構築の性質として全体を少し削る「マジカルシャイン」よりも一体を大きく削って倒しきり、残数を取れる「ムーンフォース」の方が適している。
テラスタイプはシンプルに耐性が多いはがねとした。無数の耐性があるので強力な場面は多いが、ゴリランダーのくさ技やハバタクカミのフェアリー技に耐性が持てたり、トドロクツキからの打点が無くなったり、キラフロルの毒展開を拒否できる点などが特に強力だった。また非常に読まれにくい。
いい感じに歌える盤面になるまで攻撃していたら歌う前に相手が滅んでいたりした。おかしい。

[調整]

195(244)-216(252)-111(4)-126(4)-101(4)-99
A…特化
余り…総合耐久高め

[解説]

いかとん(「いかく」+「とんぼがえり」)。盤面が良くなる。
持ち物を「とつげきチョッキ」とし、素早さに下降補正をかけた。選出画面ではゴリランダーが「とつげきチョッキ」に見えるはずなので、これも一つの初見殺し要素である。「こだわりスカーフ」ではないので、後攻「とんぼがえり」からゴチルゼルなど裏のポケモンに繋げるという動きができる。
技構成はテツノカイナへの遂行技であり最高打点の「じだんだ」と対面操作のための「とんぼがえり」は確定として、トルネロスなどひこうタイプへの打点である「いわなだれ」と、もう一つの地面技として「ねっさのあらし」を採用してみた。「ねっさのあらし」は、雨下で必中となり、テツノツツミに対する優秀な打点になったり、キラフロルのどくげしょうを発動させずに大ダメージを与えることができたり、「このゆびとまれ」で守られたサーフゴーを削ることができたりなど、所々役立つ場面はあったが、ハバタクカミをワンパンできるはがね「テラバースト」でも良かったかもしれない。
テラスタイプははがねとした。採用率が低いテラスタイプで、これも初見殺しと言える。パオジアン+カイリューに対してハバタクカミ+ランドロスから入り、ランドロスがテラスタルして、(「こだわりハチマキ」なので「まもる」がない)カイリューを集中攻撃するという一つの強い動きがあった。先に述べた通り耐性が多いので他にも多くの強みがある。
より耐久に振ることも考えたが、技が貧弱すぎてA特化でも火力が全く足りなかったため難しい。

[調整]

207(252)-145-122(4)-×-122(252)-81
S…最遅。
総合耐久高め。

[解説]

ガチゴリラ。「グラスメイカー」によるグラスフィールド下ではテラスタルしていないランドロス以外の全員が「たべのこし」持ちと同義になり、HP管理が容易になる。ゴチルゼルは倍たべのこし(夜マック)となる。特にハバタクカミが回復するのが強かった。
耐久に全振りし、「ゴツゴツメット」を持たせた。初見殺し要素の一つである。ウーラオスの「すいりゅうれんだ」が飛んでくる方向を読んでゴリランダーを後投げすると大ダメージを与えることができる。「グラススライダー」の火力が低くて困ることはあったが、絶妙に高い耐久で耐えて勝つ試合も多かったので最後まで調整に関して最適解が出せなかった。
技構成は時間稼ぎの「ねこだまし」及び「まもる」、対面操作の「とんぼがえり」、遂行技の「グラススライダー」とした。ゴリランダーの仮想敵に対する遂行技は、「ウッドハンマー」(これは仮想敵以外への負担技)ではなく「グラススライダー」になると考えている。先述の通り火力は足りないが、他の攻撃と併せることで細かい削りでも有効なことはある。
テラスタイプはハバタクカミ、イーユイ、パオジアンなどに強くなるほのおとしたが、殆ど切らなかった。

【選出・立ち回り】

[基本]

先ハバタクカミ(ニョロトノ)+ランドロス
ゴチルゼル+ゴリランダー
メインプランは先滅び。先滅びの手順を解説。
ハバタクカミが「ほろびのうた」を撃ったターンにランドロスが素引きか「とんぼがえり」でゴチルゼルを降臨。(滅びカウント3)

ゴチルゼルが相手の強い方に「ねこだまし」、ハバタクカミはゴリランダーバック(滅びカウント2)

ゴリランダーが相手の強い方に「ねこだまし」、ゴチルゼル暇。(滅びカウント1)

ゴリランダーが「まもる」、ここでゴチルを切っても良い。(滅びカウント0)
相手にゴーストタイプが居たらそいつを倒すか引かせるかする必要がある。
歌い手がハバタクカミよりニョロトノの方が強いとき(主にグレンアルマ絡み)はハバタクカミ→ニョロトノにするだけ

[ビート]

先ハバタクカミ+ランドロス
後ウーラオス+ゴリランダー
相手の火力が高すぎて歌ってもいられなさそうなときはこの選出。普通に殴り合いで勝ちに行く。数的有利を取ったら後滅びも可。

他にも選出の仕方はあるが基本は上記の2種類だった。これ以外の選出は、基本選出で厳しい相手に個別に対応しているときであるので省略。

【おわりに】

とりあえずモンスターズをするのでしばらくポケモンやるかわかりません。ここまで読んでくださってありがとうございました。

【ポケモンSVシングル】S11使用構築 最終389位 レート2012.523 蛇蝎龍神将

【はじめに】

こんにちは。久しぶりのシングル構築記事でつ。🐍

アーボックについて】

『翠の仮面』にて追加されたポケモンアーボック。その絶望的に低い種族値から、オコリザルの如く今作で進化し、ガチコブラになるはずだった。

うーんこの。

こんな感じ?
しかし今回の『翠の仮面』ではまだ進化せず、どうやらガチコブラは次回の『藍の円盤』までお預けのようだ。この場合でも「しんかのきせき」は適用されるはずなので、アーボックに適用されるか検証してみたが、最新バージョンにおいても未だバグで適用されていない。現時点では残念ながらエンジョイコブラと言わざるを得ない。

【構築経緯】

開闢から話すこととしよう。月初め、かんちゃろーとアーボック構築の案を少し議論した。アーボックから組み始めるとして、目指すところは、『アーボックの起点を作り、アーボックが起点を作れる構築・アーボックを適当に捨てるのが有効なサイクル構築』である。つまり、アーボックの型は「とぐろをまく」「ダストシュート」(アーボックの起点を作り)、「へびにらみ」(アーボックが起点を作る)型である。
それとは別に、カイリュー・オーガポン・パオジアンなどが跋扈する環境において、安定して勝つためには「ステルスロック」が必須だと考えた。そこでステロ撒きとして、新しく追加されたポケモンであるジャラランガに着目した。その強みについては個別解説のところで詳述する。
ここまでが最初の議論で決まったところであるが、次に、アーボックの起点作りを有効に活かせるポケモンを考えた。アーボックの起点作りは「へびにらみ」だが、「ダストシュート」は確率で相手をどく状態にするということで微妙な逆コンボがある。「まひ」と「どく」の両方を活用できるポケモンとして、「みがわり」の回数を非常に多く稼げる「ポイズンヒールグライオンを思い付いた。ただ、現在主流の「どくどく」「まもる」「みがわり」「じしん」の型では、麻痺の方を上手く活かせない。そこで、「つるぎのまい」型にすることによって麻痺による身代わり残しを一気に勝ち筋に繋げられるようにした。
続いて、アーボックの起点を作れるポケモンを考えた。「とぐろをまく」アーボックの起点は、言うまでもなく「まひ」だろう。麻痺撒きとして、「でんじは」「エアスラッシュ」「はねやすめ」型のカイリューを採用した。このポケモンは麻痺を撒くだけに留まらず、自身もその麻痺の恩恵にあずかることができ、型の匿名性から麻痺撒きを成立させやすい。加えてアーボックの苦手なウーラオスに対して強く、アーボックと相性が良いと言える。
ここまでで、ガチすぎるクマことガチグマ(あかつきのすがた)が重すぎることに気づいた。また、キョジオーン対策がグライオンだけだと「てっぺき」で簡単に詰んでしまうので、マジグマを起点にして3タテを狙えてかつ、キョジオーンにも強いポケモンとして最終的に、「みがわり」「めいそう」持ちのハバタクカミを採用した。この枠はピクシーやクレセリアなども試したが、やはりこのポケモンのスペックは別格だった。
最後に、「まひ」+「アイアンヘッド」コンボができるはがねタイプであり、麻痺が効かないサーフゴーや、ここまでで重いハバタクカミやテツノツツミに強く、「ハサミギロチン」による強引な崩しもできる「とつげきチョッキ」持ちのドドゲザンを採用した。
ここまでで一旦構築の雛形ができた。

割と初期の案
だが使用していくうちに一つの現実に気づいてしまう。それは「アーボックの起点を作る」ことは不可能だということだ。残念ながら相手を麻痺させた程度でアーボックがとぐろを巻く余裕は生じない。泣く泣く「とぐろをまく」を諦め、新たなアーボックの型を模索した。もともと、「いかく」「へびにらみ」による起点作りの才はあるのだから、いっそ起点作りに特化させてみてはどうか。「どくびし」が強い環境であると感じたので、「へびにらみ」+「どくびし」の起点作り特化型とした。その他微調整も加え、最終的に以下のような構築となった。

最終形

【個別解説】

[調整]

160(196)-132(36)-109(156)-×-100(4)-115(116)
H…16n
B…A252ランドの「じしん」を「いかく」込みで最高乱数切り耐え
S…まひ状態の準速スカーフイーユイ抜き=最速ゲチグマ抜き
A…じめんテラスタル2倍「じだんだ」でH252サーフゴーを確1
余り…D

[解説]

蛇。最終的に起点作り型となった。
一応、アーボックのために私は配慮をしたつもりであった。残りの5体で構築をある程度完成させたし、「きあいのタスキ」もアーボックに持たせるために残した。「へびにらみ」「どくびし」だけなら確かにこれで良い。しかしアーボックには最後の仕事が残されていた。それが『アーボックZ』である。『アーボックZ』、それはアーボックが対戦中一度のみ使える必殺技であり、その驚きの効果とは「相手のもちものを奪った挙句、永久しおづけ状態にする」というものである(通称アボZ)。永久しおづけ状態になった者は、交代してもその効果が解けることはない。アボZを使うには、「くろいヘドロ」を持つ必要があり、「きあいのタスキ」を持つことができない。私は『コブラ・パズル』(最適なアーボックの調整を模索するゲーム)を解き、完璧なロジカル・アーボックを実現した。上を取られている相手の攻撃はほぼ何でも耐えるので、確実に起点作りを行うことができる。
特に「どくびし」が強力だった。現環境では構築にどくテラスタルは入れど、元がどくタイプのポケモンが入らないことが珍しくないので、「どくびし」は崩しの手段として有効なことが多い。特に、ガチグマ(ガチ)の対策として「どくびし」+カイリューは非常に有効である。初手ガチグマ(異常)は無理だと思われるかもしれないが、実は全対応である。
※シミュレーション こちらは全て初手どくびし
・「ブラッドムーン」または「だいちのちから」→アーボックが死ぬのでカイリューで「アンコール」。
・「ハイパーボイス」→アーボックが耐えるので次ターン「すりかえ」。
・ノーマルテラスタルハイパーボイス」→アーボックが死ぬかもしれないが、カイリューの「でんじは」が通るようになる。※
「へびにらみ」も強力なはずなのだが、初手でアーボックと対面したポケモンは大体「みがわり」持ちということがわかってきたので、終盤は「どくびし」から入ることが多くなった。「みがわり」から入られても、「いかく」は入っているし、裏のジャラランガカイリューで流すことができるので致命的にはならない場合が多い。
「くろいヘドロ」+「すりかえ」もとい『アーボックZ』は、特に耐久ポケモンを崩す際に重宝する手である。耐久ポケモンの中には毒が効かないものも珍しくない。その中でも例えばキョジオーン・アーマーガア・「ねむる」ヘイラッシャなど、どくタイプで無い場合はアボZは有効である。受けループのヘイラッシャに決めるのが最も強い使い方であった。これが決まると、相手のヘイラッシャは倍逆たべのこし(夜マック)となる。ヘイラッシャが夜マックとなれば、体力管理は非常に厳しくなり、眠っている間に押し切ることが幾分か容易になるし、グライオンTODを見据えることもできるようになる。それでなくても、アーボック最大火力として、アボZは強力だった。
この世界にはでんきタイプやサーフゴーなど、「へびにらみ」を阻止せんとする者が存在する。ここに対抗する最後の切り札が「じだんだ」である。「へびにらみ」をスカされた次のターン、威力2倍の「じだんだ」で相手をぶち殺す。これが私の答えである。この不条理な世界に不満を持つアーボックだからこそなせる芸当だ。サーフゴーに一度だけじめんテラスタル2倍「じだんだ」を撃ってみた。やはりHBだったので耐えられた。交代際にもらった「でんじは」で抜かれ、「じこさいせい」で受け切られた。「くろいヘドロ」でダメージを受けながら、アーボックは静かに、しかし烈しく涙を流した。

[調整]

177(212)-121(44)-146(4)-×-101(44)-155(204)
H…8n+1
D…C252「こだわりメガネ」ハバタクカミの「ムーンフォース」耐え
S…まひ状態のSブースト最速テツノツツミ抜き=準速ガブリアス抜き
余り…A

[解説]

蝎。主に受け崩しとして活躍したが、一致「じしん」+「ダブルウイング」の技範囲は優秀で、普通の構築にも戦えないことはない。
シーズン序盤は相手がテンプレ型しか想定しておらず、安直な『毒無効の浮いてるポケモン』というグライオン対策を破壊し数々のイージーウィンを生み出していた。特にグライオンミラーでTOD勝ちを狙ってくる相手が本当に多くて楽だった。全てのどくまもみがグライ使いに感謝。「ダブルウイング」は連続技なのでまもみがループが成立しない(はがねテラスタルされても相手がB無振りで+6なら低確率だが初撃でみがわりを割ることができる)。徒に「じしん」を撃って油断させながら「つるぎのまい」を3積みし、「ダブルウイング」を刺したときにはもう遅い。相手のグライオンのHPは二度と戻らず、こちらにはA+6で身代わりの残ったグライオンが立ちはだかっている。
流石にシーズン終盤の上位帯となると、グライオンと共にヘイラッシャも同時に選出されていたりでそこまで簡単にはいかなかったが、前述のアーボックで毒菱を撒いたり、ヘイラッシャを夜マックにしたり、ねむるのタイミングにドドゲザンを合わせて「ハサミギロチン」を撃ったりすることで割と純正受けループにも負けなかった。
テラスタイプは最初ははがねで使っていたが若干使いにくかったので、れんげきウーラオス、パオジアン、ヘイラッシャなどに強くなり、弱点を両方とも半減にできるみずとした。

[調整]

182(252)-×-169(68)-128(60)-141(124)-106(4)
HB…A特化霊獣ランドロスのひこうテラバーストを最高乱数切り耐え
D…C特化ヤバグマのノーマルテラスタルブラッドムーンを最高乱数切り耐え
C…D4テツノツツミをステロダメージ(みがわりダメージ)+スケイルノイズで確定1発

[解説]

龍。ステロ撒きとしての採用。
ジャラランガは既存のステロ撒きとは全く異なる独自の耐性を持ち、オーガポンや両ウーラオスに対してタイプ有利であるほか、ほのおテラスタルと特性の「ぼうだん」によってサーフゴーやパオジアン、「じゃれつく」持ちの炎オーガポン、ハバタクカミなどに強くなれる。耐久種族値も高く、初手のステロ撒きとして安定すると考えた。攻撃技として一致ドラゴン技の「スケイルノイズ」と、ほのおテラスタルと相性が良く、ドラゴン技との攻めの補完に優れる「かえんほうしゃ」を無理なく採用できるため、ジャラランガのテラスタルは攻守一体となり、耐性テラスタルながらもディンルーやカバルドンに切るような消極的なテラスタルに留まらないところが魅力である(同じステロ撒きで例えるならキラフロルのくさテラスタル+「エナジーボール」に近いか)。他のポケモンがテラスタルへの依存性の低いもので揃えているので、ジャラランガへのテラスタルは非常に切りやすく、実際このポケモンがテラスタルする機会が最も多かった。またステロ撒きであることがバレにくく、ステロ撒きを阻止されにくい、奇しき赫耀のガチグマのテラスタルを誘発できる、ステロを撒いた後に裏に取っておけば麻痺した相手の上を取って殴っていけるといった点も強かった。
調整の欄を見てもらえればわかる通り、耐久は物理特殊共に非常に高く、ウーラオスの「インファイト」やテツノツツミの「フリーズドライ」をオボン込みで2耐えしたりする。テラスタルを切らずともカイリューガブリアスの「スケイルショット」をオボン込みでギリギリ耐えることが多く、強引に「ほえる」で流すことも可能。
テラスタイプは敢えて流行から逸らすという意味でもほのおにしたが、ハバタクカミにタイプ有利とはいえ大きな打点を持てないのは一つ明確な弱点であった。実際これだと終盤非常によく当たった「でんじは」+「たたりめ」のハバタクカミなどには有利とは言えない。今回は「ほえる」で流してこちらの裏のハバタクカミで上を取りに行く、あるいはドドゲザンを選出することでこの弱点を補っていたが、はがねテラスタルではがね技を持つのも一つの選択肢ではあるだろう。

[調整]

197(244)-×-157(220)-121(4)-122(12)-104(28)
H…奇数最大
S…まひ状態の最速テツノツツミ抜き
B…A特化「パンチグローブ」ウーラオスの「れいとうパンチ」の乱数がズレるところまで
余り…D

[解説]

龍神アーボックの起点を作り、アーボックが起点を作れるポケモン』としての採用であるが、そもそもの単体性能が異常であった。
高い耐久種族値と「マルチスケイル」によって殆どのポケモン相手に「はねやすめ」連打で粘ることができ、この行為が麻痺とも毒とも相性が良い。技構成は完結しており、「でんじは」+「エアスラッシュ」による"突破性能"、「でんじは」+「アンコール」による"起点作り性能"、「アンコール」+「はねやすめ」による"詰め性能"とあらゆる性能が一級品で、加えてこのポケモンの型の匿名性から、特に初回の「でんじは」は通りやすい。今回の構築はあらゆるポケモンが麻痺とのシナジーを有しているため、麻痺とは即ち事実上の死を意味する。連鎖的に次々と麻痺を入れることで相手の構築を崩壊させる、まさに怪物であった。
タイプも非常に優秀で、じめんの一貫を切ったり、両ウーラオスやいわ以外のオーガポンを受けることができたりする。ドドゲザンとの相性補完が極めて良く、ドドゲザンからカイリューに引いて「アンコール」や、ドドゲザンを突破した技を「アンコール」などの強力な択が存在する。
持ち物を「たべのこし」にすることでHP管理が容易になり、行動選択に余裕が生まれやすくなる。また相手を「エアスラッシュ」で突破しながら「マルチスケイル」を回復できる、一部の技(ランドロスの「とんぼがえり」など)で「マルチスケイル」を潰されないなど、「たべのこし」にしかない固有の強みがある。
テラスタイプは全ての弱点を半減にできるはがねとしたが、使用していくうちにこおり技持ちのれんげきウーラオスに強くなるみずや、ドラゴンを無効にできつつ弱点が少ないフェアリーなども候補に挙がると感じた。はがねで拾う試合も多かったので今回ははがねのまま使用した。はがねは素のタイプ・マルチスケイルが残った状態で「アンコール」→テラスタルするかどうか選ぶという全対応のムーブが取れる。

[調整]

161(244)-×-107(252)-156(4)-156(4)-171(4)
かもねぎなべさんの記事を参照。

[解説]

神。先に述べた通りこの枠に求めたのは「ガチグマを起点にして3タテできること」及び「キョジオーンを対策できること」の2つである。この2つの条件を満たすポケモンとして採用した。
採用の決め手は結局のところ、圧倒的な火力・素早さから放たれるタイプ一致「ムーンフォース」の凄まじい一貫性である。使用率の高いカイリュー・ウーラオス・パオジアンはいずれもフェアリー弱点であり、フェアリー打点、ひいてはそれをこの3匹の上から放てるハバタクカミは現環境で安定して勝つのにおいて必須であるとすら感じた。
調整も技構成もかもねぎなべさんのものを丸パクリした。「めいそう」+「いたみわけ」でガチグマを起点にするのが非常に安定し、とても強かったが、この型だと主にほのおオーガポンがきつかったので、配分をCに寄せて「いたみわけ」を「たたりめ」あるいは「シャドーボール」で使うのも選択肢の一つではあると感じた。実際そのような型のハバタクカミをもう1匹育成して用意しておいたがついぞ使用することはなかった。テラスタイプのみず、素のタイプ及び「みがわり」を併せて殆どの先制技に耐性を持てる点も強力であった。
実際にキョジオーンを選出されることは少なかったが、このポケモンはキョジオーンの裏の対面選出にも強く腐りにくいため、こういう駒でキョジオーン対策をすることは大事だと感じた。

[調整]

207(252)-176(36)-147(52)-×-126(164)-71(4)
H…ぶっぱ
B…A特化ほのおオーガポンの「ツタこんぼう」を確定耐え
A…11n
余り…D

[解説]

将。主にハバタクカミ・テツノツツミ・サーフゴー対策。
配分はよくあるHAとは違い、かなりDに寄せている。このおかげで相手のダメージ感覚が狂うことも多く、これで勝ちを拾うことも多かった(例えば「こだわりメガネ」ハバタクカミがフェアリーテラスタルムーンフォース」で突っ込んできたのを耐えて勝ちなど)。火力不足を感じることも無いことはなかったが、A176のドドゲザンを以前から使っていたこともあってかあまり困らなかった。
やはりタイプと種族値が非常に優秀である。カイリューと相性が良いはがねタイプは構築に是非採用したいところであるが、今作のはがねタイプで採用したいと思えるのがこのポケモンしかいなかった。ただ一つこのポケモンについてほかのはがねタイプと比較した致命的な欠点を挙げると、ウーラオスに非常に弱いことが挙げられる。今回は「テラバースト」を採用していないので尚のことである。
技構成はテンプレとも言える4つで、「テラバースト」や「けたぐり」を採用したくもあったがいずれも切れなかった。対ハバタクカミを考えると「アイアンヘッド」、対サーフゴーを考えると「ドゲザン」が必須で、崩しの要素も必要だったので「ハサミギロチン」、そして他の"この手のポケモン"と一線を画す高火力先制技である「ふいうち」も必要だった。
※"この手のポケモン"とは、いわゆる高耐久高火力のヤケモンチックなポケモンである。"この手のポケモン"の強みとして、『後出し性能と突破性能の両立』が挙げられるが、弱みとして、『疲弊しやすく、HPが削れた状態だと仕事ができない』ことが挙げられる。しかし、ドドゲザンは高火力先制技の「ふいうち」があることで疲弊した状態でも仕事ができるほか、ある程度の対面性能も担保される。これがドドゲザンの強みの一つである。※
タイプと特性の「まけんき」によって、サーフゴーほどではないにしろ様々な搦手要素に耐性を持てる。あくタイプなので「いたずらごころ」の補助技が無効、はがねタイプなので毒無効、「まけんき」によって「あまえる」に耐性があるので対ハバタクカミが安定する、安易なランドロスの後投げを許さない、「ねばねばネット」への牽制など、多くの偉い要素がある。
テラスタイプは地面と格闘に耐性を持てる「ひこう」にしたが、素のタイプのままサイクルを回すのが強く、切ることは少なかった。一応エンジョイキルに行動回数を稼ぐことができる。
「ハサミギロチン」は不要な試合では一切撃たなかったが、必要な試合ではたくさん撃った。「ハサミギロチン」は当たれば勝てるし、外せば運を"貯める"ことができるので撃ち得である。だが終盤のこいつは運を貯めるだけ貯めてどっか行った。代わりにアーボックが「でんじは」を避けたりして頑張っていた。

【主な選出パターン】

・真面目サイクル
ジャラランガ+カイリュー+ドドゲザン
・ステロカミ
ジャラランガ+カイリューorドドゲザン+ハバタクカミ
・毒菱カイリュー
アーボック+ジャラランガ+カイリュー
・毒菱カミ
アーボック+ジャラランガorカイリュー+ハバタクカミ
・受け崩し
アーボックジャラランガ・ドドゲザンから2体+グライオン
・勝たない
アーボック+ジャラランガ+ドドゲザン

【終わりに】

久しぶりにシングルで自分としては十分な結果を出せたので良かったです。上手く構築が組めたからか、強いカイリューが使えたからか、久しぶりにシングルが面白いと思えました。麻痺構築の使用は、自らの確かな加害性を自覚することによって、被害者意識が過度に肥大化することを抑制し、道徳的な人間を育成するのに適していると感じました。ここまで読んでくださってありがとうございました。